2012年8月14日火曜日

「あえてダラダラすること」があなたの毎日に健康と創造力をもたらす―【私の論評】常に新しいものに目がいくように、組織づくりをしておくことが肝要である!!

「あえてダラダラすること」があなたの毎日に健康と創造力をもたらす:

eコマースでは、最もイノベーティブなザッポスの社内
時間を節約するためのさまざまなテクニックをすでに試していても、まだ「時間が足りない」と感じてしまうのなぜでしょう? 時間ができたらできたで、そこを新たなタスクで埋めてしまうからです。生産性を上げる究極の方法は、あなたの生活の規模を縮小することかもしれません。 「ダラダラしていいよ」なんて言われたらびっくりするかもしれませんが、少し手を抜くことは、睡眠と同じぐらい脳にとって大切なことなのです。退屈したり、先延ばしにしたり、関係ないことを考えたりすると、脳の働きがよくなり、よりよい決断ができるようになると言われています。 今回は「退屈」、「注意力散漫」、「先延ばし」が、あなたにもたらすメリットについて詳しく分析していきます。 Title image remixed from Subbotina Anna (Shutterstock).

退屈
退屈には、膨大な量の情報から本当に必要なことをふるいにかける効果があるのです。退屈することで自分をリセットできるというわけです。私たちは退屈すると「もっと意味のあることをしたいと思うようになり、結果として社会的な行動に移るのだそうです。退屈で何もする気が起きないというのは、うつ病のサインでもありますが、退屈だから何かしようという気持ちは、想像力や生産性を向上させる鍵になります。


注意力散漫
注意力散漫になることが、既成概念にとらわれない考え方を生むことがあります。注意力散漫になることは、想像力や問題解決能力をアップさせるだけでなく、集中力を上げるのにも関係しているそうで、空想することによって、脳内でより遠くの神経同士がつながるので、結果的に集中力がアップするのだそうです。要するに、気が散ってどうでもいいことを考えている状態は、長い目で見れば、良い効果があり集中力もアップする、ということです。だからといって、気持ちが乗って生産性が上がっているときに、わざわざネットサーフィンをしなさいと言っているわけではありません。関係ないことを考えている自分に気づいたときに、無理に元の作業に戻る必要はないかもしれない、という話です。



先延ばし
先延ばしは、人間にとって必要なもので、時には意思決定を助ける役割を果たしているのです。実際の行動や決断に移すまで、最大どれだけ先延ばしできるかを考える。その期限のギリギリまで待つ。



これが、より良い決断をし、ハッピーであるための2つのステップです。この考え方に違和感を覚えるとしたら、私たちにはそもそも決断力がないのだから、先延ばしすることによって十分検討する時間を持つべきだなのです。

【私の論評】常に新しいものに目がいくように、組織づくりをしておくことが肝要である!!



さて、詳細は、上の記事を読んていただくものとして、上では、個人が創造性を発揮するためのヒントをあげているわけですが、これをマネジメントの視点からみてみるとどうなるか、ドラッカーの考えを以下にあげてみます。

革新を行う能力の重要性がとみに認識され、独創性の開発とか想像力の強化とかが、しきりに叫ばれています。特に人事担当者や心理学者は、いろいろな提言を次々に繰り出しています。しかし、こうした事態に対して、ドラッカーはかねてからあまり好感を抱いませんでした。



その理由として、オリジナリティーのある企業は、否が応でも必ず新しい面に日々進んでいかなければならないものとして現実に行動しているという事実を、ドラッカーは指摘しています。

かつてデュポン社についてドラッカーは、同社のトップ・マネジメントは事業部に対して独創性が必要だとか、新製品を考えろとか、創造性をもっと発揮しろなどというお説教は絶対にしない、と語っていたことがあります。それはデュポンの事業部長は、わずかでも新しいものを常に考えて用意していかないと、自分の仕事がいずれなくなってしまうことを肝に銘じて知っているからだといいます。つまり、古い製品や考えはどんどん廃れていく現実にしっかりと目を向けているのです。

またデュポンでは、研究者は自分の時間の3分の1を、自分の担当の仕事とは一見、何ら関係のないことの研究調査に当てなければいけない。こうして常に新しいものに目が行くようなシステムづくりを行っているのです。


現にデュポン・ジャパンでも社員は、自分の専門性の練磨だけではなくて、それ以外の分野の拡大強化に励むことを大いに奨励されています。

ドラッカーは、こうした新しいものを考えるのは、「妙な言い方だが」と断った上で、ちょうど健康な子どもが食事をして排泄すれば、次に新しいものを必ず食べていかなければならないのと同じであると言っています。


実績を上げている企業や効率的な企業は、健康な子どもと同じように便通をよくしているのだと続けています。創造性の開発を、単なるお題目ではなく、日々のマネジメント活動にビルト・インさせておかないような企業は駄目な企業であり、新しい可能性を追求していて、障害に逢着しても臨機応変な措置が取れるようでなければお話にならない、と明言しているほどです。

そうできるのは、観念論者ではなく実行派の人間をこうしたことにあてること、適切な処理ができる能力を持っている優秀な人間をこれにあてるということを、第一義的な原則にしているところでなければならないと断言しています。


マネジメントが、このことを理解していなければならないということです。これを理解しているマネジメントが、否が応でも必ず新しい面に日々進んでいかなければならないものとして現実に行動しているし、行動させるような組織をつくりあげてこそ、上記の個々人の創造性を高める方法も生きてくるというわけです。

確かに、そのような体制になっていない組織の社員が、退屈したり、注意力散漫だったり、先延ばしたりばかりしていたら、恐ろしく非効率的な組織になってしまうと思います。しかし、常に新しいものに目がいくようになっているデュポンのような組織であれば、たとえば、自分に割り当てられている、時間の3分の1の中では、たまには、こうしたことをやってみる価値は十分にあると思います。それが、実際に効果があるのなら、会社側も認めてくれるでしょう。


それと、個人で知識労働をして働いている人は、このような原則すぐにも取り入れても良いと思います。個人なら、誰にも迷惑をかけることはありません。もし、これらの原則を取り入れて、失敗したとしても、その影響を被るのは、自分だけですから。

いずれにせよ、イノベーションに取り組まなければ、いずれ、個人でも、組織でも駄目になってしまうのは確かです。ドラッカーは、 「長い航海を続けてきた船は、船底に付着した貝を洗い落とす。さもなければ、スピードは落ち、機動力は失われる」と語っています。

あらゆる製品、あらゆるサービス、あらゆるプロセスが、常時、見直されなければならないのです。多少の改善ではなく、根本からの見直しが必要なのです。顧客が変わっているのに、前の顧客に提供するのと同じ商品やサービスを提供していてはいけないということです。

これはイノベーティブというより、変?
あらゆるものが、出来上がった途端に陳腐化を始めます。そして、何もしなければ明日を切り開くべき有能な人材がそこに縛り付けられてしまいます。こうした陳腐化を防ぐためには、まず古いものを廃棄しなければなりません。廃棄せずして、新しいことは始められません。

自らが陳腐化させられることを防ぐには、自らのものはすべて自らが陳腐化するしかありません。そのためには人材が必要です。その人材はどこで手に入れますか。外から探してくるのでは遅いのです。だかこそ、デュポンのように常に新しいものに目がいくように組織づくりをしておかなければならないのです。

成長の基盤は変化します。企業にとっては、自らの強みを発揮できる成長分野を探し出し、もはや成果を期待できない分野から人材を引き揚げ、機会のあるところに移すことが必要なのです。昨日を組織的に切り捨てるとともに、資源を体系的に集中することが、成長のための戦略の基本なのです。




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2012年8月13日月曜日

【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も―【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!

【五輪閉会式】景気後退、将来への懸念は消えず 政争の予感も:


【ロンドン=内藤泰朗】テロや警備員不足、ストなど多くの不安を抱えながら開幕したロンドン五輪は12日、無事その幕を閉じた。


英中央銀行のイングランド銀行は先週、英国経済が長期的なゼロ成長に突入したとの展望を発表した。景気後退期にどこまで変革をもたらすことができるのか、将来への懸念が消えたわけではない。

・・・・・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しかも五輪の成功は、皮肉なことに開催地ロンドン市長で、キャメロン氏と同じ保守党の異色政治家として知られるボリス・ジョンソン氏の政治的立場を強化し、両者による政争を予感させている。

エリザベス女王を中心とした英国の伝統と、発展を求める若い世代の変革に向けた挑戦の物語は、第二章に入った。

レリン・フランコ。美女の国・パラグアイの女子槍投げ代表選手
この記事の詳細は、こちらから!!



【私の論評】イギリスの今日の姿は、明日の日本の姿である!!


大失敗した、英国の増税策の概要をみよう。2010年5月に発足したキャメロン保守党・自由民主党連立政権はさっそく付加価値税率17・5%を11年1月から20%に引き上げる緊縮財政政策を決定しました。他にも銀行税を導入するほか、株式などの売却利益税の引き上げ、子供手当など社会福祉関連の予算削減にも踏み切りました。

他方で法人税率を引き下げ、経済成長にも一応配慮しましたた。こうして国内総生産(GDP)の10%まで膨らんだ財政赤字を15年度までに1%台まで圧縮する計画でしたが、このまま低成長と高失業が続けば達成は全く困難な情勢です。



窮余の一策が、中央銀行であるイングランド銀行(BOE)による継続的かつ大量の紙幣の増刷(量的緩和)政策に踏み切りました。BOEといえば、世界で初めて金(きん)の裏付けのない紙幣を発行した中央銀行だ。

上のグラフを良く見てほしいです。BOEは11年秋から英国債を大量に買い上げ、ポンド札を金融市場に流し込みました。マネタリーベース(MB)とは中央銀行が発行した資金の残高のことです。BOEは08年9月の「リーマン・ショック」後、米連邦準備制度理事会(FRB)に呼応して量的緩和第1弾に踏み切りましたが、インフレ率が上昇したのでいったんは中断していました。


インフレ率は5%前後まで上昇しましたが、そんなことにかまっておられず、今年5月にはリーマン前の3・7倍までMBを増やしました。そうして、この事実は、このブログでも以前紹介したように、反リフレ派がいう、「不況だかといって大量に増刷すれば、ハイパーインフレになる」というおかしげな理論を裏付ける格好のケーススタディーとなっていました。

幸いというか、全く当たり前のことですが、インフレ率は需要減退とともにこの5月には2・8%まで下がりました。国債の大量購入政策により、国債利回りも急速に下がっています。

しかもポンド札を大量に刷って市場に供給するので、ポンドの対米ドル、ユーロ相場も高くならずに推移し、ユーロ危機に伴う輸出産業の競争力低下を防いでいます。それでも、イギリス経済は、未だ不況のままで、先日もこのブログで述べたように、EUの不況もあり、結局ロンドンは地元観光客も、EUの観光客も例年に比較しても少なく、閑古鳥が鳴いていたという状況で、経済波及効果はほとんどありませんでした。

ここで話を日本に話をもどすと、参院で消費増税法案が採決され、電力料金引き上げや来年からの東日本大震災復興増税などに加え、家計に負担がのしかかりますが、さっそく懸念されるのはデフレ不況のさらなる深刻化です。

このイギリスの状況をみれば、消費税増税など狂気の沙汰としか思えません。上で、見たように、わずか1年もしないうちに、経済が悪化して、イングランド銀行が、増刷せざるを得なくなっています。こんな事実をみても、増税一本で進む、民主党、自民党、公明党など、異常カルト集団にしか見えないのは、私だけでしょうか。それに、財務省も、日銀も、増税は経済に良い効果をもたらすなどと、とんでもないことを言っています。一体、日本の中枢はどうなってしまったのでしょうか?

リーマンショックは、2008年でしたが、その後増税に踏み切り緊縮財政を取ったイギリスは猛烈な不況に陥りました。しかし、メディアを含め政府、財務省、日銀、はこのことは発表しません。


現在、消費税増税法案が、参院を通過したばかりですが、このまま増税してしまえば、日本もイギリスと同じようになることでしよう。なんでこんな袋小路にわざわざはまらなければならないのでしょう。

イングランド銀行は、増税後に大増刷をやっていました。これは、順番が逆です。増税前に、大増刷をすべきでした。そうしていれば、大増刷により、インフ気味となり、景気が加熱します。そうなったときに、増税すれば、ベストのタイミングでした。そうすれば、景気の加熱も冷ますこともでき、税収も増え、財政再建もできたことでしょう。

順番を間違えれば、日本もイギリスと全く同じことになります。まずは、日銀あたりがデフレ対策として、大増刷を行い、政府も財政支出を増やし、インフレ傾向にして、インフレが加熱した後に、増税すべきです。



ものごとには、順番と、集中すべきことがあります。それを間違えれば、とんでもないことになります。その事例は、日本国内でも、このブログでも掲載したように、昭和恐慌のとき、国外では、上のイギリスの例が典型的です。そのような、例が世界にはゴマンとあるにもかかわらず、今や、マスコミなど、もうすでに、増税は規定路線であるかのような報道ぶりです。

消費税増税法案は、参院を通過したとはいえ、まだ、本決まりではありません。景気条項は、まだ生きており、再来年の4月に増税するためには、来年の秋にそのときに政権を担っている政府が決定する必要があります。

09年7月の衆院解散
来年の秋といえば、まだ、1年あります。その間に選挙があれば、有権者として、増税しないと公約する政党に投票すべきです。



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2012年8月11日土曜日

【藤井厳喜】進行中の世界エネルギー革命:安い天然ガスと石油の時代−【私の論評】世界エネルギー革命を前提に物事を考えよ!!

 【藤井厳喜】進行中の世界エネルギー革命:安い天然ガスと石油の時代


【シェールガスとシェールオイルによるエネルギー大革命:安い石油と天然ガスの時代が始まった!!】

近年、シェールガスとシェールオイルという全く新しいタイプの天然ガスと石油が世界中で大量に発見されています。 この為、国際的なエネルギー状況は革命的に変化しました。一言で言えば、安い石油と天然ガスが大量に供給される時代が始まったのです。

現在の技術で、しかも、現在の価格帯で生産する事の出来る天然ガスは約400年分、石油は約200年あることがほぼ確実に分かっています。これらの天然ガスと石油の生産コストは極めて安く、加えて、これらのエネルギー源は、先進国内にも大量に埋蔵されている事が分かっています。

この7月、日本でも、秋田県でシェールオイル油田が発見され(鮎川油ガス田)、その採掘が急がれています。 このエネルギー情勢の革命的な変化により、日本では、原子力発電を大幅に削減ないし全廃しても、不安のない状況が生まれています。

取敢えず、安全性に最大の重点を置きながら、原子力発電を削減しても、これを完全に補えるエネルギー状況となってきました。電力供給に限って言えば、今後の世界の主流は、天然ガスを燃料とするガスタービン・コンバインド・サイクル(GTCC)による発電となりつつあります。 しかも、このGTCCは、日本の重電メーカーの独擅場である。

このエネルギー革命がもたらす政治的かつ経済的変化には実に大きなものがあります。アメリカ国内のエネルギー生産が増大する為、アメリカの経常収支は改善します。これは、世界の基軸通貨のドルの寿命をより長期化する事に役立つでしょう。

又、アメリカのエネルギー自立度が高まる事は、アメリカの中東に対する外交的干渉へのインセンティブが著しく低下する事をも意味するでしょう。イスラエルにおいても、サウジアラビア並みのシェールオイルが発見され、同国のアラブ諸国やイランに対する外交的立場を著しく強化しつつあります。

エネルギー大革命の先端を切ったのは、シェールガス(Shale Gas)でした。 シェールとは、頁岩(けつがん)の事です。 この頁岩という堆積岩層に含まれている天然ガスの事をシェールガスと言います。 従来から、シェールガスが存在すること自体は知られていましたが、開発・生産コストが高すぎる為、実用化されてきませんでした。 ところが、アメリカの中堅エネルギー企業が、これまでの油田開発などで培った水平掘削、水圧破砕、三次元探査、マイクロセンシング(微細探査)などの既存技術を組み合わせて、シェールガスの商業開発に成功したのです。

21世紀に入ったばかりの頃には、シェールガスの生産コストは100万BTU(英熱量単位)あたり200ドル以上でしたが、技術革新の結果、シェールガスの生産コストは100万BTUあたり2ドルから2.5ドルにまで、劇的に低下しました。 米国のシェールガス生産が本格化したのは2006年からです。 米国の天然ガス生産量は、2005年を大底に、今やうなぎのぼりに急増しています。

【私の論評】世界エネルギー革命を前提に物事を考えよ!!

最近は、デフレやそれを加速する増税、あくまでも、デフレ政策に固執し、金融引き締めばかりやる日銀<いじめなどのいわゆる暗い閉塞感漂うことばかり掲載してきましたし、それに昨日は、韓国大統領の竹島訪問など、さらに、うんざりする報道もなされたことから、ここいらで、少し明るい話題を提供するという意味あいで、上記の記事を掲載させていただきました。


シェールガスや、シェールオイルなど、私も5年ほど、前から知っており、いずれは、これらを掘削する技術がでてきて、実用化されるであろうとは、思っていましたが、それにしても、その当時は、まだ"眉唾"という感じで、あまり信用していませんでした。それに多くの人も、掘削に経費がかかり実用化はまだまだという具合に論評していました。そのため、まだまだ、実用的ではないと判断していました。そうして、最近の原発事故により、日本のエネルギー政策の転換が迫られる中でも、シェール・ガスやオイルのことは選択肢としては、なかなか思い浮かんではきませんでした。

米テキサスのシェール・オイル掘削現場
しかし、あれから5年たって、シェール・ガスやオイル採掘しても、十分採算の目処がついたようです。これは、次期エネルギーとしてかなり有望というより、確実な情勢になってきたと思います。ただし、シェールオイルが実用的になったからといって、すぐに、日本国内のエネルギーを全部これに置き換えるということはできないため、いまだ、原発をすぐに全廃などということにはならないと思います。ただし、今から無理をして、新たな原発を多くつくるということは必要なくなったと思います。

日本では、上の記事でも明らかなように、秋田県で油田が発見されていますが、シェールオイルは、一箇所発見されると、他にもその近辺に多数発見されることが多いそうですから、これからも、期待できます。ここで、秋田の油田についての記事を下にコピペしておきます。

秋田でシェールオイル試掘へ 石油資源開発が来年、わが国初

政府系の石油資源開発は6日、秋田県由利本荘市の「鮎川油ガス田」で来年にも、新型石油として注目される「シェールオイル」の試掘に乗り出すことを明らかにした。米国を筆頭に世界で開発が加速しているシェールオイルだが、日本国内での開発は初めて。 
 これまで存在は確認されながら採掘は難しいとあきらめられていたが、技術の進歩で採算性が見込めると判断した。 
 同社によると、シェールオイルの埋蔵が確認されているのは、同油ガス田の地下1000~1500メートルにある、頁岩(けつがん)と呼ばれる粘土質の岩盤層。付近の地層で十数年にわたる石油や天然ガスの採掘作業の中で、存在が明らかになっていたという。 
 シェールオイルは頁岩の中に閉じ込められており、通常の石油のように地層の間に貯留していないため、パイプで掘削しても自噴しない。これまで、採掘は不可能と考えられていた。 
 だが、米国で水平採掘や水圧を使って岩を砕く技術が発展し、採掘コストも低下。同社は、日本国内でも開発しても「採算に見合う可能性が高まった」として、試掘に踏み出す。 
 まず、詳しいシェールオイルの分布を調べるため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の補助金交付を受け、探鉱作業を本格化させる。500万バレル程度の採掘が見込める地層が見つかれば、試掘のうえ、来年にも試験生産に着手する計画だ。 
 シェールオイルは広範囲に分布するのが特徴。同社は、周囲地域でも埋蔵が有望視されるとして、探鉱作業のエリアの拡大も検討中だ。これらを合わせれば、国内の年間石油消費量の数%に当たる1億バレルの採掘も視野に入るという。
ただ、シェールオイルの採掘は、通常の石油掘削と比べ多くのパイプを土中に埋め込む必要がある。先行する北米などでは環境問題も指摘されており、試験生産に成功したとしても、生産拡大への課題は多い。
シェールオイル、なにせ岩盤の中の原油を取り出すことから、地震による地盤沈下などが懸念されているようですが、オイルのかわりに、水を注入するという技術も開発されているそうですから、是非これからも、進めていただき、エネルギー問題を一挙に解消してもらいたいですし、実際にアメリカでは随分生産が進んでいるそうですから、日本でも、そのようにすべきです。


これから、数百年くらいは、シェールオイルやガスで人類は、エネルギー問題を解消できます。しかし、これらもいつかは底をつくようになりますから、将来を考えてエネルギーの無駄遣いはやめ、省エネを徹底して、代替エネルギーの開発も進めててくべきでしょう。



いずれにしても、今日の私たちは、当面エネルギー問題に頭を悩ます必要は、なくなりそうです。今後、政治の世界でも、経済でも、事業でも、世界のエネルギー革命を前提に物事を考えていく必要があります。いくつか、はっきり言えるのは、太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーは、ドイツやアメリかなどでも大失敗していますし、不安定であることから、もはや見込み薄とみておくべきです。これらには、投資することもやめたほうが良いと思います。そうして、新しい原発の建造の必要性もなさそうです。それに、先日もこのブログに掲載したように、地球温暖化二酸化炭素説とか、地球温暖化災厄説など全くのデタラメです。

太陽光発電は魅力的に見えたが・・・今は望み薄
だから、気にせずにバンバン大気中に二酸化炭素を放出いたしましょう!!ただし、無駄遣いはダメですよ!!おそらく、地球温暖化二酸化炭素説も近いうちに姿を消すと思います。それよりも、地球寒冷化になっても、人類はしばらくは、エネルギー不足には見舞われないということです。そのことに、私達の子孫は、福音を感じることと思います。とにかく、当面は、エネルギーに関してあまり悩まなくてすむということは、素晴らしいことです。素直に喜ぶべきことと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さん、はどう思われますか。


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2012年8月10日金曜日

家庭料理のパラダイムチェンジ~家庭の調理もだんだんと鍋とレンジ台を使わなくなる? | 勝間和代オフィシャルブログ−【私の論評】日本のホーム市場の最後のフロンティアが始動するか?

家庭料理のパラダイムチェンジ~家庭の調理もだんだんと鍋とレンジ台を使わなくなる? | 勝間和代オフィシャルブログ


今日つくった朝ご飯は、なんの変哲もない朝ご飯ですが、実はこれ、すべての料理、いわゆる普通の調理で使う「お鍋」と「レンジ台」を使っていないのです。

実は、いま各種オーブンやレンジ系の技術がものすごく発達しており、ほぼ全ての料理は簡単なプログラムを手で行うことで、実は炊飯器と同じように、「チン」で終わるのですが、意外と使われていないと思いませんか?

例えば、今朝のメニューのうち、小松菜の胡麻和えと焼き芋はこちらで作りました。左がスチームコンベクションオーブン、右がスロークッカーです。



これまでですと、例えば小松菜をゆでようと思ったら、たっぷりの水を湧かして、小松菜を茹でて、水を切って、など大変でした。あるいは蒸すにしても、蒸し器を用意して、温度管理をして、たいへんです。電子レンジで茹でてもいいのですが、電子レンジは構造上、表面から近いところが温まりやすくなりがちで、均一に茹でるにはそれなりの手間がかかります。

ところが、スチームコンベクションオーブンを使うと、「80度10分」でチンというように、直接、温度と時間が管理できるのです。鍋を使って強火や弱火にする理由は、一定時間、一定の温度で調理をしたいからで、それをもともと、コンピュータ制御された機器でできるとしたら、そちらを使った方が楽ですよね。すると、完璧なゆであがり具合で、しかもしゃきしゃき感が残ったまま、おいしくできあがります。

また、手羽先も、こちらも1晩たれにつけておいて、軽く小麦粉をまぶしたあと、ヘルシオの水蒸気オーブンで「220度で12分」、チンとしたら、できあがりです。外はぱりっと、中はジューシー、そして、油はもともとの手羽先の油以外まったく使っていないのに、パリパリーーと仕上がっています。こちらも、揚げたり煮たりしたら、ここまで上手にできません。

味噌汁も、電子レンジとスチームコンベクションオーブン使いました。まずは電子レンジ用の「だしポット」に水と鰹節と昆布をいれて、600Wで7分ほど、チーーーン。一番だしができあがったら、ここに味噌をといて、シリコンスチーマーにこの味噌汁と具材をいれて、シリコンスチーマーをそのままスチームコンベクションオーブンオーブンに入れて、「煮込み弱、12分」でチーーーンとしたら、できあがりです。

しつこいですが、ほんと、腕も何もいりません。全ては材料を用意して、切ったり、混ぜたりして、あとは「チーーーン」するだけ。炊飯器でご飯を炊くのにまったく料理人の技術が関係ないように、残りの料理もどちらかというと、

・何の機器を使うのか
・どのレシピを使うのか

のほうが重要になってきます。

なお、チーンの問題点は、電源が足りなくなること、及び、通常は電子レンジオーブンは1家庭に1つしかないので、一度に何品もできないことです。私が買ったような、小型のスチームコンベクションオーブンが普及してくると、また変わってくるのかもしれません。

その時には、台所の構造も変わることでしょう。うちのIHレンジ台が、ほとんど調理台としてしか使われていない一方、スチコンは置き場所がないので、リビングの窓際に置かれています。鍋も、ほとんど天板か、せいぜい、シリコンスチーマーしか使わないので、多種類の鍋たちはほとんど、シンクの下にしまわれっぱなしになってしまいました。

スチコンが業務用に普及したのもここ10年で、さらには真空調理が新しいトレンドとして加わっています。真空調理については、私も少しずつ、チャレンジしてみたいと思っていますが、まずはオーブン系の使いこなしをやってみたいと思います。

勝間さんの上の記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】日本のホーム市場の最後のフロンティアが始動するか?



勝間さんの上のブログ、パラダイムチェンジという言葉を使っているので、ご本人自身は、twitterで大げさと語ってらっしゃいましたが、そうではないかもしれません。

実は、このことについては、このブログでも随分前にとりあげたことがあります。それは、たとえば、イタリアでは、ほとんどの料理がオーブンを使っているのに、日本ではまだまだ使われていない、これを使うようにできれば、日本のホーム市場の最後のフロンティアになるかもしれないという趣旨でした。実際、勝間さんが上記のようなことをブログに掲載するわけですから、まだまだ、実際に日本の家庭では使われていないのだと思います。

この話題しばらく、掲載していなかったので、以下にその部分をコピペしておきます。
オーブン料理が普及する欧米-日本でのオーブン向け商品の少なさ
日本を含め米を主食とするアジアでは、湯を使う(ゆでる、蒸す)調理法が一般的であるため、欧米のオーブン(蒸し焼き)の文化とは全く違う食文化を営んできました。米を食べる文化圏では、レトルトパウチ食品が広く普及しました。
欧米諸国でも1970年代に家庭用としての実用化が試みられましたが、商品としては育ちませんでした。今でもアメリカではレトルト食品は宇宙食であるとの観念が強いようです。
大型の冷凍冷蔵庫が早くから普及して常温保存の必要性が高くないこと、一般的にローストするなどオーブンでの加熱調理が食事作りの基本となっていることがその理由としてあげられます。実際、最近の様子を欧米現地在住者に聞いてみても、冷凍食品とともに缶詰、びん詰、乾燥食品が圧倒的で、レトルトパウチ食品は見当たりません。
ひるがえって日本ではスーパーなどの食品売場や食器売場にはオーブントースター用とか、電子レンジ用の商品は豊富においてあり、レトルトパウチ食品なども相当豊富ですが、オーブン用の素材・食器・道具となると驚くほど少ないです。
アメリカのスーパーだと、オーブン用に半加工してあるローストビーフ用や、半焼成したロースト・ビーフや詰め物をして下ごしらえしてある鳥などはもとより、アミーズ・キッチンなどのオーブン用の冷凍食品や瓶詰、缶詰が豊富です。
今後のオーブン・レンジの普及にともないこれらの商品に対する需要が高まる可能性は大きいと考えられます。この需要は日本国内に残されたホーム関連市場のフロンティアとなる可能性が大です。ただし、現状のままでは同じことの繰り返しになります。飲食産業、流通産業、メーカーなどが協同したインフラ整備などしていく必要があるものと考えます。

数年前(2007年当時)当時)から都内などのハイグレードマンションにはオープンキッチンシステムは当たり前で、大容量のアメリカ製のオーブンやガステーブルはもとより、アメリカ製の冷蔵庫が最初から備え付けられるようになりました。 
アメリカ製のオーブンや冷蔵庫の最大の魅力は容量が大きいことです。冷蔵庫は日本製のファミリー世帯用冷蔵庫の平均容量が概ね300L~400Lであるのに対し、アメリカ製の容量600L~700Lが標準でありその大きさの違いは明らかです。 
ハイグレードマンションの住人は、よく友人やお客様を招待してホームパーティを開きます。その際、大容量の冷蔵庫はその威力を大いに発揮してくれます。次に魅力として挙げられるのがアイスディスペンサーです。欧米製の大型冷蔵庫には必ずといっていいほど付いている。アイスディスペンサーは、普通の氷だけでなく、クラッシュアイスや冷水も自動的に作くる。氷や冷水の利用頻度の高い欧米人にとっては必須の機能といえます。 
洗濯機・乾燥機も欧米の製品は大容量が大きく大量の洗濯ができることと、ビルトインにより見た目を美しくコンパクトに収納できるため、新築のハイグレードマンション取り入れられています。数年前からハイグレードマンションに居住する日本人の富裕層が、自宅に料理人を出張させてパーティを開いているという話をよく聞きます。グローバル化の時代、欧米製のキッチン機器は富裕な日本人の生活にも必需品となりつつあり、もっと下の層にも浸透しつつあります。 
オーブンの掃除はなかなか大変、だから、欧米ではブロの掃除人がいるくらいです
しかしながら、この浸透は遅々として進んでいません。なぜでしょうか?富裕層は別にして、もっと下の層ではせっかくシステムキッチンがあったとしてもそれを使いこなせい家庭も多いからだと思います。富裕層に関しては、自分で調理せずにケータリングをしたりするの使いこなせなくても何とかなるのでしょう。 
 
最近は普通のマンションでもシステムキッチンが導入されています、システムキッチンには必ずといっていいほどオーブンがついています。これを使いこなせない人が意外と多いのです。ですから、せっかくのシステムキッチンのオーブンで何を調理するかといえば、冷凍ピザを焼くとか、フライパン等で調理した料理を保存しておきそれを温めるとかが多いようです。
新築のマンションに入って、初めてシステムキッチンを使う機会に恵まれた新婚の奥さんが冷凍ピザを焼いて真っ黒焦げにしているなどの話はよくききます。さらにやっかいなのは日本では元々システムキッチンを活用するようなライフスタイルがなかったことなどが多大な影響を与えていると思います。 
しかし、こうしたギャップがあるからこそホーム関連市場の最後のフロンティアになる可能性が大きいと考えます。
さて、上のコピペは、2007年当時のものですが、あれから5年随分世の中も変わってきました。あの当時は、電子オーブンレンジなどが家庭にあっても、ほんど電子レンジとして使っているというのが当たり前のようでした。


しかし、最近では、電子レンジ調理によるインスタント食品などでてきて、以前よりはかなりオープンレンジを使う機会が増えてきました。そうして、上の勝間さんの記事のように、実際にオーブンを使う人もそれなりに増えてきました。しかし、勝間さんのブログを見ている限りでは、まだまだという感じがします。まだ、おかずのうちの何かを作るという感じて、欧米のようにメインデッシュから何から何までをつくるというようにはなっていないような気がします。


私の実家には、昔からドイツ製の大きなガスオーブンがあって、それでかなりいろいろな料理をしていました。たとえば、ロースト・ビーフ、チキン、ポークなど当たり前に作っていました。そう書くと、何やら、日本の一般の人には、たいそうなことをしていたように思われがちですが、これらの料理をつくるということは、本当に簡単で楽です。


とにかく、牛肉や、豚肉の塊、鶏肉など、塩コショウして、タコ糸や竹ひごで整形して、火を入れたオープンの中に、所定の温度で、所定の時間いれておけば、誰でもできます。うちでは、普段は、そうではないのですが、お客様多数がいらした時には、中学生くらいの頃から、これらをオーブンで焼くのは私の仕事でした。何回かやれば、誰にでも造作もなく簡単にできます。焼くといっても、フライパンなどで焼くのとは異なり、一旦オーブンの中に入れれば、後は、焼きあがるまで何もする必要もありません。無論、ソースをつくるなどのことは、味覚などが優れていないとダメなので、難しいとは思いますが、ローストチキンなど、塩コショウだけでも十分美味しいくいただけます。ローストポークなど、焼き豚のかわりラーメンにつかうと、かなり差別化できて美味しいです。

だから、母などは、普段は、オーブンで何かを焼きながら、他の料理をしていました。ただし、お客様が来たときには、簡単なオーブン料理は、私に任されたのでした。しかし、温度と、時間さえ間違えなければ、本当に簡単にできます。こんなに簡単な料理を私は、他に知りません。だから、今でも、自分で焼いてしまうことも良くあります。


それから、もう一つ、揚げ物などにも利用できます。日本だと、厚手の鍋かフライパンに大量の油を入れて、揚げますが、イタリアやドイツなどではそんなことをするのは、プロの料理人だけかもしれません。

これも、オーブンで手軽にできます。たとえば、鳥の唐揚げなら、衣をつけて、その鳥を耐熱皿に入れで、鳥に油をかけて、それをオーブンに入れます。そうすることにより、少ない油で、カリカリの唐揚げができます。これだと、油を大量に使うことがなく、油を何回か使うということもなく、廃油の問題もなくなり、それに油であげたのと変わりがなく美味しくできます。フライドチキンだって、これとほぼ同じ手順でカリカリに美味しいく焼くことができます。特に、アメリカなどでは、バターミルクに漬け込んでから焼いているようで、そうすると肉が柔らかくなり、本当に美味しくなります。私は、バルサミコにつけこんだりします。これもかなり美味しいです。


ピザなども、時間と温度を間違わなければ、誰でも、美味しく焼けます。アメリカなどでは、ビザのドウ(生地)が、プラスチックの容器に入って、スーパーなどで普通に売っていますから、これと、シュレッダーチーズとソースを一緒に買ってきたら、それを説明書に書いてある通りにすれば、誰でも簡単で焼けます。それから、このドウでパンなどもできます。

特に、ピザは、こうしたものがあれば簡単ですが、そうでなければ、結構大変です。パンやピザなどは、さすがに電子レンジではできません。日本では、パンを自分で焼く人などいないので、パン屋さんが、発達したのかもしれません。それにしても、スチームつきの、オーブンレンジがあって、かなり普及しているのに、ごパンなるものが新たに開発されてそれが売れる日本、本当に不思議といえば不思議だと思います。私などは、逆に「そこまでしてオーブンを使いたくないのか」と思ってしまいます。ちなみに、米粉のパンも勿論、オーブンで焼くことができます。


そうして、いろいろ書いていて思ったのですが、日本の場合は、スーパーに行っても、あまりオープン関係の食材とか、道具なども売っていないし、料理教室でも、オーブン料理は教えていませんから、これを欧米なみにすれば、日本でも十分にできると思います。それに、スチームコンベクションオーブンが頭脳を持ち、クラウドにもつながり料理にあわせて、自ら最適の調理をするようなれば、かなり便利と思います。それから、掃除も最近のエアコンのように、ある程度オープン自体がやるようになれば、最高です。このあたり、新たな市場として、もっともっと注目されても良いと思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

あのカレーを日本に導入して、誰もが食べるようになった日本、オーブン料理はまだまだですが、勝間さんのブログにもみるように、だんだんと普及の兆しがあるようです。家庭でオーブンを自在に使えるようになったとき、日本の家庭料理も、欧米の食文化を本格的に取り入れ、より豊かになるのではないかと思います。それに、日本人のことですから、思ってもみかなった美味しい料理が生まれてくる可能性は十分あると思います。そう思うのは、私だけでしょうか?


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オーブン料理が普及する欧米(2)オーブンをあまり使わない日本の家庭






2012年8月9日木曜日

いじめ 警察に被害訴える動き相次ぐ―【私の論評】「いじめ」という言葉は間違いではないか!!

いじめ 警察に被害訴える動き相次ぐ

アメリカでは、いじめを"bully"という。アメリカでもその被害は甚大だ!!

同級生から暴行を受けたなどとして、いじめの被害を訴える子どもやその家族が、警察に被害届を出したり、捜査を求めたりする動きが相次いでいます。

今月6日、仙台市の高校2年生の男子生徒が、同級生から腕にたばこの火を20回以上にわたって押しつけられるなどの暴行を受け、登校できなくなったとして、警察に被害届を出しました。

また、7日、新潟県長岡市の高校1年生の男子生徒が、中学時代に同級生から受けた暴行がいじめだったとして、警察に捜査を求めました。

16年前、中学生の息子を自殺で亡くした、大分県佐伯市の大沢秀明さん(68)は、NPO法人「全国いじめ被害者の会」の代表を務め、いじめの被害を訴える子どもや保護者を支援する活動をしています。

大沢さんのもとには、全国からいじめに関する相談が寄せられていて、大津市で中学2年生の男子生徒が自殺した問題のあとは特に増えているということです。

大沢さんは、「子どもや親たちは学校や教育委員会にいじめについて相談してきたが、納得のいく対応をしてもらえず、頼ることはできないと感じている。いじめを『犯罪』として警察に捜査してもらうなど、より踏み込んだ対応も必要ではないか」と話しています。

【私の論評】「いじめ」という言葉は間違いではないか!!



いわゆる「いじめ」に見られる行為の多くは、刑法などに記載された犯罪行為です。「いじめ」という言葉は曖昧ですが、犯罪行為ということであれば、定義が明瞭です。以下に、いわゆる「いじめ」という言葉で曖昧にされている犯罪への刑法の適用事例など掲載してみます。
殴る・蹴るなどの暴力
→ 暴行罪(ぼうこうざい・2年以下の懲役)

暴力行為によって怪我をさせる
→ 傷害罪(しょうがいざい・15年以下の懲役)
→ 殺人未遂罪(さつじんみすいざい・5年以上の懲役など)

所持品を壊す、教科書やノートに悪口を書き殴る
→ 器物損壊罪(きぶつそんかいざい・3年以下の懲役)

所持品を隠す
→ 窃盗罪(せっとうざい・10年以下の懲役)

悪口を言う、悪口を黒板いっぱいに書く
→ 名誉毀損罪(めいよきそんざい・3年以下の懲役)
→ 侮辱罪(ぶじょくざい・拘留または科料)
※ こういった行為が原因でPTSDと診断された場合は、傷害罪が適用されることもあります。
相手が嫌がることを脅しや暴力などの手段を使って無理強いする(「パシリ」など)
→ 強要罪(きょうようざい・3年以下の懲役)
→ 脅迫罪(きょうはくざい・2年以下の懲役)
暴力や脅しを使って、お金を出させる
→ 恐喝罪(きょうかつざい・10年以下の懲役)

◆ 罪名、量刑は刑法による
◆ 量刑は懲役刑(刑務所に入るもの)のみ記載。
      懲役刑のないものは他の刑を記載。
◆ 親告罪(告訴の必要なもの)もあります。

もっとも、法律で定められていても、上記のような行為があれば直ちに処罰されるものでもありません。実際に警察などに届けても、証拠物や目撃情報などが明らかでない場合も多く、また、何度も言っていますが、被害者本人も心の傷やトラウマなどから自分がされたことをうまく話せず、そういう部分で警察側も「あなたが言わなければ、何もわからないんだよ!」と怒鳴ったりすることもあるので、弁護士などが付き添ったり、警察側も余程の理解がないと捜査まで行くことはないでしょう。余計に許せないことです。


その上、加害者も未成年の場合が多いので、少年法も適用され、上記のような罰則が課されることはまずないと思います。もっとも、「未成年だから、何をやってもかまわない」と思っているのなら、それ自体が最悪です。

もちろん、「陰口を言う」など上記にはないものもありますが、それでも道徳上「やってはならない」ことですし、それを実行する者自身の評価を下げることにもなります。そのあたりを十分認識させるべきです。


学校内ということで、上記の犯罪行為が「いじめ」という言葉で曖昧にされているだと思います。犯罪を見逃すという行為は、犯罪です。犯罪を見逃してきた、教育委員会や、学校の先生も犯罪者集団になると思います。いじめ被害者も、いじめ加害者だけではなく、こうした集団犯罪者も訴えるべきです。


これは、最早いじめではない傷害罪だ!!

大阪市の橋下徹市長は7日、市役所で市教育委員と意見交換し、いじめ問題の指導について、「多数で少数をいじめるなんてことをやったら、ぶちのめしたらいいと思うんですよ」と述べ、いじめた側への厳しい対処の必要性を強調しました。

市の「教育振興基本計画」改定のための協議での発言。 
各地で深刻なケースが発覚しているいじめ問題について、教師側が踏み込んだ指導ができていないことを指摘。「生徒の支援と同時に先生の支援を、法律家ががっちりくんでルール化し、手順を踏みながら、いじめはいけない、という明確な方針を(立てるべきだ)。一線を越えたら厳しく対処するという姿勢が必要だ」と話し、いじめを把握した際の生徒指導の方針作りや、教師を支える支援体制の構築などを提案しました。
この橋下市長の発言に関して、古賀茂明氏は、現代ビジネスにコラムを寄せています。


詳細は、当該コラムをご覧いただくものとして、以下に要旨だけ掲載しておきます。 
教育に関して強大な権限を独占している教育委員会が、教師と役人の保身の組織であり文科省の御用機関であるという構造に陥っていると何が起きるか。今回の大津市の事例がこれを如実に示した。 
やはり、住民の選挙という審判を受ける自治体首長に、教育に関するより大きな責任を負わせる仕組みを作っていくべきだということだ。「教育に政治的介入を許すな」というのもわかるが、今は、「教育を教師と役人から住民の手に取り戻せ」ということを重視すべきだと思う。
古賀氏のいうことは、もっともです。時間をかけて、じっくりと取り組むべき課題であると思います。しかし、これを実行するためには、システム、法律、条例などを変更する必要があります。そうなると結構時間もかかります。それに、官僚組織にはありがちなことですが、結局法律など変更したり、システムを変えても、いろいろな方策を考えて骨抜きにします。そうして、従来と全く変わらず有名無実にすることなど得意中の得意です。古賀氏は、そのような実体を嫌というほど、見せつけられてきていると思います。

多数で少数を「いじめ」の中の多数には、「いじめ」を見逃した者も含まれると思います。であれば、教育委員会や、学校の教師も含まれると思います。無論、現在の法律や条例などでは難しい面もありますが、「いじめ」を刑法犯罪として捉えれば、そのようなことも十分可能であり、法律や、条例を変えたり、付加しなくても、できることはかなりあります。明らかな刑法犯罪が、「いじめ」という名のもとで、見過ごされることがあってはならないことです。


実際にそのようなことで職を失ったり、刑務所に入る教師や、教育委員などでてくれば、いじめの問題などもかなり解消されるのではないかと思います。このような責任が生じてくれば、教育委員会や、教師もいじめに対して責任を意識し、まともに対策をやらざるをえなくなります。

今後、私たちは「いじめ」の問題を語るのではなく、「学校犯罪」という行為をどうするかという視点でものごとをみていくべきです。そうして、自らも犯罪者にならないように、絶対に見過ごさないようにすべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?





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