2023年10月7日土曜日

維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に―【私の論評】鈴木宗男氏、除名すべき!保守派の矜持を守れ(゚д゚)!

維新、鈴木宗男氏「除名」を検討 露「勝利」期待発言が問題に

まとめ
  • 鈴木宗男参院議員が、日本維新の会に無断でロシアを訪問した。
  • 訪露中のロシア国営メディアのインタビューで、ロシアの勝利を期待するとの発言をした。
  • 日本維新の会は、鈴木氏の無断訪露と発言を問題視し、除名処分を検討している。
鈴木宗男氏

 日本維新の会は、鈴木宗男参院議員の無断訪露と、訪露中のロシア国営メディアのインタビューでの発言を問題視し、除名処分を検討していることが分かった。鈴木氏は、動画は切り取られたものだと主張しているが、党内では厳しい処分を求める声が高まっている。

 鈴木氏は、党の海外渡航ルールに従わず、5月1日にロシアを訪問した。ロシア滞在中、ルデンコ外務次官らと会談し、5月5日に帰国した。

 鈴木氏は、ロシア侵攻開始後も、ロシアとの友好関係を重視する姿勢を示してきた。今回の訪露は、その一環とみられる。

 しかし、鈴木氏がロシア国営メディアのインタビューで「ロシアの勝利を確信している」と発言したことが、問題視された。

 鈴木氏は、動画は切り取られたものだと主張しているが、党内では、鈴木氏の発言は、日本政府の外交方針と対立するものであり、党のイメージを損なうものとして、厳しい処分を求める声が高まっている。

 日本維新の会は、10日に最終判断する予定だ。

【私の論評】鈴木宗男氏、除名すべき!保守派の矜持を守れ(゚д゚)!

まとめ
  • 日本維新の会は、鈴木宗男議員の無断ロシア訪問とロシア国営メディアでのインタビュー発言を問題視し、除名を検討している。
  • 鈴木議員は、国家に対する愛国心と忠誠心を忘れ、ロシアと癒着する姿勢を露呈している。
  • 欧米では、ウクライナ侵攻時にロシアを訪問した政治家が政党から除名された例がある。
  • 鈴木議員の行為は、日本の外交方針と相反し、国際社会の非難を招いている。
  • 真の保守派なら、ロシアの侵略を称賛するようなことは決してしない。

日本維新の会が鈴木氏の除名を検討しているのは理解できます。無許可のロシア訪問とロシア国営メディアとのインタビューでの発言は、日本政府の外交方針と相反するものであり、党のイメージダウンにつながりかねないです。

この鈴木宗男代議士は、国家に対する愛国心と忠誠心を忘れてしまったようです。彼は日本とその民主主義の原則のために立ち上がることよりも、ロシアと癒着することに関心があるようです。彼は、ロシアがいずれ勝利して、巨大なロシア利権が生まれると踏んでいるのかもしれません。

そのように誤解させるようなこともあります。現在の内閣には「ロシア経済協力相」なる役職がいまだ存在します。これは安倍政権で新設されたポストですが、もう安倍政権の頃とは状況が違い、ロシアへ経済制裁を続けることと明らかに矛盾します。もう廃止すべきでしょう。

イルハン・オマル下院議員

欧米では、ウクライナ侵攻時にロシアを訪問した政治家が政党から除名された例がいくつかあります。例えば米国では、民主党のイルハン・オマル下院議員が2023年1月にロシアを訪問した後、ミネソタ民主・農民・労働党から除名されました。ヨーロッパでは、フランスの政治家フロリアン・フィリポが2023年2月にロシアを訪問した後、国民結集党から除名されました。

フロリアン・フィリポ

この2つのケースとも、政治家が所属政党の外交政策に違反したとして除名されました。ミネソタ民主・農民・労働党はロシアへの渡航を禁止する政策をとっており、国民集会はロシアのプーチン大統領に反対する政策をとっています。

注意しなければならないのは、政治家を政党から除名することと、公職から解任することは違うということです。政治家が政党から除名された場合、その政治家はその政党の党員ではなくなりますが、公職にはとどまることができます。しかし、罷免された政治家は、その役職に就くことができなくなります。

イルハン・オマルとフロリアン・フィリポットの場合、2人とも所属政党から除名されましたが、職を解かれたわけではありません。オマル氏は現在も米国下院議員であり、フィリポット氏は現在も欧州議会議員です。

鈴木氏が罷免されずに日本維新の会から除名される可能性はあります。しかし、除名されれば罷免される可能性もあります。これは、日本の政治に適用される具体的なルールや規則によるでしょう。

最終的に、鈴木氏を除名するかどうかは、日本維新の会の党首が決めることです。

それにしても、真の保守派の立場からみれば、彼の無断渡航とロシア国営メディアへの宣伝出演は、まったく不適切で有害です。そもそも、現在では監視衛星などがあり、ロシアが一方的にウクライナ領内に明らかな意図を持ち侵攻したことは、はっきりしています。他の国際紛争にみられるような、曖昧なものではありません。明らかな侵略です。

ロシア軍のミサイルで破壊されたウクライナの集合住宅

これは、明らかな国際法違反です。もし私が日本維新の会を率いていたら、躊躇なく彼を即刻追放するでしょう。真の保守派なら、自国の自由な国民よりも権威主義的なロシアに同調することはないでしょう。

民主主義と人間の尊厳という西側の真の価値観は、プーチンの権威主義的な独裁政治とは根本的に対立するものです。鈴木宗男氏をはじめ、ロシアの侵略を称賛する人たちは恥を知るべきです。維新の保守派は、矜持を持って、鈴木宗男氏を退けるべきです。日本の指導者たちは、党派や派閥よりも国を優先し、鈴木議員の議員辞職も検討すべきです。自由世界は団結して専制政治に立ち向かわなければならないです。

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2023年10月6日金曜日

米「国境の壁」建設再開へ 記録的不法移民流入で方針転換―【私の論評】国境安全の優先が再認識され、保守派の期待が高まる(゚д゚)!

米「国境の壁」建設再開へ 記録的不法移民流入で方針転換

まとめ
  • バイデン政権は不法移民の流入を防ぐため、トランプ前政権が進めていた「国境の壁」建設を事実上再開する。
  • バイデン大統領は就任時に壁建設を中止したが、不法移民の流入が過去最高水準に達したことで、方針転換を余儀なくされた。
  • 壁の建設はテキサス州のリオグランデ川流域に約32キロメートルにわたって行われ、環境保全関連法上の規制を除外して進められる。
  • バイデン大統領は壁建設の予算は議会がすでに充当しており止めることはできないと述べたが、有効性を問われると否定的な見解を示した。
  • 不法移民対策は来年の大統領選で主要争点となっており、共和党は壁の完成と国境警備強化を訴えている。


 バイデン米政権は、メキシコ国境から米国への不法移民の流入を防ぐため、トランプ前政権が進めていた「国境の壁」建設を事実上再開すると発表した。

 バイデン大統領は就任時に壁建設を中止したが、不法移民の流入が過去最高水準に達したことで、方針転換を余儀なくされた。

 壁の建設は、テキサス州のリオグランデ川流域に約32キロメートルにわたって行われ、環境保全関連法上の規制を除外して進められる。

 バイデン大統領は壁建設の予算は議会がすでに充当しており止めることはできないと述べたが、有効性を問われると否定的な見解を示した。

 不法移民対策は来年の大統領選で主要争点となっており、共和党は壁の完成と国境警備強化を訴えている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】国境安全の優先が再認識され、保守派の期待が高まる(゚д゚)!

まとめ

  • 不法移民の問題: 大量の不法移民は米国の国家安全保障と生活様式に対する脅威であり、保守派はこの問題に深刻な懸念を抱いている。
  • 国民国家は移民と難民の出入りを管理しなければ存続できない。正当な手続きを経た移民だけが受け入れられるべき。
  • バイデン大統領が国境の安全性に目を向ける必要性を認識し、壁の建設などを進めることは歓迎すべきことである。
  • ポリティカル・コレクトネスが国境問題を複雑化させた要因であり、その姿勢を問題である。
  • 米国の移民政策についての考え方や経験から、日本も同様の問題に注意を払い、米国の誤りを繰り返さないようにするべきだ。

さて、そろそろ血気盛んな米リベラル派も正気に戻る時が来たようです。大量の不法移民は、米国の国家安全保障と米国人の生活様式を脅かす元凶です。トランプ大統領が壁を建設したのは正しい考えであり、バイデン大統領が国境を守る必要性にようやく気づいたのは喜ばしいことです。

国境の壁の前で微笑むトランプ大統領  AI生成画像

いかなる国民国家も、移民・難民の出入りを管理することなしには存続できません。不法移民や難民はそもそも受け付けるべきではありません。正しい手続き経て、政府が認めた人だけが、移民や難民として受け入れられるべきです。あの民主党と彼らのポリティカル・コレクトネスは、ほとんどこの国を壊しかけました。

バイデン氏がついに目を覚ましましたようです、たとえ引きずり込まれる形であっても決心したことは喜ばしいことです。国境の安全は国民国家の常識です。自国の利益と市民を守らない国は、いずれ破綻するしかありません。

バイデン大統領ついに覚醒したか・・・・ AI生成画像

トランプ大統領の移民政策はずっと正しかったのです。バイデン大統領が理性に耳を傾け続け、壁を完成させることで日本の同盟国であり、最重要国である米国にとって最善のことをしてくれることを願っています。

ポリティカル・コレクトネスに関しては、国境問題一つとっても問題があることがはっきりしたと思います。

そもそも、ポリティカル・コレクトネス(政治的正当性)とは、正しいと思われる考えや政治信条を絶対善として、それに反するものは悪とする単純すぎる政治的な姿勢だと思います。

ポリティカル・コレクトネスに戸惑う女性 AI生成画像

しかし、しばしば現実はその通りにはいかないものであり、その時々で是々非々で解決したり、時間をかけて解決していくべきです。しかし、絶対善を信奉すれば、そのようなことは考えずに、どのような不都合があっても、前に進み続け、周りを破壊することになります。米国はポリティカル・コレクトネスの悪夢から早期に目覚めてほしいです。

ボリティカル・コレクトネスを信条とする政府は、自らを縛り制御不能としているようにしか見えません。日本でも、ポリティカル・コレクトネスが流布し、様々な問題を複雑化していく可能性があります。

日本は、米国を他山の石として、米国がおかした誤りを今以上に繰り返さないようにすべきです。

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2023年10月5日木曜日

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定―【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

自民若手、消費税率5%への減税求める提言決定

まとめ
  • 自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表。
  • 声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めている。
  • 声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べている。
  • 青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示している。

 自民党の若手議員らによる「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は、政府に対し、新たな経済対策として、消費税率の5%への時限的引き下げと、20兆円規模の「真水」補正予算案を検討するよう求める提言をまとめました。

 議員連盟の中村裕之共同代表は、政府の減税措置が企業に偏っていると指摘し、物価高に苦しむ生活者に減税の実感が伝わる形をとるよう求めました。

 また、提言では、企業の資金繰り支援や、サプライチェーン(供給網)の強靱化に向けた国内の生産拠点の設備投資支援なども要望しました。

 議連は近く、世耕弘成参院幹事長や萩生田光一政調会長、政府側に提言を手交する予定です。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】自民党若手議員、消費税減税を再び要求!岸田政権は国民の声に耳を傾けるか(゚д゚)!

まとめ

  • 自民党の若手議員による消費税減税要求の動きは、2020年にも行われていた。
  • 当時も消費税減税は行われず、景気は緩やかに回復しているものの、個人消費は低調である。
  • これを成長軌道に乗せるためには、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税を行うべきである。

責任ある積極財政を推進する議員連盟の中村裕之共同代表

このような動きは、三年前にもありました。

三年前の2020年3月30日にも、自民党の若手議員らが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、消費税の減税を求める緊急声明を発表しました。

声明では、消費税の引き下げによって、景気の致命的な下降を食い止め、経済を立て直すことができるとして、5%への引き下げか、消費税をゼロにするよう求めていました。

声明をまとめた安藤裕衆議院議員は、新型コロナウイルスが経済に強大な影響を及ぼしており、思い切った消費減税によって、国民に希望を与える必要があると述べました。

また、青山繁晴参議院議員は、減税勢力は自民党の衆参両院の国会議員100人以上に上るとし、当時の安倍総理大臣に消費税減税を決断するよう求める考えを示しました。

結局このときも、その後の菅政権においても、消費税減税は行われませんでした。ただし、コロナ対策として、安倍政権は60兆円の補正予算を組み、菅政権は40兆円を組みも両政権あわせて100兆円の補正予算で、コロナ対策を行いました。

この100兆円は、当時の需給ギャップに相当する額であり、経済対策としてはまともな政策であったといえます。そうして、この補正予算は、安倍元総理の言葉でいうと、「日銀政府連合軍」で国債を発行して日銀がそれを買い取るという方式で賄われました。

巨額の国債を発行するととんでもないことになると考える、人たちもいましたが、それは違うということが現在明らかになっています。この時期の大量の国債発行で、財政に深刻な問題が生じていれば、今頃財務省を筆頭にして、「それみたことか」と言わんばかりに、マスコミも、それを大々的に喧伝したでしょう。そのような、発表や報道はありません。

ただ、この政策は補助金によって実施されました。補助金支給の意思決定は、政府が行いますが、その審査や給付の事務手続きは市町村等の地方自治体が行うので、事務量が莫大になるため、執行の遅れや漏れが生じるのです。事務量が膨大になるため、審査は形式的なものならざるを得ず、補助金給付で様々な不正が発生していることを皆さんもご存知だと思います。中には、大手企業の事業所でそれが行われていたことが、報道されたりしました。

ただ、その執行漏れも、岸田政権によって実行され、景気は上向き、さらに円安メリットも加わり、日本経済は成長しました。ここ数年、毎年税収が過去最高を更新し続けていることが、それを示しています。

ただ、現状でもなお、15兆円以上の需給ギャップが存在していることは明らかであり、個人消費は低調です。円安により輸出がそれを補う以上の伸びを示したので、株価も上がり、日経平均株価は33年ぶりの高値水準にあり、3万円台で値固めを続けているので、景気は悪くないようにもみえます。

しかし、2023年6月の短期経済見通しによると、2023年度の実質GDP成長率は前年比+0.9%と予想されています。物価上昇や海外経済減速による下振れ懸念が残るものの、内需を中心に緩やかな景気回復が続くと見込まれています。

日本銀行の消費活動指数(旅行収支調整済)を見ると、今年1-3月期は前期比+1.4%、4-6月期は同ー0.6%であり、均してみると緩やかな増加に留まっています。

これを成長軌道に乗せるためには、やはり少なくとも、15兆円以上の補正予算を組み消費税減税などをするのが最善の経済政策です。現在の失業率の水準から試算すれば最低でも10兆円、日本経済の潜在能力から推測すると最大20兆円の需給ギャップが存在しています。

鈴木俊一財務相

鈴木俊一財務相は「規模ありき」を否定していますが、いまの日本に必要なのは、「まず規模ありき」といえます。また消費の低迷が著しいのですから、消費税の減税で国民に経済成長の成果を還元すべきでもあります。

経済対策は、マクロ的には「規模ありき」であり、十分な量がなければ、対策は目的を成就することはできません。マクロ的にみれば、何をしても効果はあります。バラマキ否定論者は、マクロ経済を知らないただの愚か者です。バラマキこそ正義です。経済が良くない時に、バラマキを否定して、結局緊縮財政を推進しようとする輩こそ、悪です。

だからこそ、ヘリコプターマネーなどと言われるのです。バーナンキ氏は、「日銀はトマトケチャップを買え」と言うのです。ただ、補助金ばかりでは、執行遅延や漏れや不正が起きやすく、しかも消費が低迷している現状では、現状ではすぐに効果が期待できる消費税減税が良いと言っているのです。そうして、一部は補助金として、特に現在の政権の持ち味を出したい分野に集中的に注げば良いです。

ここで岸田政権が減税を掲げて解散しなかったら愚かとしか言いようがありません。まずは、減税を大義とした解散ができますし、消費税・所得税減税+給付金を打ち出せば、よほどのことがない限り、大勝利ですし、実体経済も良くなり国民も満足すると思います。まずは、量ありきで、15兆円以下の経済対策では無意味です。

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2023年10月4日水曜日

コソボに「安倍晋三公園」 「両国の絆期待」昭恵夫人―【私の論評】コソボの過去から未来への希望:友情と協力が築く平和の道(゚д゚)!

コソボに「安倍晋三公園」 「両国の絆期待」昭恵夫人

まとめ
  • コソボの首都プリシュティナで、故安倍晋三元首相の名前を付けた「安倍晋三公園」の開園式が行われた。
  • 公園は、段々畑のようなつくりで、安倍氏の昭恵夫人によるメッセージが代読された。
  • 安倍氏は首相時代にコソボ支援を積極的に進め、プリシュティナ側から命名が提案された。
コソボの首都プリシュティナ HDR撮影

 コソボの首都プリシュティナで3日、故安倍晋三元首相の名前を付けた「安倍晋三公園」の開園式があった。水内龍太駐コソボ大使が出席、「公園で育まれる温かな交流により両国の絆がより一層深く結ばれていくことを夫も期待していると思います」とした安倍氏の昭恵夫人によるメッセージを代読した。

 公園は、段々畑のようなつくりで「安倍晋三公園」と漢字で書かれたプレートが設置されている。水内氏とプリシュティナのラマ市長らが桜を植樹した。ラマ氏は取材に対し、安倍氏は「われわれの偉大な友人だ」とし、命名について「敬意を示すためだ」と語った。

プリシュティナのラマ市長

 安倍氏が首相だった2018年1月に、欧州連合(EU)加盟を目指すコソボなどに対する経済社会改革の支援などを目的とした「西バルカン協力イニシアチブ」が発表された。20年には在コソボ大使館を開設した。

 昨年安倍氏が亡くなった後、プリシュティナ側が公園の命名について提案した。

【私の論評】コソボの過去から未来への希望:友情と協力が築く平和の道(゚д゚)!

まとめ
  • コソボの歴史は古代から続き、イリュリア人やダルダニア人などの先住民が住んでいた地域で、多くの帝国や文化の影響を受けた。
  • コソボはセルビアの領土でありながら、アルバニア人の居住地域として変化し、20世紀に紛争が勃発した。
  • コソボ紛争は1996年から1999年にかけて続き、セルビアとアルバニア系住民との間で独立を巡る対立が激化した。
  • 安倍晋三氏のリーダーシップにより、日本はコソボに経済支援と社会開発支援を提供し、その結果、国際社会での認知度が高まった。
  • コソボの未来は協力と対話による和解の可能性があり、我々はその成功を支持し、見守る責任がある。

バルカン諸国の一つのコソボ 中央より少し下の青い部分がコソボの版図

コソボの歴史は石器時代までさかのぼり、古代には先住民であるイリュリア人やダルダニア人が住み、ダルダニアと呼ばれていました。その後、ローマ帝国、ビザンチン帝国、ブルガリア、中世セルビア王国、オスマン帝国の一部となり、多様な文化・歴史が積み重なってきました。

コソボは、セルビアの領土でありながら、ちょうどそのアルバニア人の住む地域に重なっています。三百年くらい前まではセルビア人が多く住む土地でしたが、東から進出してきたオスマン・トルコ帝国の支配下で、多くのアルバニア人が移り住むようになり、民族の構成が変わりました。

1946年にセルビア共和国内の自治州(コソボ・メトヒヤ自治州)とされました。

1990年には、アルバニア系住民が「コソボ共和国」の樹立とセルビアからの独立を宣言しました。これに対し、セルビアは自治州議会及び政府の機能を停止し、直接統治を開始しました。アルバニア系住民は武装組織「コソボ解放軍」(KLA)を組織化し、武力闘争を始めました。

この武力闘争は、コソボ紛争と呼ばれ、1996年から1999年にかけてバルカン半島南部のコソボで発生した武力衝突です。この紛争は、セルビア共和国に属するコソボ自治州の90%を占めるアルバニア人が独立を要求し、これを認めないセルビア共和国との対立によって引き起こされました。

紛争の発端は、1989年3月にセルビア議会が共和国憲法修正案を可決し、コソボ自治州の権限を共和国に集中したことです。1998年3月初めに対立が表面化し、99年6月に和平が成立しました。

ユーゴスラビアは、スロボダン・ミロシェヴィッチが大統領となって以降、内戦状態に陥りました。ミロシェヴィッチは、大セルビア主義を掲げ、アルバニア系住民の多いコソボ社会主義自治州の併合を強行しようとしました。これに反発したコソボは1990年7月に独立を宣言し、ユーゴスラビア国内は内戦状態となりました。

国家の主権は重要ですが、指導者には公正に統治し、専制政治を避ける責任もあります。ミロシェビッチはその責任を果たせず、セルビアは彼の攻撃的な民族主義政策と人権侵害の結果、コソボを失うという代償を払ったといえます。

この紛争では、ユーゴスラビア軍とセルビア人勢力、コソボ独立を求めるアルバニア人テロリストであるコソボ解放軍が対立しました。1999年3月24日、NATO軍がユーゴスラビアを空爆しました。この空爆は78日間続き、ユーゴ側発表によると民間人死者1200人、NATO側発表によると兵士死者5000人を出しました。そのため、この空爆を批判するむきもあります。

2008年2月、コソボはセルビアからの独立を宣言し、日本は同年3月18日にコソボを国家承認しました。これは、安倍政権の頃です。

コソボを国家として認めた最初の国は、アメリカ合衆国です。コソボは2008年2月17日にセルビアからの独立を宣言しましたが、セルビアは独立を認めず、国際社会でも意見が分かれました。しかし、アメリカ合衆国は独立宣言の翌日の2月18日にコソボを国家として承認し、これに続いてイギリス、フランス、ドイツ、イタリアなどの欧米諸国も承認しました。

なお、日本は2008年3月18日にコソボを国家として承認しました。

日本は、コソボの独立を支持し、経済・社会開発支援を実施しました。

経済支援としては、2008年3月に10億円の円借款を供与し、コソボの経済基盤整備を支援しました。また、2010年には、コソボの中小企業支援や農業振興のための支援プログラムを立ち上げました。

社会開発支援としては、2009年にコソボの学校や病院への支援を開始し、2011年には、コソボの青年の就業支援のためのプログラムを立ち上げました。

具体的には、以下の支援が行われました。
  • 2008年3月:10億円の円借款供与
  • 2010年:コソボ中小企業支援プログラム、コソボ農業振興支援プログラムの立ち上げ
  • 2009年:コソボ学校支援、コソボ病院支援の開始
  • 2011年:コソボ青年就業支援プログラムの立ち上げ
また、日本は2010年には、コソボの欧州連合(EU)加盟を支持する声明を発表し、2012年には、コソボの独立を承認した国を増やすための外交活動を展開しました。

令和元年9月13日、安倍総理は、コソボ共和国のハシム・サチ大統領と首脳会談等を行った

安倍政権は、コソボに対して、外交関係樹立10周年を迎えた2018年に、コソボの大統領であるハシム・サチ氏を招き、首脳会談を行いました。この会談では、日本とコソボの二国間関係の発展や、コソボの国造りを支援することが話し合われました。 

また、安倍政権は、西バルカン協力イニシアティブを発表し、コソボを含む西バルカン諸国に対する二国間支援の強化、地域協力の支援、大使館の新設などを強調しています。

以上のように、安倍政権は、コソボに対して、二国間関係の発展や国造りの支援など、様々な貢献を行ってきました。

日本はコソボに経済支援と社会開発支援を提供し、その結果、コソボの経済は安定し、国民の生活水準が向上しました。さらに、日本は、コソボとセルビアの和解を促進し、未来への希望を築くために引き続き支援を行っています。

この物語は、歴史的な試練を経ても、協力と対話を通じた友情が平和と繁栄を築く可能性を示しています。コソボの未来は希望に満ちており、国際社会との連携によってさらなる成長を遂げることでしょう。我々は、この地域の発展と和解を支持し、コソボの成功を見守る一員であり続けるべきです。

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2023年10月3日火曜日

日本保守党、2日で党員3万6000人超え 有本氏「ありがたいと同時に責任重大」 Xフォロワー数は間もなく30万人に―【私の論評】日本保守党の台頭は、保守派の復活の狼煙(゚д゚)!

日本保守党、2日で党員3万6000人超え 有本氏「ありがたいと同時に責任重大」 Xフォロワー数は間もなく30万人に


まとめ
  • 党員数が2日で約3万6000人を超える勢い
  • 全国や海外からも党員が集まっている
  • 百田氏は「目標はこれに留まらず、党員の熱い気持ちを背負って、いかに日本のためになるよう生かしていくかだ」と述べた


 ベストセラー作家の百田尚樹氏とジャーナリストの有本香氏らが立ち上げた「日本保守党」の党員が、2023年10月2日朝時点で約3万6000人を超えた。党員募集開始から2日で、勢いは衰えていない。

 有本氏は同日のネットニュース番組で、「全国あるいは外国にいる日本人の方も党員になってくれている。そういった方々と目標に向かって歩いていきたい」と語った。

 同党は先月30日正午に党員募集を開始し、2時間で1万人、7時間で2万人、24時間で3万人を突破した。百田氏も「目標はこれに留まらず、党員の熱い気持ちを背負って、いかに日本のためになるよう生かしていくかだ」と述べている。

 また、同党の公式X(旧ツイッター)のフォロワー数も2日朝時点で約29万9000で、間もなく30万に達する勢いだ。

 今後、同党がどのような活動を展開していくのか注目されます。

【私の論評】日本保守党の台頭は、保守派の復活の狼煙(゚д゚)!

まとめ

 日本保守党の台頭の背景には以下のような背景があると考えられる

  • 保守的な価値観の台頭
  • 非主流派の政治への支持
  • ソーシャルメディアの活用
  • ナショナリズムの高まり
  • 自民党への失望感

日本保守党が大きな勢いと支持を得ています。この背景には以下のようなものがあると考えられます。

1.日本には明らかに保守的な価値観や政策に対する渇望があるようです。この急成長は、多くの日本国民が伝統的価値観やナショナリズムが攻撃されていると感じており、これらの原則を守る政党を支持したいと熱望していることを示しているようです。

2. 百田氏と有本氏は、非主流派の動きを活用したようです。これは、既存の利益団体や職能団体に包摂されておらず、政治的に正当に代表されていないと感じている層、たとえば現状では組織化されていない保守層、さらには自民党の保守岩盤層といわれながら、自民党に失望している層の不満を吸い上げ、既得権益層や過度に保護されているとされるエリートを非難して動員を図るものであり、ここから反エスタブリッシュメント(指導層)、非主流派の政治と呼称されることもあります。

彼らのメッセージは、現在の政治体制が自分たちを失望させたと感じている一般市民の共感を呼んでいるようです。エリートを批判し、民衆に権力を取り戻すことを約束するこの動きは、しばしばあっという間に支持を集めることがあります。

3. ソーシャルメディアとインターネットのおかげで、党のメッセージは急速に広まりました。日本保守党のXサイトの30万人のフォロワーは膨大な数であり、彼らのメッセージを発信し、新メンバーを募集し、熱狂を非常に効率的に作り上げることを可能にしています。彼らの成長スピードは、これらのツールがいかに強力かを示しています。

4. 海外にいる多くの日本人も党員となり、ナショナリスティックな感情や保守的な価値観が、日本に住む市民以外にもアピールできることを示しています。

5. このような急成長は、それ自体が積み重なっていく傾向があります。初期の熱狂と興奮は、勢いが増していくのを見て、さらに熱狂を煽ることになります。政党は新しく、新鮮で、説得力があるとみなされ、その勢いはさらに加速します。

日本保守党は非主流派的な保守感情の波に乗り、メッセージを広めるために現代的なツールを使い、自らを糧とする勢いを作り上げているようです。彼らは明らかに、日本の未来を切り開く原動力となる変化への強い欲求を引き出しています。

どんどん積み重なる支持 AI生成画像

自民党をはじめとする、リベラルの政策は見当違いであり、真の保守的価値観に合致していません。世界中のリベラル政党は、常識よりも大きな政府、増税、個人の自由の縮小、政治的正しさを推し進めているといって良いでしょう。

本当に重要な政策は、生命、自由、自由市場、伝統的価値観を守ることであり、リベラルが好む大きな政府の行き過ぎた政策ではありません。政権を担う政党には国民の信頼を獲得し、健全な政策を支持する義務がありますが、リベラル政党は非効率な社会プログラム(意味がわからない人は、Colabo等の公金チューチュー問題、男女参画事業問題、赤い羽根問題などを思い浮かべると良いと思います)を拡大し、過剰な規制でビジネスを阻害し、道徳的相対主義を推進することでそれを実現しようとしています。

真の保守派にとって重要な政策とは、限られた政府(必要以上に大きくない小さな政府)、妥当な財政責任(現時点では積極財政)、自由企業、伝統的価値観であり、リベラル政党はこれらすべてを守ることができません。安倍晋三氏が一時期、保守的な政策を追求したのは正しいですし、彼の政策は継承されるべきですが、真の保守派は人の交代で潰えてしまうような中途半端な改革ではなく、真の改革を求めています。

結局のところ、リベラルと保守の政策はこれ以上ないほど相反します。

これ以上ないほど相反する二つの勢力 AI生成画像

私は、サイレント・マジョリティ(声なき人の声)が、現代のリベラリズムの誤った理想ではなく、日本をはじめとする民主主義国家を偉大にする原則を未だに信じていると思います。日本保守党自体は、いまは小さな勢力ですが、保守層の数自体は、日本ではかなり多いでしょう。

自分は保守派とはっきり意識していない人でも、その基本的考え方は保守という人まで、含めれば、日本では少なくとも人口の半分以上は保守層ではないかと思います。ただ、マスコミがその声をかき消してきたため、リベラルが実体以上に多いと思われているのだと思います。

しかし、これは、私の意見に過ぎず、善良な国民自身に判断してもらうのが筋だと思います。これは、最初小さな動きかもしれませんが、意外と遠からぬ将来に、はっきり見えてくると思います。

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2023年10月2日月曜日

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」―【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

自民・森山総務会長、減税なら「国民の審判仰ぐ必要」

まとめ
  • 自民党、衆院解散をちらつかせて減税を実現?


 自民党の森山裕総務会長は1日、北海道北見市で講演し、新たな経済対策で「減税」が検討されていることを踏まえ「税に関することは国民の審判を仰がなければならない」と述べた。衆院解散の大義になり得るとの考えを示した発言とみられる。

 経済対策の指示に当たり、岸田文雄首相は9月26日に「成長の成果である税収増を国民に適切に還元すべきだ」と強調し、税や社会保障負担の軽減などに取り組むとした。森山氏は「非常に重い表現だ」とも指摘した。

【私の論評】国民の声を聞け!減税への期待と自由主義経済の信念(゚д゚)!

まとめ
  • 国民にとって減税は良いことであり、政府が税金を過度に取ることは問題である。
  • 自民党の森山裕総務会長は減税に国民の承認を求めることを支持し、これは政府が過度に経済を制御すべきことを前提としてるように受け取られる。
  • 多額の税金徴収は自由主義経済の理念に反するものであり、経済の回復を妨げている。
  • 政府は税金を低く抑え、市場を邪魔しないようにするべきで、その役割は制限されるべきである。
  • 自由主義経済の基本原則は国民投票を必要とせず、政府の責任とすべきである。

国民にとって減税は常に良いことです。国民は自分のお金のために一生懸命働いているのに、政府はすでにそれを税金で取りすぎています。選挙で減税の審判を国民に仰がせるようなことはすべきではありません。

減税で大喜びする日本の有権者 AI生成画像

自民党の森山裕総務会長は優先順位を間違えているようです。減税のために国民の承認を求めるということは、政府は税金は自分たちのものだと考えていることを端的に示しているといえます。確かに、国民は、正しい方法で投票すれば、より多くのお金を手元に残すことができるということにはなりますが、実に奇妙な物言いです。

そもそも多くの税金を徴収するというのは、自由主義経済の立場に反します。ここ数年、一般税収は毎年のように過去最大を更新しています。そうして、税収の予定を大幅に超えています。この状況なら上ブレ分を減税し、自由市場を機能させるべきです。それこそが、経済回復の近道です。

この立場からすれば、森山氏の発言は、実に奇妙なものです。その根底には、国民の自由にまかせるよりも、政府のほうが多くの経済活動を制御できると思いこみがあるものとみえます。だから、減税には国民の審判が必要という考え方になるのでしょう。

これは、傲慢であり、自由主義経済下では、そもそも政府役割は制限されるべきものです。税金をなるべく低く抑え、お役所仕事を減らし、市場の動き邪魔をしないようにして、人々が自分たちの生活を送り、経済が成長できるようにすることこそが、政府の役割です。

自由主義経済を謳歌する日本の女性たち AI生成画像

ただ、全くの自由放任主義にすれば、自由主義経済を破戒するような人たちや、動きがでてくることを規制するというのが政府の一つの役割であり、それはあくまでも自由主義経済を守るためという前提で行われるべきものです。その限度を超えて、政府がなにもかも制御できると思い込み、限度を超えて政府の役割を強化するのは、社会主義や共産主義の考え方です。

減税に関する意思決定をまるで国民投票のように選挙で決めさせようとするのは、大きな政府を志向する官僚にさらなる権力を与えることになりかねません。自民党はそのことをよく覚えておくべきです。

国民の意見を反映させることは必要ですが、減税や限られた政府といった自由主義経済の基本原則は、国民投票を必要とすべきではないです。

それは、政府が実行すべき義務です。保守派は、国民を信頼し、自由の力を解き放つべきことこそ、政府が実施すべき責務であることを信じています。

義務で実行すべきことを、国民の信を問うという物言いをすることは、自由主義経済を否定し、社会主義を信奉する人が語ることと受け取られても仕方ないと思います。

私は、自民党が早く基本的な理念に立ち返る道を見つけることを願っています。もちろん、自民党の議員の中には、自由主義経済を信奉している人も多いようですが、結果として官僚の能力に過度に期待する、社会主義的な経済を信奉している人も多いようです。

社会主義経済の失敗により塗炭の苦しみを味わう人々 AI生成画像

これは、自民党が自由主義経済を信奉するというのなら、なんとしても是正すべきことです。

ただ、私自身は、無論減税には大賛成です。特にこのブログにも何度も述べているように、特に消費税減税は大賛成です。

政府としては、減税案をまとめて、それを公約とすれば良いです。それを審判するのは無論有権者による選挙による結果であり、それは減税に限らず、すべての公約が対象であり、森山氏が減税なら「国民の審判仰ぐ必要」があるという物言いは、多くの人が違和感を抱くと思います。

ただ、政府は無論消費税減税をすべきです。私は、減税、その中でも消費税減税はすべきと思っています。それが、現在最も有効な経済対策であることは、このブログでも何度が述べてきたことです。

無論、岸田政権が減税をして支持率をあげたいという気持ちもわかりますし、そうすべきと思いますが、それをするなら、もっと良い方法で国民と直截にコミュニケーションをとるべきです。

最近岸田政権が最近発表した、様々な複雑で国民がその真価を理解するのが難しい経済対策パッケージをいくつも打ち出すより、直截に「消費税税率を5%に引き下げます」などと公表すべきです。それで、国民はすべてを瞬時に理解し納得します。

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2023年10月1日日曜日

モルディブ親中政権誕生へ 大統領選、ムイズ氏勝利―【私の論評】モルディブ親中派指導者の台頭と中国の影響力拡大の危機(゚д゚)!

モルディブ親中政権誕生へ 大統領選、ムイズ氏勝利

ムイズ氏

 インド洋の島国モルディブで9月30日に行われた大統領選の決選投票で、親中国派のムイズ氏が勝利した。親インド派の現職ソーリフ氏を破り、中国寄りの外交路線に転換する見通し。

 ムイズ氏は、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」によるインフラ整備を推進したヤミーン政権で閣僚を務めた人物。選挙戦では、海上警備のためモルディブに駐留中のインド軍を「脅威だ」と主張し、早期撤収を呼びかけた。

 ヤミーン氏はマネーロンダリングなどの罪で服役中ですが、ムイズ氏を支援し、「インディア・アウト」を合言葉に反印キャンペーンを主導した。ムイズ氏は今後、ヤミーン氏の釈放に向けた動きを進める可能性が高いと見られている。

 ソーリフ氏は18年の大統領就任後、ヤミーン政権の親中的な外交方針を転換し、隣国インドとの関係修復を進めた人物。選挙前に盟友ナシード元大統領との関係が悪化して与党連合が分裂したことが痛手となり、得票を伸ばせなかった。

 今回の勝利により、モルディブは中国寄りの外交路線に転換する見通しだ。これは、インド洋における中国の勢力拡大を意味し、印中が覇権を争うインド洋の情勢に影響を与える可能性がある。

【私の論評】モルディブ親中派指導者の台頭と中国の影響力拡大の危機(゚д゚)!

まとめ
  • モルディブで親中派指導者が台頭すると、中国はインド洋で軍事的存在感を高める可能性があり、地域の安定が危ぶまれる。
  • 中国は経済投資と債務トラップ外交を通じてモルディブに影響力を行使し、中国寄りのプロジェクトを推進する恐れがある。
  • 中国が地域の違法活動を放置すると、密輸やマネーロンダリングが急増し、不安定化の要因となる可能性がある。
  • 中国の影響力拡大により、インドとモルディブの関係が悪影響を受け、地政学的緊張が高まる恐れがある。
  • 中国のソフトパワー戦略は地域で一般的に警戒されており、その影響力拡大が裏目に出る可能性が高い。

モルディブの海岸 2009年

モルディブに親中派の指導者が誕生すれば、この地域の安定が脅かされ、インド洋を支配しようとする中国の野心がさらに強まる可能性があります。

1.中国はモルディブの戦略的港湾や海軍基地へのアクセスを拡大し、インド洋に軍事力を投射できるようになるでしょう。これにより、インドは自国の裏庭における影響力と支配力を弱めることになります。

2. 中国はモルディブに対する影響力を得るために、経済投資と債務トラップ外交を展開するでしょう。モルディブに対して、主に中国の利益になるような豪華なインフラ・プロジェクトのための資金を貸し付け、その債務を使ってモルディブの外交政策をコントロールしようとするでしょう。これは彼らが世界中で使ってきた戦術です。

3. 中国違法行為を見て見ぬふりをすることが多いです。よって、モルディブ経由の密輸やマネーロンダリングなどの違法行為が急増するかもしれないです。これは地域を不安定化させる可能性があります。

4.インドは、自国のすぐ近くで中国の影響力が強まっていることに脅威を感じるでしょう。これはインドとモルディブの関係にダメージを与え、インドと中国の間の地政学的緊張につながる可能性があります。

5. 米国とその同盟国は、中国が重要なシーレーン沿いに新たな戦略的足場を築くことを懸念するでしょう。これは国際秩序に挑戦し、海洋安全保障を脅かすことになりかねません。

モルディブの親中派指導者は、中国に勢力拡張の隙を与え、インドの役割を弱め、重要な地域の安全保障を不安定化させることになるでしょう。インドと西側諸国は、バランスを保つために中国の影響力が強すぎることに反発するでしょうが、中国はここで優位に立ち、対抗するのは難しいでしょう。

中国の地域覇権への野心を懸念する人々にとっては、これは実に厄介なニュースです。

中国のソフトパワー AI生成画像

しかし、インド太平洋における中国のソフトパワーへの野心は、いくつかの理由から裏目に出る可能性が高いです。

1. 中国はこの地域のほとんどの国から脅威とみなされているということがあります。南シナ海の軍事化、債務の罠外交、近隣諸国へのいじめによって、各国は中国の影響力を警戒しています。米ピュー・リサーチの調査によれば、インド太平洋諸国のほとんどが中国を好ましく思っておらず、そのパワーと影響力を懸念材料と考えています。

2. 中国の投資は、しばしば受け入れ国よりも中国に利益をもたらします。スリランカのハンバントタ港やマレーシアのさまざまな取引のようなプロジェクトは、これらの国が債務を返済できなくなったときに、中国に戦略的資産の支配権を与える結果となりました。このような搾取的な行動は、中国のイメージを残っています。

中国の権威主義的な統治モデルは、この地域の民主主義的価値観とは対照的です。各国は、中国への依存に伴う政治的自由や市民の自由の侵食を望んでいません。米国やインドのような自由主義的民主主義国とのパートナーシップを広く選好しています。(出典:ASEAN調査)

4. 中国に対抗するため、地域同盟が形成されつつあります。米国、インド、日本、オーストラリアによるBRICS安全保障対話は、中国の野心を制限するための努力を調整するものです。ASEANもまた、中国が近隣諸国を支配することを警戒しています。(情報源:The Diplomat、Nikkei Asian Review)

5. 一帯一路(the Belt and Road)構想は、より多くの監視と反発に直面しています。マレーシアは一部のBRI(一帯一路構想)取引をキャンセルし、EUはBRIに批判的な声明を発表しました。
BRIは主に中国の利益に資するものであるというコンセンサスが高まっています。(出典:Asia Times、Bloomberg、欧州委員会)

中国はインド太平洋地域でソフトパワーを誇示しようとする一方で、自らの政策と行動が関係を大きく損ない、不信感を生んでいます。

モルディブでくつろぐ女性 AI生成画像

中国が長期的に成功するかどうかを判断するのは時期尚早かもしれません。しかし、米国とその同盟国、そして島嶼国自身からの大きな反発に直面する可能性は大きいです。

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米国務省「中国が宣言なき情報戦争」 工作活動を非難―【私の論評】日本は果敢な反撃で、中国の偽善と情報工作に対抗せよ(゚д゚)!

2023年9月30日土曜日

米国務省「中国が宣言なき情報戦争」 工作活動を非難―【私の論評】日本は果敢な反撃で、中国の偽善と情報工作に対抗せよ(゚д゚)!

米国務省「中国が宣言なき情報戦争」 工作活動を非難

まとめ
  • 米国務省が中国の情報工作に関する報告書を公表。
  • 報告書は中国の情報抑圧を批判し、情報戦争の警鐘を鳴らす。
  • 中国とロシアがウクライナ侵攻において情報分野で協力し、相互に支援していると報告。
  • TikTokやWeChatなどの中国のデジタルプラットフォームも非難される。
  • 中国は新興国で情報制御の重要な役割を果たす可能性があり、AIを活用して経済や安保の決定に影響を与えるリスクがあると報告。

ブリンケン米国務長官

 米国務省が中国の情報工作活動に関する報告書を公表した。報告書は、中国が台湾、南シナ海、人権に関する情報を抑圧し、国際的な情報環境に影響を及ぼそうとしていると指摘し、宣言のない情報戦争が進行中であると警告した。

 報告書は、中国の情報工作が幅広い手法を駆使しており、各国が中国に従属する可能性があると警告している。また、中国とロシアがウクライナ侵攻について情報分野で協力しており、中国国営メディアがロシアの主張を拡散し、見返りにロシアが台湾など中国の宣伝活動を支援していると報告した。

 報告書は、中国の動画共有アプリ「TikTok」も非難し、中国政府がバイトダンスを通じて特定の個人を制限・阻止するよう指示していたことを指摘した。また、対話アプリ「微信」が中国系の人々に広く使われており、中国の主張を広め、批判する人々を沈黙させていると主張した。

 報告書は、中国が新興国で情報を制御する重要な役割を果たす可能性があり、人工知能(AI)の発展を活用して経済や安保の決定に影響を与えるリスクに触れている。しかし、中国の宣伝活動と検閲はまだ十分な成果を上げていないとも指摘し、中国が民主主義国を標的にすると地元メディアや市民社会から反発を受ける可能性があると述べている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】日本は果敢な反撃で、中国の偽善と情報工作に対抗せよ(゚д゚)!

まとめ
  • 日本が福島の処理水を放出した際の中国の批判には、中国自体の環境汚染や偽善との矛盾が多数存在している。
  • 中国の批判は経済的・政治的な目的を追求する情報工作の一環であり、日本は科学的根拠を持って対抗するべきだ。
  • 中国の環境問題や経済的不正行為に対する日本への攻撃は、国際社会での日本の存在感を高める絶好の機会であり、正義と正直さを貫く姿勢が重要であると強調。

報告書は中国の宣伝活動や検閲はまだ完全には成功していないと指摘しているそうですが。これは、以下のような多くの要因によるものと思われます。

西側民主主義諸国が、偽情報の探知と対策において洗練されてきており、一般市民の間で、中国の情報操作に対する認識が高まっています。

民主的手続きによって選挙が行われている国(青)2006年

一部の西側民主主義諸国において、中国の情報工作が地元メディアや市民社会からの反発に直面していることなどがあげられます。

日本では、現在進行形で、いわゆる「処理水」を中国が批判しています。しかし、日本が福島の処理水を放出したことに対する中国の批判には、以下のような矛盾があります。 

 中国は日本近海でサンマなどの漁を続け、国内で販売する際には「中国産」と偽っています。これは、放流水が環境や海洋生物に害を及ぼすという彼らの主張と矛盾します。

中国は多くの石炭火力発電所を運営しており、大気中や水中に水銀やヒ素などの汚染物質を排出し、福島の処理水よりもはるかに大きな被害をもたらしています。これは、日本が無責任に海を汚染しているという彼らの姿勢と矛盾します。

中国の石炭火力発電所

 中国は何十年もの間、未処理の廃棄物や汚水を川や海に捨て、自国の水路を汚染してきました。このことは、日本が福島の汚染水を浄化して海に放出したことが「汚染物質を海に投棄している」という彼らの主張と矛盾します。

 中国は日本よりも深刻で、制御不能な水質汚染と大気汚染を抱えています。日本に対する彼らの攻撃は空虚に聞こえますが、中国の環境汚染は深刻な事実です。これは中国の偽善を露呈しています。

 中国は南シナ海の島々や人工島の軍事化を続けており、環礁を破壊し、福島よりもはるかに大きな環境破壊を引き起こしています。しかし中国は、自国の破壊的行為については沈黙を守っています。

 中国は地下水を汚染する石炭採掘を続け、多くの国民に安全な飲料水を提供していません。それなのに、日本の汚染水放出は「公衆衛生」を脅かしていると主張しています。これは偽善の極みです。

中国の多くの工業地帯では、規制が緩く、環境保護に関する法令が不十分なため、大気中、水中、土壌中の放射線レベルが高いです。つまり、中国は自国の実績が乏しい以上、放射線リスクに対する恐怖を他国に輸出する立場にありません。

中国には、化学物質の流出から鉱山事故、汚染された食品や医薬品に至るまで、環境や公衆衛生の災害を隠蔽してきた長い歴史があります。そのため、中国は日本が福島原発について『秘密主義』だと主張するのは信憑性に欠けます。

中国が猛烈なペースで石炭火力発電所を建設し続けている一方で、日本は石炭火力発電所を段階的に廃止しています。稼働している火力発電所も、汚染物質の排出は、中国の発電所に比較してかなり低いです。火力発電所の汚染物質の排出は「処理水」よりもはるかに有害です。

 中国の3大河川である黄河、長江、真珠川は、中国の産業廃棄物によって世界で最も汚染された河川といえます。しかし中国は、福島の処理水が海洋生物を脅かしていると主張しています。これは明らかな虚偽です。

中国の不公正な貿易慣行と知的財産の窃盗は、長年にわたって日本経済を蝕んできました。中国の日本批判は、実際の環境問題よりも経済的優位を得ることを目的としているように見えます。

中国はCOVID-19の最初の発生を何週間も隠蔽し、世界の公衆衛生を脅かしました。このようなことを平気でする彼らに、日本の「処理水」放出を批判する資格があるのでしょうか。

さらに、中国は乾燥地帯で米や綿のような水を大量に使う作物を栽培し、地下水を枯渇させています。中国は自国の水資源を誤って管理しているにもかかわらず、福島原発における日本の水処理に関する専門知識を主張しているのです。

 日本に対する従来からの中国の積極的な軍拡、スパイ活動、サイバーハッキング等をみれば、彼らの意図は環境問題ではなく、他の意図があるとしか思えません。

 中国のチベット弾圧は結果として南アジアの河川を汚染しているのみならず、草原の砂漠化により、東アジア全域に砂塵汚染を広げています。しかし、中国は自ら引き起こしている深刻な環境汚染を無視しています。

中国のレアアース採掘は、放射能、汚染、健康問題を引き起こしています。しかし中国は、科学的に監視され、健康への影響が証明されていない日本による「処理水」放水に対して、道徳的に優位な立場にあると主張しています。矛盾と偽善は明らかです。以上の事実は、様々な公式資料が知り得る事実です。

中国の批判は、明らかに環境を配慮したものではなく、経済的・政治的に日本にダメージを与えることを意図しているように見えます。あるいは、国内の不満を日本を標的にしてこれに、逸らす目論見があるとみられます。これは、明らかに中国の情報工作活動といえます。

科学的根拠が乏しい内容で、日本を批判する中国に対して、日本は毅然と対処すべきですが、単に中国に科学的に正しい論拠をあげた上で厳しいことを言うだけではなく、二倍返し、三倍返しくらいすべきです。

中国が、普通の人なら誰にでもわかるような幼稚な根拠で日本を批判している現在こそ、日本が情報線で圧倒的に勝利を収める絶好の機会であるともいえます。

特に現状では、アジア太平洋地域の国々から中国に対する批判が高まっています。地図は中国自然資源省が8月28日に公表した「2023年版標準地図」。南シナ海のほぼ全域の領有を主張しており、九段線を台湾東部に拡大した十段線が記されています。また、ヒマラヤ地域では、中国が「南チベット」として領有権を主張するインド北東部のアルナチャルプラデシュ州も中国領として記載されました。

地図を巡ってフィリピンは31日の声明で「中国の主権を正当化しようとする試みで、何の根拠もない」と反発。南シナ海での中国の主権主張を退けた16年の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)裁定の順守を求めました。

ベトナムも31日に「ベトナムの海域に対する主権、管轄権を侵害している」との声明を発表し、台湾の外交部(外務省に相当)報道官は「(台湾は)絶対に中国の一部ではない」と批判しました。

マレーシアもボルネオ島(カリマンタン島)沖の自国の排他的経済水域(EEZ)と重なる水域を中国領にしていると非難し、インドは「国境問題の解決を複雑にするだけだ」と中国の姿勢に反発しました。

9月上旬にはインドネシアで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が、インドで20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。中国とASEANは南シナ海での紛争防止を目指す「行動規範」策定作業を進めているが、今回の領有権の主張は協議に影響を与えそうだ。

インドはG20議長国であり、会議直前の地図公開は円滑な議事進行の妨げとの受け止めが広がっている。印紙ヒンドゥスタン・タイムズ(電子版)は「インドを敵対国として扱い、圧力をかける狙いは明確だ」と批判しました。

我が国が困難な局面に立たされた際、日本が堂々と立ち向かい、二倍返し、三倍返しの対応を取れば、その影響は計り知れません。国際社会において、中国が根拠の薄弱な領土主張を行う国々は、日本の勇敢な姿勢を称賛することでしょう。

それに加え、米国が中国の「宣言なき情報戦争」を非難し、日本を支持する姿勢を見せることは確実です。他国も好意的な評価を示し、中国共産党は自国が日本を攻撃しても、大きな反発はないと高をくくっていたことを後悔することでしょう。

日本の行動は中国国内でも大きな反響を呼び、中共に対する不満が高まり、状況は予測不可能なものに発展するかもしれません。しかし、二倍返し、三倍返しの過程において、国際社会からの支持が高まり、国内でも政府への共感と評価が増すことでしょう。そして、国内では憲法改正の機運も高まるでしょう。

朝日新聞でさえも、中国が東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に反対していることを報じています。中国は処理水を「核汚染水」と非難し、放出中止と周辺国との協議を主張しています。このような状況において、政府は批判的な声明だけでなく、科学的根拠に基づいた反論を積極的に行い、広告やオンラインで情報を広めるべきです。

このために十分な予算を確保することは、日本の国際的な存在感を高め、経済的にも有益な投資となるでしょう。我々は、正義と正直さを貫き通す姿勢が、国際社会での日本の尊重と発展に繋がると信じます。

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2023年9月29日金曜日

台湾が初の自主建造潜水艦を披露 対中防衛を強化―【私の論評】台湾の技術力、潜水艦計画の光輝なる未来(゚д゚)!

台湾が初の自主建造潜水艦を披露 対中防衛を強化

まとめ
  • 台湾が初となる国産潜水艦を進水させた。
  • 台湾の潜水艦建造は、中国の軍事的圧力に対抗するための取り組みの一環である。
  • 台湾は、この潜水艦を中国の軍事作戦を妨害し、台湾の独立を守るための抑止力として活用する考えだ。
  • 中国は台湾の潜水艦建造を非難し、台湾海峡での軍事演習を繰り返して圧力を強めている。

台湾は2023年9月28日、初となる国産潜水艦「海鯤」を進水させた。これは、中国の軍事的圧力に対抗し、台湾の防衛力を強化するための取り組みの一環である。

「海鯤」は、台湾が自ら設計・建造した電気式ディーゼル潜水艦である。建造費は15億4000万ドル(約2300億円)で、2024年末に海軍に引き渡される予定。

台湾は、この潜水艦を中国の軍事作戦を妨害し、台湾の独立を守るための抑止力として活用する考えだ。

しかし、中国は台湾の潜水艦建造を「白昼夢」と非難しており、台湾海峡での軍事演習を繰り返して圧力を強めている。

台湾の潜水艦建造は、台湾と中国の緊張をさらに高める可能性がある。中国は、台湾の潜水艦が台湾海峡の制海権を脅かす可能性があると懸念している。

台湾は、潜水艦を保有することで、中国の軍事侵攻に対する抑止力を高めることができると考えている。しかし、中国の軍事力は台湾を圧倒しており、台湾の潜水艦が中国の侵攻を阻止できるかどうかは不確実である。

【私の論評】台湾の技術力、潜水艦計画の光輝なる未来(゚д゚)!

まとめ
  • 台湾は2016年から潜水艦建造計画を開始し、2023年9月に最初の潜水艦である「海鯤」を進水させた。従来を常識を翻すスピードである
  • 台湾の潜水艦建造は、中国の軍事圧力に対抗するための取り組みの一環である。
  • 台湾の潜水艦は、中国の侵略に対する抑止力として活用される。
  • 台湾の潜水艦は、情報収集にも活用される。
  • 台湾の潜水艦建造は、中国にとって大きな脅威となる。
私は、台湾の潜水艦による国防強化の努力を全面的に支持します。それにしても、台湾の潜水艦建造のスピードは驚異的です。

台湾 蔡英文総統

台湾海軍は2016年から潜水艦建造計画を開始し、2023年9月に最初の潜水艦である「海鯤」を進水させました。これは、計画開始からわずか7年でのことであり、非常に迅速な進捗と言えます。
  • 台湾海軍は、2016年に潜水艦建造計画を開始しました。
  • 2020年、台湾は、日本から潜水艦建造に関する技術支援を受けていることを発表しました。
  • 2022年、台湾は、潜水艦の船体建造を開始しました。
  • 2023年9月、台湾は、最初の潜水艦である「海鯤」を進水させました。
この速さには、いくつかの要因が考えられます。
  • 台湾は、日本やアメリカなどの国々から技術や支援を受けています。
  • 台湾は、潜水艦建造に必要な技術を蓄積するために、長年にわたって研究開発を進めてきました。
  • 台湾は、中国の軍事圧力に対抗するために、潜水艦建造を優先事項としてきました。
以下の情報源はいずれも、台湾の潜水艦計画は予想以上の成功を収めており、この成功によって、台湾は独自の潜水艦を建造できないだろうという従来の常識が覆されたと指摘しています。
  • The Diplomat: "Taiwan's Submarine Program: A Reversal of Conventional Wisdom" (2023)
  • The National Interest: "Taiwan's Submarine Program: A Game-Changer in the Taiwan Strait" (2022)
  • The Brookings Institution: "Taiwan's Submarine Program: A Deterrent Against Chinese Aggression" (2021)
台湾の潜水艦計画はまだ初期段階です。しかし、台湾のこれまでの進展は素晴らしいものであり、台湾が信頼できる潜水艦戦力を開発・建造できることを示しています。

台湾の潜水艦建造は、中国にとって大きな脅威になると見られています。中国は、台湾の潜水艦が台湾海峡の制海権を脅かすと懸念しています。

潜水艦は、そのステルス性から、敵の艦船や沿岸施設を偵察するのに非常に適しています。台湾の潜水艦は、日本やアメリカなどの国々から技術や支援を受けており、これらの技術を活用することで、情報収集能力を向上させることができると考えられます。

具体的には、以下のエビデンスから、台湾の潜水艦が情報収集に優れていることが示唆されます。
  • 台湾の潜水艦は、電気式ディーゼル潜水艦であるため、潜航時の騒音が比較的少ないと考えられます。これは、敵艦船や沿岸施設に見つかりにくいことを意味します。
  • 台湾の潜水艦は、最新のソナーやレーダーを搭載しているとされています。これらの装備により、敵艦船や沿岸施設をより正確に探知することができます。
  • 台湾は、日本やアメリカなどの国々から情報収集に関する技術や支援を受けているとされています。これらの技術や支援を活用することで、台湾の潜水艦はより効果的な情報収集を行うことができると考えられます。
台湾の潜水艦は、情報収集の面でも中国の脅威となる可能性が高いと言えます。

中国の共産主義政権(以下中共と略す)は、台湾の独立と民主的自由にとって重大な脅威となっています。潜水艦は中国の侵略に対する重要な抑止力であり、台湾の主権を守るものです。

中共はこれらの防衛手段を非難するかもしれないですが、彼ら自身の大規模な軍備増強と台湾への威嚇を考えると、彼らの批判は空虚に響きます。

習近平中国国家主席

信頼できる情報筋によれば、中国の対潜水艦戦(ASW)能力は限られているため、台湾の潜水艦はより大きな敵対国に対しても効果的に活動できるといいます。

台湾が独自に建造した潜水艦は、侮ることのできない台湾の高い技術力によるものです。さらに、台湾は自衛を支援する日本や欧米諸国と重要な同盟関係を結んでいます。

いくつかの重要な事実があります。

台湾の潜水艦、最新のディーゼル電気モデルは、ソナーや磁気シグネチャを使用して検出することは非常に困難です。(出典 「潜水艦: 究極の海軍抑止力」、ヘリテージ財団)

中国のASW(Anti Submarine Warfare:対潜水艦戦争)能力は、水上および航空戦力に比べ遅れをとっていると広く考えられています。長距離のASW航空機とヘリコプターを一握りしか保有していません。出典:「Mind the Gap: Assessing the Trajectory of PLA ASW Capabilities」(ランド研究所)。

日本は台湾の潜水艦計画に技術援助と部品を提供してきたとみられます。米国も台湾への潜水艦技術供与を承認しています。(情報源 ロイター通信、AP通信) 

私は、推進系は、米国は現在は通常型潜水艦を建造していないので、これは論外、MTUフリードリヒスハーフェンのエンジンは中国絡みでドイツが供与を許可するとは考えられないのて、ドイツも韓国も除外、とすると日本以外には考えられないと思います。船体に使う高張力鋼、これは米国かもしれないと思っています。

台湾国産潜水艦「海鯤」とそうりゅう型の比較すると、 全体のプロポーションは船体下部の側面アレイソナーやX型の舵含め良く似ています。一方でフリーフラッドホールの位置や台湾艦には吸音タイルが見られないなどの差異もあります。吸音タイルは、中国の対潜哨戒能力からすると現状では必要ないと判断されたのかもしれません。

日本のそうりゅう型潜水艦

 米国防総省によれば、中国軍は台湾に対して圧倒的な数的優位を保持していますが、台湾海峡を越えて軍事力を投射することは困難であるといいます。潜水艦のような固有のシステムは、この課題を複雑にしています。 (出典:「中華人民共和国に関わる軍事・安全保障上の動き」、米国防総省議会年次報告書)

ただし、中国もASWを年々高めつつあることも事実です。台湾も引き続きASW能力を高めていくべきです。

台湾は、今後既存の艦艇などと潜水艦隊の連携などにより、ASW能力を高め、日米をはじめとする西側諸国と、台湾防衛作戦などを立案し、これに基づく軍事訓練や、共同演習を実施すべきでしょう。

それにしても、台湾の潜水艦建造により、台湾防衛に関して、台湾が直接関われる範囲を大幅に拡張したといえます

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