上は、中国内でも頻繁に反日教育に用いられている映画『バトル・オブ・チャナ』の内容を暴露している動画。日々反日教育を行いながら、一方で自衛隊派遣を要請するなど、最近の中国は国内の混乱や分裂ぶりが顕著になっている。
読売新聞サイトの記事(もうすでにご存知の方は読み飛ばしてください)
政府は29日、四川大地震の被災者に向けた緊急支援物資の輸送について、航空自衛隊機の派遣を見送る方針を決めた。
世論の反発に配慮した中国政府が、受け入れに難色を示したためだ。日本政府は民間のチャーター機による輸送を検討する方針だ。実現すれば自衛隊部隊の戦後初の中国派遣だったが、見送りとなったことで過去の歴史に対する中国国内の複雑な感情を浮き彫りにした。
政府は中国側の物資提供の求めを受け、自衛隊派遣の準備を進めるとともに、中国側との調整を続けていた。29日午前には、斎木昭隆・外務省アジア 大洋州局長が北京市内の中国外務省で武大偉外務次官と協議した。武次官は席上、自衛隊機派遣に対する中国国内の厳しい空気を伝えたと見られる。
政府筋は29日夜、「『自衛隊でもいい』と言った意見が中国政府のコンセンサス(合意)ではなかったという、向こうの縦割りの問題だ」と指摘し た。外務省関係者も「自衛隊派遣が報じられたことで中国に副作用が出ている。物資を届けるという本来の目的と両立しなくなっている」と述べた。
救援物資の提供は、27日に北京市内で行われた、日本の防衛駐在官と中国国防省との協議で、中国側から要請された。
テントや毛布の提供を求める中国側に対し、自衛隊に対する反発を懸念した日本側が運搬手段について相談すると、中国側は、北京や成都などの空港まで自衛隊機が物資を運搬することを認める意向を示したという。
中国では、インターネット掲示板で自衛隊を旧日本軍と結びつけ、派遣に反対する意見が相次ぐなど、強い反発が出ていた。今回の地震ではすでに米 国、ロシア、パキスタンの空軍機が被災地向けの援助物資を運んでいるが、中国政府も国内世論の反応を見て、日本の自衛隊機の受け入れは難しいと判断したと 見られる。
北京の日本大使館関係者にも、中国側から「自衛隊が派遣されると国内世論が持たない」という声が寄せられていた。
防衛省は、C130輸送機3機が四川省成都に陸上自衛隊や兵庫県などのテント計約200張り、毛布約3600枚、食料などを運ぶことを計画してい た。政府はこうした物資を運ぶため、民間のチャーター機数機を早急に準備する方針で、時期や航路などを今後、中国側と調整する。
幻の日本軍支援は歴史の転換点になるか?
戦後初の日本軍による中国大陸上空飛行は、とうとう幻になってしまいました。
ただし、この事実現在の中国内の混乱ぶり、分裂振りを明らかにしたものだと思います。中国は、一枚岩ではないということをさらに強く印象付けたものだと思います。
中国は、共産党自体も一枚岩ではなく、いくつかの派閥があり、その中でも北京派閥と、上海派閥は協力で互いに火花を散らせています。
さらに、人民解放軍は国軍ではなく、中国共産党に所属する私兵のような軍隊です。しかも、自分たちで、工場や畑を持っているという軍隊です。北朝鮮の人民解放軍は、あさりを養殖していて、そのあさりを日本に持ってきて日本の海岸にしばらくおいておいてから、日本産として産地偽装されて販売されたという話は記憶にも新しいところです。
ここでは、詳述はしませんが、本当に大雑把なイメージをいうと中国の人民解放軍は、北朝鮮の人民解放軍のように、自分達で工場や、畑を持ち自ら稼いでいるという不思議な組織で、しかも、建前上は一つの軍隊のようになっていますが、実態は北朝鮮の人民解放軍程度の大きさの軍隊が複数あり、それら集まった連合体のようなものです。普通の国の軍隊と言う考え方では理解できない組織です。
共産党も、軍隊すらももともと分裂しているといって過言ではありません。考え方も目的も違う組織体が、集まって強力な権力を持つようになっているというのが実体です。何か横や縦や斜めの人もいるのに、選挙に勝つために集合している、今の民主党や自民党を連想させるような組織です。しかし、今までなら、いくらバラバラとは言ってもも外交、特に緊急時の外交に関しては、実際の意見はバラバラであっても、調整を行い、あくまで窓口は中国外務省であり対外的には、統一した見解や、統一した要請などを対外的に出していました。
上記の読売の記事の中にも「『自衛隊でもいい』と言った意見が中国政府のコンセンサス(合意)ではなかったという、向こうの縦割りの問題だ」と指摘し ていますが、今までではこれほどのミスはなかったはずで、現在の中国内部の混乱振り、分裂ぶりを示す査証だと思います。
私は、昨日のブログの中の記事で、「中国の自衛隊機」は、歴史上の転換点となり得るかもしれないという意見を掲載しました。そのときに、東欧の1989年の出来事月単位で列挙して、この中には一見さほど重要でないものもあるが、後から振り返ってみると歴史上の転換点になったものもあるという指摘をしました。
この幻の日本軍機中国上空の数十年ぶりの飛行は、現時点での中国の混乱振り、分裂を示し、その後につながる大変動の歴史上の転換点になるかもしれません。
昨日のブログの中で東欧の89年の出来事のトップにあげたのは、
1月19日東独・ホーネッカー書記長談「ベルリンの壁は必要である限り50年でも100年でもそのまま」
というものです。これは、その当時では当たり前のことと受け取られたと思います。ところが、翌年には、東西ドイツは統一されました。
本日も自衛隊機派遣の見合わせに関して、いくつかのブログをみていたら、「当然だと思う」という意見がほとんどでした。しかし、これは後で歴史上の転換点になる可能性が大きいと私は考えます。皆さんはいかがですか、このことで何か考えられたことがありましたら、是非私のブログにコメントをしていただきたいと思います。
以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。
■四川大地震:自衛隊機、中国派遣へ・・・政府要請受け入れ―歴史上の転換点になるか?
■自主的に救援活動をする中国の若者たち-80後世代と一つにくくるのは間違い?!
■不可解な中国の報道二題-やらせ義捐金とノーベル平和賞
■中国携帯電話事情-80後世代分類のツールともなるか?
■中国四川省大地震―核施設、ダムは大丈夫か?
■現代史は語る―大地震から始まった中国崩壊の道筋
■中国「イチゴ族」-中国の未来は彼らのもの
■胡錦濤主席の来日-その真の目的は?
■China Fashion week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?
■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?
■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?
■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄
■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?
■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択
■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権
■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々
■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?
■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩
■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実
■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない
■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史
■中国"義歯"から鉛「安全に問題」
■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名
■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?
■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情
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