2020年大統領選への影響は?
写真はブログ管理人挿入 以下同じ |
2018年のアメリカ中間選挙は、大方の予想通りの結果となった。
連邦議会上院では共和党が多数を維持し、下院では民主党が多数を奪還した。上院は2年ごとに全100名のうちおよそ3分の1ずつ改選されるが、今回はその33選挙区に補欠選挙を加えた35選挙区で選挙が行われた。改選部分の大半の候補は6年前にオバマ元大統領が再選を果たした2012年選挙の当選組であり、改選35議席のうち民主党が26を占めていたので、いかに民主党が有利に選挙戦を展開したとしても民主党が多数を占めるのは困難とされていた。日本時間8日午前1時の時点で、ワシントンポスト紙によると、上院は合計で共和党が51議席、民主党は45議席で、共和党が多数を維持している(残りは未定)。他方、下院については453議席全てが改選され、共和党の引退議員が多かったこともあり、民主党の勝利が予想されていた。ワシントンポスト紙によれば、民主党が過半数を超える220議席を獲得し、共和党の獲得議席数は193である(残りは未定)。
アメリカの連邦議会選挙は現職議員の再選率が9割を超える。だが、現職議員が引退した選挙区は争いが激化することがあり、今回の選挙では、そのような選挙区でどちらの政党が勝利するかに注目が集まっていた。それらの選挙区では、連邦議会の多数派をどちらの政党に握ってもらいたいかという判断に基づいて投票が行われる度合いが高くなる。議会で多数を握る政党は、政策決定で重要な役割を果たす委員会の委員長ポストを握ることができるため、政策過程に大きな影響を行使することができる。有権者は大統領の方針に賛同している場合には政権党に投票し、大統領に歯止めをかけてほしいと考える場合には非政権党に投票する。その意味で、中間選挙には大統領への中間評価という意味も込められている。
選挙が近づくにつれ、接戦の予想に
中間選挙をめぐっては、これまでの歴史から導かれた経験則がいくつか存在する。だが、今回の中間選挙は、それらの経験則から一様の結果を導くのが困難だった。
まず、新たに選出された大統領を擁する政党は、最初の中間選挙では議席を減らす傾向がある。また、現職大統領の支持率が低い場合も、政権党は議席を減らす傾向がある。
ABCとワシントンポストの共同調査によれば、トランプ大統領は40%というトルーマン政権以後史上最低の支持率で最初の中間選挙を迎えている。これら二つの経験則は、民主党優位を予測していた。
他方、経済状態が良好な時には政権党が有利になるという経験則もある。経済成長が続き、失業率が低い場合には、政権党の経済運営を継続させようという意思が働く。有権者の多くは景気を選挙における最重要争点にあげることが多く、今回の選挙に際しても各種世論調査で景気が最重要課題としてあげられていた。この結果は、今回の選挙が共和党に有利であることを示唆していた。また、不人気な戦争もないことも、共和党にとって好都合である。
このように、過去の経験則から相矛盾する予測がなされた結果、今回の中間選挙の結果を予測するのには難しさが伴った。実際、中間選挙1カ月前には上下両院の多数を民主党がとるのではないかとの予測がなされていたが、選挙が近づくにつれ、接戦の予想がされるようになった。
政策論争よりもトランプ大統領への「評価」を強調
今回の中間選挙は、通例とは異なる特徴を持っていた。
第一に、連邦議会に党の顔となる人物が不在だった。通例の選挙では、現職の下院議長が下院多数派の政党の顔として、そして、下院少数派が逆転勝利した場合に下院議長を目指す人がその政党の顔として、選挙戦を主導することが多い。だが、今回の選挙では現職下院議長のポール・ライアンが引退表明をし、民主党で下院議長への返り咲きを目指しているとされるナンシー・ペロシは共和党支持者の間でとりわけ不人気なこともあって表立った活動を控えた。
その結果、現職大統領のドナルド・トランプが共和党の、前大統領のバラク・オバマが民主党の顔として存在感を示す結果となった。権力分立が厳格なアメリカでは、大統領と連邦議会は抑制と均衡の関係に立つため、大統領が議会選挙の顔となるのは本来好ましくない。選挙戦がトランプ対オバマの様相を示したことは、二大政党共に連邦議会議員の中で、選挙の顔となるべき人物が存在しないことを示唆していた(この点については、9月の記事「中間選挙で民主党がオバマに頼らざるを得ない理由」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14082 を参照していただきたい)。
それと関連して、第二に、今回の選挙ではトランプ大統領への評価という側面が強調され、政策論争が回避された。民主党はトランプ大統領に対する批判を中心に選挙戦略を組み立てた。トランプ相手に政策論争を展開してもかみ合った政策論争は成立しない。民主党が提示する政策案に対してトランプが過激な発言をし、感情的対立に発展するのがおちである。そのような判断を基に、民主党は政策論争を徹底的に避けたのだった。
そして第三に、先ほど指摘したように、今回は長らく民主党優位の予想が続いていたものの、選挙直前に混戦化したのが特徴だった。それには10月になってから登場したいくつかの要因が影響している。ホンジュラスやエルサルバドル、グァテマラなどの中米諸国から暴力を逃れて庇護を求める約7000人の集団(キャラバン)が選挙直前にメキシコ経由でアメリカに向かってくるという事柄が発生したこと、また、ブレット・カバノー氏の連邦最高裁判所判事への就任をめぐる問題が大争点となったことが、トランプ支持者を刺激し、共和党に有利に働くことになった。
依然として有効な「移民戦略」、
根強いトランプ支持者の存在
共和党は下院で多数を維持することはできなかったものの、意外と善戦した背景には、トランプ支持者の存在がある。とりわけ、必ずしも裕福とは言えない白人、中でも、ラストベルトと呼ばれる地域で製造業に従事していた労働者階級の人々と、福音派キリスト教徒が大きな影響を果たした。
トランプは前者の支持を得るために、中南米系の移民や不法移民が彼らの雇用を奪っていると主張し続けてきたが、その戦略は依然として有効だった。先に述べたキャラバンについて、トランプは、麻薬密売人やギャング集団、イスラム過激派が混じっているなどと根拠の定かでない主張を繰り返して危機を煽った。トランプは民主党が彼らをアメリカにけしかけてアメリカの主権を脅かさせているとも主張した。
ちなみに、10月27日にペンシルヴェニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で銃乱射事件を起こした反ユダヤ主義者の犯人は、民主党に巨額の支援を行ってきたユダヤ系のジョージ・ソロスがキャラバンの組織化を促したと主張していたようだが、FOXニュースなど保守派メディアでも、ユダヤ系などが民主党に有利な状況を作り出すためにキャラバンを向かわせたのではないかとの陰謀論が主張されていた。2016年大統領選挙でトランプを当選させたのと同様に、中南米出身者によって国境危機がもたらされているという(おそらく誤った)認識が、トランプ支持者を共和党支持に向かわせた。
後者の福音派キリスト教徒については、カバノー判事の任命問題をめぐって展開された反カバノー・キャンペーンが悪影響をもたらした。福音派は1973年のロウ対ウェイド判決で女性に認められた人工妊娠中絶の権利を覆すことを目指している。それら社会的争点については裁判所が大きな影響力を持つため、判事の任命は中絶賛成派・反対派の両方にとって重要な問題である。カバノーは中絶など社会的争点において福音派と同様の立場をとっており、反カバノー・キャンペーンは福音派キリスト教徒の活動を活性化したといえよう(この点については、10月の記事「「カバノー承認問題」で党派対立激化、中間選挙への影響は?」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14172 を参照していただきたい)。
有利な状況を無駄にした民主党の拙速な行動
今回の選挙では、民主党に有利な状況が存在したにもかかわらず、拙速な行動をしてしまったために、その資源を無駄にしたという印象も強い。
民主党は、トランプ支持者を刺激するのを避けるため、2020年大統領選挙と大統領弾劾については争点化しない方針を確認していた。だが、2020年大統領選挙への出馬を目指しているとされるエリザベス・ウォーレンのスタンドプレーにより、その目論見は崩れた。
彼女はネイティヴ・アメリカンの血をひくことを売りとしており、しばしばトランプによってポカホンタスと揶揄されていた(ポカホンタスは伝説的なネイティヴ・アメリカンである)。ウォーレンはDNA鑑定の結果を示して先住民の祖先を持つことを明らかにしたが、それを発表するためにアップされた動画は、明らかに2020年大統領選挙を意識したものだった。その動画がトランプ支持者を刺激したのは言うまでもない。そして、ウォーレンの行動に先住民のチェロキー族が異議を申し立てるというオチまでついたことは、民主党陣営の脇の甘さを示していたといえるだろう。
カバノー承認問題でも、民主党の対応は拙速だった。カバノーによって性的暴行を受けそうになったと主張する人物が現れたのを民主党が積極的にとりあげたが、ここで問題視されたのはカバノーが17歳の時に行ったとされる事件であり、それを立証する明確な証拠は存在しなかった。また、その後登場した第二、第三の自称被害者は、実際は被害にあっていないことが判明した。性的暴行事件が極悪な犯罪であるのは誰しも認めるが、この件については、カバノーの承認を妨げるために、明確な証拠がないにもかかわらずカバノーを叩いているのではないかとの疑念を持つ人々が登場した。また、推定無罪の原則を強調し、犯罪者に更生の機会を与えるよう主張する傾向の強いリベラル派が、この事例に関しては有罪推定をしてカバノーを徹底的に批判したことはダブルスタンダードに映った。これらのことが、共和党支持者による民主党への反発を強めたのである。
二大政党の対立はより激化か
米国による対中経済冷戦は、中国が体制を変えるか、体制を変えないなら、徹底的に経済を悪化させ、他国への影響を完璧に削ぎ落とすまで実行されます。少なくとも10年、長ければ20年以上にわたり実行されることになるでしょう。連邦議会上院では共和党が多数を維持し、下院では民主党が多数を奪還した。上院は2年ごとに全100名のうちおよそ3分の1ずつ改選されるが、今回はその33選挙区に補欠選挙を加えた35選挙区で選挙が行われた。改選部分の大半の候補は6年前にオバマ元大統領が再選を果たした2012年選挙の当選組であり、改選35議席のうち民主党が26を占めていたので、いかに民主党が有利に選挙戦を展開したとしても民主党が多数を占めるのは困難とされていた。日本時間8日午前1時の時点で、ワシントンポスト紙によると、上院は合計で共和党が51議席、民主党は45議席で、共和党が多数を維持している(残りは未定)。他方、下院については453議席全てが改選され、共和党の引退議員が多かったこともあり、民主党の勝利が予想されていた。ワシントンポスト紙によれば、民主党が過半数を超える220議席を獲得し、共和党の獲得議席数は193である(残りは未定)。
アメリカの連邦議会選挙は現職議員の再選率が9割を超える。だが、現職議員が引退した選挙区は争いが激化することがあり、今回の選挙では、そのような選挙区でどちらの政党が勝利するかに注目が集まっていた。それらの選挙区では、連邦議会の多数派をどちらの政党に握ってもらいたいかという判断に基づいて投票が行われる度合いが高くなる。議会で多数を握る政党は、政策決定で重要な役割を果たす委員会の委員長ポストを握ることができるため、政策過程に大きな影響を行使することができる。有権者は大統領の方針に賛同している場合には政権党に投票し、大統領に歯止めをかけてほしいと考える場合には非政権党に投票する。その意味で、中間選挙には大統領への中間評価という意味も込められている。
選挙が近づくにつれ、接戦の予想に
中間選挙をめぐっては、これまでの歴史から導かれた経験則がいくつか存在する。だが、今回の中間選挙は、それらの経験則から一様の結果を導くのが困難だった。
まず、新たに選出された大統領を擁する政党は、最初の中間選挙では議席を減らす傾向がある。また、現職大統領の支持率が低い場合も、政権党は議席を減らす傾向がある。
ABCとワシントンポストの共同調査によれば、トランプ大統領は40%というトルーマン政権以後史上最低の支持率で最初の中間選挙を迎えている。これら二つの経験則は、民主党優位を予測していた。
他方、経済状態が良好な時には政権党が有利になるという経験則もある。経済成長が続き、失業率が低い場合には、政権党の経済運営を継続させようという意思が働く。有権者の多くは景気を選挙における最重要争点にあげることが多く、今回の選挙に際しても各種世論調査で景気が最重要課題としてあげられていた。この結果は、今回の選挙が共和党に有利であることを示唆していた。また、不人気な戦争もないことも、共和党にとって好都合である。
このように、過去の経験則から相矛盾する予測がなされた結果、今回の中間選挙の結果を予測するのには難しさが伴った。実際、中間選挙1カ月前には上下両院の多数を民主党がとるのではないかとの予測がなされていたが、選挙が近づくにつれ、接戦の予想がされるようになった。
政策論争よりもトランプ大統領への「評価」を強調
今回の中間選挙は、通例とは異なる特徴を持っていた。
第一に、連邦議会に党の顔となる人物が不在だった。通例の選挙では、現職の下院議長が下院多数派の政党の顔として、そして、下院少数派が逆転勝利した場合に下院議長を目指す人がその政党の顔として、選挙戦を主導することが多い。だが、今回の選挙では現職下院議長のポール・ライアンが引退表明をし、民主党で下院議長への返り咲きを目指しているとされるナンシー・ペロシは共和党支持者の間でとりわけ不人気なこともあって表立った活動を控えた。
その結果、現職大統領のドナルド・トランプが共和党の、前大統領のバラク・オバマが民主党の顔として存在感を示す結果となった。権力分立が厳格なアメリカでは、大統領と連邦議会は抑制と均衡の関係に立つため、大統領が議会選挙の顔となるのは本来好ましくない。選挙戦がトランプ対オバマの様相を示したことは、二大政党共に連邦議会議員の中で、選挙の顔となるべき人物が存在しないことを示唆していた(この点については、9月の記事「中間選挙で民主党がオバマに頼らざるを得ない理由」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14082 を参照していただきたい)。
それと関連して、第二に、今回の選挙ではトランプ大統領への評価という側面が強調され、政策論争が回避された。民主党はトランプ大統領に対する批判を中心に選挙戦略を組み立てた。トランプ相手に政策論争を展開してもかみ合った政策論争は成立しない。民主党が提示する政策案に対してトランプが過激な発言をし、感情的対立に発展するのがおちである。そのような判断を基に、民主党は政策論争を徹底的に避けたのだった。
そして第三に、先ほど指摘したように、今回は長らく民主党優位の予想が続いていたものの、選挙直前に混戦化したのが特徴だった。それには10月になってから登場したいくつかの要因が影響している。ホンジュラスやエルサルバドル、グァテマラなどの中米諸国から暴力を逃れて庇護を求める約7000人の集団(キャラバン)が選挙直前にメキシコ経由でアメリカに向かってくるという事柄が発生したこと、また、ブレット・カバノー氏の連邦最高裁判所判事への就任をめぐる問題が大争点となったことが、トランプ支持者を刺激し、共和党に有利に働くことになった。
依然として有効な「移民戦略」、
根強いトランプ支持者の存在
共和党は下院で多数を維持することはできなかったものの、意外と善戦した背景には、トランプ支持者の存在がある。とりわけ、必ずしも裕福とは言えない白人、中でも、ラストベルトと呼ばれる地域で製造業に従事していた労働者階級の人々と、福音派キリスト教徒が大きな影響を果たした。
トランプは前者の支持を得るために、中南米系の移民や不法移民が彼らの雇用を奪っていると主張し続けてきたが、その戦略は依然として有効だった。先に述べたキャラバンについて、トランプは、麻薬密売人やギャング集団、イスラム過激派が混じっているなどと根拠の定かでない主張を繰り返して危機を煽った。トランプは民主党が彼らをアメリカにけしかけてアメリカの主権を脅かさせているとも主張した。
ちなみに、10月27日にペンシルヴェニア州ピッツバーグのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で銃乱射事件を起こした反ユダヤ主義者の犯人は、民主党に巨額の支援を行ってきたユダヤ系のジョージ・ソロスがキャラバンの組織化を促したと主張していたようだが、FOXニュースなど保守派メディアでも、ユダヤ系などが民主党に有利な状況を作り出すためにキャラバンを向かわせたのではないかとの陰謀論が主張されていた。2016年大統領選挙でトランプを当選させたのと同様に、中南米出身者によって国境危機がもたらされているという(おそらく誤った)認識が、トランプ支持者を共和党支持に向かわせた。
後者の福音派キリスト教徒については、カバノー判事の任命問題をめぐって展開された反カバノー・キャンペーンが悪影響をもたらした。福音派は1973年のロウ対ウェイド判決で女性に認められた人工妊娠中絶の権利を覆すことを目指している。それら社会的争点については裁判所が大きな影響力を持つため、判事の任命は中絶賛成派・反対派の両方にとって重要な問題である。カバノーは中絶など社会的争点において福音派と同様の立場をとっており、反カバノー・キャンペーンは福音派キリスト教徒の活動を活性化したといえよう(この点については、10月の記事「「カバノー承認問題」で党派対立激化、中間選挙への影響は?」http://wedge.ismedia.jp/articles/-/14172 を参照していただきたい)。
有利な状況を無駄にした民主党の拙速な行動
今回の選挙では、民主党に有利な状況が存在したにもかかわらず、拙速な行動をしてしまったために、その資源を無駄にしたという印象も強い。
民主党は、トランプ支持者を刺激するのを避けるため、2020年大統領選挙と大統領弾劾については争点化しない方針を確認していた。だが、2020年大統領選挙への出馬を目指しているとされるエリザベス・ウォーレンのスタンドプレーにより、その目論見は崩れた。
彼女はネイティヴ・アメリカンの血をひくことを売りとしており、しばしばトランプによってポカホンタスと揶揄されていた(ポカホンタスは伝説的なネイティヴ・アメリカンである)。ウォーレンはDNA鑑定の結果を示して先住民の祖先を持つことを明らかにしたが、それを発表するためにアップされた動画は、明らかに2020年大統領選挙を意識したものだった。その動画がトランプ支持者を刺激したのは言うまでもない。そして、ウォーレンの行動に先住民のチェロキー族が異議を申し立てるというオチまでついたことは、民主党陣営の脇の甘さを示していたといえるだろう。
カバノー承認問題でも、民主党の対応は拙速だった。カバノーによって性的暴行を受けそうになったと主張する人物が現れたのを民主党が積極的にとりあげたが、ここで問題視されたのはカバノーが17歳の時に行ったとされる事件であり、それを立証する明確な証拠は存在しなかった。また、その後登場した第二、第三の自称被害者は、実際は被害にあっていないことが判明した。性的暴行事件が極悪な犯罪であるのは誰しも認めるが、この件については、カバノーの承認を妨げるために、明確な証拠がないにもかかわらずカバノーを叩いているのではないかとの疑念を持つ人々が登場した。また、推定無罪の原則を強調し、犯罪者に更生の機会を与えるよう主張する傾向の強いリベラル派が、この事例に関しては有罪推定をしてカバノーを徹底的に批判したことはダブルスタンダードに映った。これらのことが、共和党支持者による民主党への反発を強めたのである。
二大政党の対立はより激化か
今回の中間選挙の結果は、以後のアメリカ政治にどのような影響を与えるだろうか。今後のトランプ政権に及ぼす影響と、2020年大統領選挙に及ぼす影響について予測したい。
まず、直近のアメリカ政治に及ぼす影響としては、今回の選挙戦を通してアメリカの政治、社会の分断が一層深刻化したため、二大政党の対立はより激化するだろう。現在の連邦政府は、大統領の所属政党、連邦議会上下両院の多数党の全てを共和党が占める統一政府の状態だが、以後、連邦議会上下両院の多数派がねじれ、大統領の所属政党と議会多数派の政党が異なる分割政府の状態となる。連邦議会下院の議長と各種委員会の委員長を全て民主党が握ることになる。議会上下両院ともに二大政党の勢力拮抗状態が続くため、二大政党は他党との違いを示そうとして対立姿勢を強める可能性が高い。二大政党が合意できる可能性のある争点はインフラ投資などごく一部に限られるため、よほど革新的な政策案が出てこない限りは、政治の膠着状態が続く可能性が高いだろう。
連邦議会下院の多数派を民主党が握ったことにより、トランプ大統領の弾劾に向けた動きが出てくる可能性もあるかもしれない。もっとも、弾劾が成功する可能性は極めて低い。弾劾を成功させるには、検事役を務める下院が単純過半数の賛成に基づいて訴追した上で、上院の出席議員の3分の2の賛成を得る必要があるが、上院議員の3分の2の支持を確保するのは極めて困難だからである。とはいえ、弾劾裁判が議題に上がればトランプ大統領の資質問題がクローズアップされるため、2020年大統領選挙のスケジュールを念頭に置きながら、民主党が弾劾の動きを示す可能性はあるだろう。
最後に、外交面に与える影響は、必ずしも大きくないと予想される。そもそも連邦議会選挙で外交が争点となること自体が多くないためである。だが、内政面で業績を上げることが難しい場合に大統領が対外政策で注目を集めるべく強硬な姿勢をとる可能性はあり、多くの人にとって驚きの事態が発生する可能性があるかもしれない。
2020年大統領選はどうなる?
大きな困難を抱える両党
2020年大統領選挙に向けては、二大政党共に、大きな困難を抱えていることが判明した。
共和党は結局、最後はトランプ頼みであることが明らかになった。今回の選挙でトランプは、大統領選挙と見まがうほどに選挙戦のために全米を飛び回った(ただし、その訪問地は2016年選挙でトランプが勝利した州が中心であり、トランプに対する批判が強い地域はほとんど訪れなかった)。もし、トランプに対する弾劾が開始され、それにトランプが反発を示して自ら辞職するような事態になると、トランプは民主党のみならず共和党批判も展開すると予想される。また、トランプが再選を目指し、それを良しとしない対抗馬が現れた時には、共和党内で泥仕合が展開される可能性もあるだろう。
また、トランプによって党の性格が変質させられたことが、共和党にとっては大きな痛手になるかもしれない。トランプは民主党に投票する可能性のあった白人労働者階級を共和党支持者に組み込んだ功績があるが、逆に、共和党の中核的支持者であった農家の反発を招いている。トランプは白人労働者階級の支持を確保するためにTPPからの離脱を決定したが、その決定は、日本などへの農作物の輸出を期待していた農家に大きな不利益を与えた。最近、農家の間でのトランプに対する支持率は大幅に低下している。このような状態で2020年大統領選挙を迎えることに、共和党主流派は不安を感じているだろう。
他方、民主党も前途は明るくない。今回の選挙を経て、民主党内では、穏健派と進歩派(左派)の対立が鮮明になった。今回は反トランプムードの高まりもあり、進歩派の存在感が高まった。それを象徴するのが、民主党下院で第4番目の序列にあった有力者のジョー・クローリーを予備選挙で破った28歳のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスだろう。彼女は2016年大統領選挙でバーニー・サンダース陣営で働いた経歴を持ち、民主社会主義者を自称している。このような人物は、選挙区が小さく、同質的な有権者が比較的多い下院の選挙では勝利することができる。だが、その勢いを背景に大統領選挙で進歩派が存在感を増してしまうと、本選挙で穏健な有権者が民主党を支持しなくなる可能性がある。2020年大統領選挙で民主党が勝利するためには、トランプ・ボーターを一定程度取り戻すことが必要になると予想されるが、それを不可能にしてしまう可能性が高いだろう。
2018年中間選挙は、アメリカ政治を安定させるのではなく、さらなる混乱を生み出す可能性を生み出したのかもしれない。
【私の論評】米国の対中強硬路線は変わらないどこかさらに強化される(゚д゚)!
2018年の米中間選挙は、下院選の投票者数が過去最高の推計1億1400万人に上るなど記録ずくめで、世界各地から大統領選並みの注目を集めました。
今回の選挙は、今後のトランプ大統領の政権運営を占う重大なイベントで、投票日間際にもトランプ氏の政敵に爆発物が送りつけられたり、ピッツバーグのユダヤ人教会堂で発砲事件が起きるなど波乱が続きました。
しかし結局のところはブログ冒頭の記事にもあるように、野党・民主党が下院の過半数を奪回するというありきたりな結果に終わり、多くの民主党支持者が期待した「ブルーウェーブ(青い波)」は起きませんでした。
民主党は下院の議席を改選前から30議席ほど増やし、上院で失った議席はわずかでしたが、最近の中間選挙に照らして「大勝」とは言えません。原因は米国の景気にありました。青い波は好調な米経済という陸地にぶつかり、砕け散りました。
現在、アメリカは好景気を謳歌していますが、共和党が下院で敗北したことによって、政治的不安定を恐れて株価が下落する可能性が高いです。同時に、アメリカの株価下落は世界の市場にも大きな影響を与えると考えられます。ただし、下院で民主党が多数派政党になったところで、アメリカの対中戦略が大きく変わることはないでしょう。
共和党の主流派、グローバリスト、ネオコンと呼ばれる人たちは、すでに引退したり予備選挙で敗退したりしています。そのため、共和党の内部を見ればトランプ支持派が多くを占める格好となっており、政策にもトランプ色がより濃く打ち出されていくことは確実です。トランプ大統領としても、今後は支持層に強く訴えかける必要があるため、さらに保守的な政策を掲げる可能性もあります。
ちなみに、民主党系でも『民主社会主義者』を名乗るバーニー・サンダース上院議員が圧倒的な支持を集めて再選しており、いわば“アメリカ版サヨク”が躍進しています。それは中間派やグローバリストの排除を意味するわけで、今後もアメリカ全体がトランプ支持派である“プア・ホワイト”(白人の低所得者層)寄りに傾いていくことが予想されます。
貿易戦争の渦中にある米中は、11月末にアルゼンチンで行われる20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて、トランプ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談を開く予定であり、通商協議のゆくえが注目されています。
先日、一部の米メディアが『トランプが複数の閣僚に対中貿易に関する合意案の作成を指示した』と報じましたが、NEC(国家経済会議)のラリー・クドロー委員長が否定するなど、米中経済戦争は情報戦の様相を呈してきています。
また、クドロー委員長は対中関係について『以前ほど楽観視していない』と語っており、協議の結果次第では中国製品にさらなる関税をかけることも示唆しています。米国としては、中国の景気悪化に巻き込まれないことが大切であり、『現時点でなんらかの合意をしてもメリットはない』というのが本音でしょう。そのために、いわば逃げる時間が必要なのでしょう。
ねじれ議会となったアメリカは2年後の大統領選に向けてどう動くのか、目が離せない事態が続きそうです。
とはいいながら、大きな方向性として「対中強硬路線」は変わりません
マイク・ペンス米副大統領は10月4日、ワシントンのハドソン研究所で、「米国は中国共産党によって完全に欺かれてきた。中国は対外膨張政策をとり、軍事的強硬策をとっている。習近平政権は独裁色を濃厚にしている」「中国共産党は、新興国に向けて、債務の罠(わな)を仕掛け、植民地主義的な略奪政策を実行している」などと講演しました。
米国のハイテク技術を不当に手に入れ、米国に挑戦するように軍事的覇権を強めている中国への事実上の「宣戦布告」と言われました。これは、米ソ冷戦の開始を告げた、ウィンストン・チャーチル英首相の「鉄のカーテン演説」をほうふつさせました。
対中強硬路線は、共和党も民主党も関係なく、米国内で受け入れられる素地があります。ウイグルやチベットでの人権弾圧は、米国をはじめ自由主義国にとって看過できない問題です。
いまや対中国戦略は、トランプ大統領主導による貿易戦争から、米国議会主導によるありとあらゆる制裁によるペンス副大統領がいう「冷戦Ⅱ」に移行しました。この「冷戦Ⅱ」
は、次の大統領が誰になろうとも継続されることになります。
トランプ大統領は今月末、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで始まるG20(20カ国・地域)首脳会議に合わせて、習国家主席と米中首脳会談を行う。
中間選挙の全国遊説で見せた勢いのまま、トランプ大統領は共産党独裁国家による世界覇権を阻止する構えです。
中国は、貿易戦争に関しては、トランプ氏大統領の専売特許のように思っており、トランプ氏が退きさえすれば、また元に戻ると思っていたようです。トランプ大統領の任期は最大で8年、来年の選挙で負ければ4年です。中国は、最大8年間耐えれば、元に戻ると考えていたようですが、その目論見は完全に崩れました。
まず、直近のアメリカ政治に及ぼす影響としては、今回の選挙戦を通してアメリカの政治、社会の分断が一層深刻化したため、二大政党の対立はより激化するだろう。現在の連邦政府は、大統領の所属政党、連邦議会上下両院の多数党の全てを共和党が占める統一政府の状態だが、以後、連邦議会上下両院の多数派がねじれ、大統領の所属政党と議会多数派の政党が異なる分割政府の状態となる。連邦議会下院の議長と各種委員会の委員長を全て民主党が握ることになる。議会上下両院ともに二大政党の勢力拮抗状態が続くため、二大政党は他党との違いを示そうとして対立姿勢を強める可能性が高い。二大政党が合意できる可能性のある争点はインフラ投資などごく一部に限られるため、よほど革新的な政策案が出てこない限りは、政治の膠着状態が続く可能性が高いだろう。
連邦議会下院の多数派を民主党が握ったことにより、トランプ大統領の弾劾に向けた動きが出てくる可能性もあるかもしれない。もっとも、弾劾が成功する可能性は極めて低い。弾劾を成功させるには、検事役を務める下院が単純過半数の賛成に基づいて訴追した上で、上院の出席議員の3分の2の賛成を得る必要があるが、上院議員の3分の2の支持を確保するのは極めて困難だからである。とはいえ、弾劾裁判が議題に上がればトランプ大統領の資質問題がクローズアップされるため、2020年大統領選挙のスケジュールを念頭に置きながら、民主党が弾劾の動きを示す可能性はあるだろう。
最後に、外交面に与える影響は、必ずしも大きくないと予想される。そもそも連邦議会選挙で外交が争点となること自体が多くないためである。だが、内政面で業績を上げることが難しい場合に大統領が対外政策で注目を集めるべく強硬な姿勢をとる可能性はあり、多くの人にとって驚きの事態が発生する可能性があるかもしれない。
2020年大統領選はどうなる?
大きな困難を抱える両党
2020年大統領選挙に向けては、二大政党共に、大きな困難を抱えていることが判明した。
共和党は結局、最後はトランプ頼みであることが明らかになった。今回の選挙でトランプは、大統領選挙と見まがうほどに選挙戦のために全米を飛び回った(ただし、その訪問地は2016年選挙でトランプが勝利した州が中心であり、トランプに対する批判が強い地域はほとんど訪れなかった)。もし、トランプに対する弾劾が開始され、それにトランプが反発を示して自ら辞職するような事態になると、トランプは民主党のみならず共和党批判も展開すると予想される。また、トランプが再選を目指し、それを良しとしない対抗馬が現れた時には、共和党内で泥仕合が展開される可能性もあるだろう。
また、トランプによって党の性格が変質させられたことが、共和党にとっては大きな痛手になるかもしれない。トランプは民主党に投票する可能性のあった白人労働者階級を共和党支持者に組み込んだ功績があるが、逆に、共和党の中核的支持者であった農家の反発を招いている。トランプは白人労働者階級の支持を確保するためにTPPからの離脱を決定したが、その決定は、日本などへの農作物の輸出を期待していた農家に大きな不利益を与えた。最近、農家の間でのトランプに対する支持率は大幅に低下している。このような状態で2020年大統領選挙を迎えることに、共和党主流派は不安を感じているだろう。
他方、民主党も前途は明るくない。今回の選挙を経て、民主党内では、穏健派と進歩派(左派)の対立が鮮明になった。今回は反トランプムードの高まりもあり、進歩派の存在感が高まった。それを象徴するのが、民主党下院で第4番目の序列にあった有力者のジョー・クローリーを予備選挙で破った28歳のアレクサンドリア・オカシオ・コルテスだろう。彼女は2016年大統領選挙でバーニー・サンダース陣営で働いた経歴を持ち、民主社会主義者を自称している。このような人物は、選挙区が小さく、同質的な有権者が比較的多い下院の選挙では勝利することができる。だが、その勢いを背景に大統領選挙で進歩派が存在感を増してしまうと、本選挙で穏健な有権者が民主党を支持しなくなる可能性がある。2020年大統領選挙で民主党が勝利するためには、トランプ・ボーターを一定程度取り戻すことが必要になると予想されるが、それを不可能にしてしまう可能性が高いだろう。
2018年中間選挙は、アメリカ政治を安定させるのではなく、さらなる混乱を生み出す可能性を生み出したのかもしれない。
【私の論評】米国の対中強硬路線は変わらないどこかさらに強化される(゚д゚)!
2018年の米中間選挙は、下院選の投票者数が過去最高の推計1億1400万人に上るなど記録ずくめで、世界各地から大統領選並みの注目を集めました。
今回の選挙は、今後のトランプ大統領の政権運営を占う重大なイベントで、投票日間際にもトランプ氏の政敵に爆発物が送りつけられたり、ピッツバーグのユダヤ人教会堂で発砲事件が起きるなど波乱が続きました。
しかし結局のところはブログ冒頭の記事にもあるように、野党・民主党が下院の過半数を奪回するというありきたりな結果に終わり、多くの民主党支持者が期待した「ブルーウェーブ(青い波)」は起きませんでした。
ブルーウェーブは起きなかった |
民主党は下院の議席を改選前から30議席ほど増やし、上院で失った議席はわずかでしたが、最近の中間選挙に照らして「大勝」とは言えません。原因は米国の景気にありました。青い波は好調な米経済という陸地にぶつかり、砕け散りました。
現在、アメリカは好景気を謳歌していますが、共和党が下院で敗北したことによって、政治的不安定を恐れて株価が下落する可能性が高いです。同時に、アメリカの株価下落は世界の市場にも大きな影響を与えると考えられます。ただし、下院で民主党が多数派政党になったところで、アメリカの対中戦略が大きく変わることはないでしょう。
共和党の主流派、グローバリスト、ネオコンと呼ばれる人たちは、すでに引退したり予備選挙で敗退したりしています。そのため、共和党の内部を見ればトランプ支持派が多くを占める格好となっており、政策にもトランプ色がより濃く打ち出されていくことは確実です。トランプ大統領としても、今後は支持層に強く訴えかける必要があるため、さらに保守的な政策を掲げる可能性もあります。
ちなみに、民主党系でも『民主社会主義者』を名乗るバーニー・サンダース上院議員が圧倒的な支持を集めて再選しており、いわば“アメリカ版サヨク”が躍進しています。それは中間派やグローバリストの排除を意味するわけで、今後もアメリカ全体がトランプ支持派である“プア・ホワイト”(白人の低所得者層)寄りに傾いていくことが予想されます。
バーニー・サンダース上院議員の躍進 |
貿易戦争の渦中にある米中は、11月末にアルゼンチンで行われる20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせて、トランプ大統領と習近平国家主席による米中首脳会談を開く予定であり、通商協議のゆくえが注目されています。
先日、一部の米メディアが『トランプが複数の閣僚に対中貿易に関する合意案の作成を指示した』と報じましたが、NEC(国家経済会議)のラリー・クドロー委員長が否定するなど、米中経済戦争は情報戦の様相を呈してきています。
また、クドロー委員長は対中関係について『以前ほど楽観視していない』と語っており、協議の結果次第では中国製品にさらなる関税をかけることも示唆しています。米国としては、中国の景気悪化に巻き込まれないことが大切であり、『現時点でなんらかの合意をしてもメリットはない』というのが本音でしょう。そのために、いわば逃げる時間が必要なのでしょう。
ねじれ議会となったアメリカは2年後の大統領選に向けてどう動くのか、目が離せない事態が続きそうです。
とはいいながら、大きな方向性として「対中強硬路線」は変わりません
マイク・ペンス米副大統領は10月4日、ワシントンのハドソン研究所で、「米国は中国共産党によって完全に欺かれてきた。中国は対外膨張政策をとり、軍事的強硬策をとっている。習近平政権は独裁色を濃厚にしている」「中国共産党は、新興国に向けて、債務の罠(わな)を仕掛け、植民地主義的な略奪政策を実行している」などと講演しました。
米国のハイテク技術を不当に手に入れ、米国に挑戦するように軍事的覇権を強めている中国への事実上の「宣戦布告」と言われました。これは、米ソ冷戦の開始を告げた、ウィンストン・チャーチル英首相の「鉄のカーテン演説」をほうふつさせました。
対中強硬路線は、共和党も民主党も関係なく、米国内で受け入れられる素地があります。ウイグルやチベットでの人権弾圧は、米国をはじめ自由主義国にとって看過できない問題です。
いまや対中国戦略は、トランプ大統領主導による貿易戦争から、米国議会主導によるありとあらゆる制裁によるペンス副大統領がいう「冷戦Ⅱ」に移行しました。この「冷戦Ⅱ」
は、次の大統領が誰になろうとも継続されることになります。
トランプ大統領は今月末、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで始まるG20(20カ国・地域)首脳会議に合わせて、習国家主席と米中首脳会談を行う。
中間選挙の全国遊説で見せた勢いのまま、トランプ大統領は共産党独裁国家による世界覇権を阻止する構えです。
中国は、貿易戦争に関しては、トランプ氏大統領の専売特許のように思っており、トランプ氏が退きさえすれば、また元に戻ると思っていたようです。トランプ大統領の任期は最大で8年、来年の選挙で負ければ4年です。中国は、最大8年間耐えれば、元に戻ると考えていたようですが、その目論見は完全に崩れました。
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