2024年3月7日木曜日

実態解明できなかった政倫審 野党の追及では検察を超えられず…予算案通過は与党の思惑通り 水面下で「ポスト岸田」と解散が焦点に―【私の論評】岸田首相の責任論と衆院補選の行方:安倍政権の政策継承で政権安定への展望が開ける

 高橋洋一「日本の解き方」

実態解明できなかった政倫審 野党の追及では検察を超えられず…予算案通過は与党の思惑通り 水面下で「ポスト岸田」と解散が焦点に

まとめ
  • 2月29日と3月1日に開催された衆院政治倫理審査会は想定どおりに期待外れのものとなっている。政治に関連する事件では検察の追及が強力であるが、国会での野党議員の追及が検察の成果を上回ることは難しい。
  • キックバック再開の経緯については不透明で、安倍晋三元首相の指示にもかかわらず、その後復活した経緯が明らかにならなかった。
  • 二階派事務総長と武田良太元総務相の発言に矛盾が見られ、ノルマの決定に関して事務総長と事務局長の権限についての混乱が指摘されている。
  • 政倫審は、予算の成立という時間制約の下で行われたことや、審議自体が元々議員の弁明のために存在している。実態解明には至らず、「政治とカネ」の問題の抜本的解決にはなっていない。
  • 費用面上は、衆院補選や岸田文雄首相の国賓訪米も予定されているが、衆院解散やポスト岸田の選出に関する動きが水面下で進行している
マスコミは政倫審を実態解明の場であるかのように報じたが・・・・

 2月29日と3月1日に開催された衆院政治倫理審査会において、審査の結果や進行に関する検証が行われたが、期待されたほどの成果は得られなかった。政治に関わる問題では通常、検察の追及が強力な手段とされるが、これまでのところ国会議員3人のみが立件されており、野党による追及が検察を超えることは難しい。また、筆者が提案した「税務上の質問」にもあまり焦点が当てられなかった。

 特に注目を集めたのは、キックバック(還流)再開の経緯についての不透明さである。安倍晋三元首相がその停止を指示したはずなのに、その後死後に再び話が持ち上がった経緯が複数のジャーナリストから伝えられている。安倍氏主導の幹部会合で再開中止が決まり、それが所属議員にも連絡されたとの報告があるが、その後の再開に関する経緯がはっきりしないままである。

 7月8日に安倍氏が暗殺された後、再びキックバックの再開が議論されたが、具体的な結論は得られなかったとされる。武田良太元総務相が「パーティー券のノルマなどは事務局長が行っていた」と発言し、金子恵美元衆院議員は事務局長にはそのような権限はないはずと、驚きを表明するなど、事務総長と事務局長の権限についての混乱も浮き彫りになった。

 これらの質疑は一般の視聴者にとっても不透明で奇妙に映るものの、国会審議では解明が難しい状況となっている。さらに政倫審自体が、来年度予算案の衆院通過との交換条件として進行しており、実態解明に向かいにくい要因となっている。加えて、本来議員の弁明のために設けられた政倫審が、マスコミによって実態解明の場として報じられ、かつての「モリカケ」のような状況に陥っている。

 最終的に政倫審が衆院予算の通過と引き換えに行われ、政治的な動きが進展する中で、岸田文雄首相の国賓訪米や衆院補選が予定されており、ポスト岸田選びや衆院解散時期の検討が進展することが予想される。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は元記事をご覧ください。

【私の論評】岸田首相の責任論と衆院補選の行方:安倍政権の政策継承で政権安定への展望が開ける

まとめ
  • 4月28日に行われる衆院補選(東京15区、島根1区、長崎3区)で与党の負けが続けば岸田首相の責任論や退陣論が浮上する可能性がある。
  • 衆院東京15区補欠選挙では野党候補が乱立し、与党には都民ファーストの候補に相乗りする動きがあるものの、共倒れの可能性も指摘されている。
  • 岸田首相の在職日数が7日で886日となり、田中角栄元総理に並び、来月22日には在職932日で橋本龍太郎元総理に肩を並べることになる。
  • 第二次安倍政権の安倍首相は有力な総裁選候補とはいわず、消去法で選ばれたが、長期政権を築いた。岸田政権の安定には、安倍イズムの継承が必要。
  • 地震対策や経済政策を含む安倍政権の政策を継承・発展させる姿勢が、岸田首相の政権の安定と成功につながる可能性がある。
4月28日に行われる東京15区、島根1区、そして長崎3区の衆院補選の結果がひとつのタイミングになりそうです。与党が候補を全選挙区で立てるか否か未確定ですが、0勝2敗か0勝3敗か、いずれにせよ“勝てない”となると、岸田首相の責任論、退陣論に発展する可能性があります。

もっとも、東京15区では野党候補が乱立し、共倒れの可能性が指摘されています。一方の与党には都民ファーストの候補に相乗りする動きも見られるますが、いつ状況が変わるかも知れず、与党にとって楽観視できるものではないでしょう。
 
衆院東京15区補欠選挙(4月16日告示、28日投開票)で政治団体「日本保守党」から出馬するイスラム思想研究者の飯山陽氏が5日、産経新聞の取材に応じ、「今の政治家は日本を貧しく、弱くするような政治をしている。座視するのは忍びない」と述べ、「日本を豊かに強くする政策理念を掲げる日本保守党に共感した」と出馬の動機を語っています。

飯山陽氏(左)と百田尚樹氏(右)

ところで、岸田総理の在職日数が7日で886日となり、田中角栄元総理に並びました。戦後の総理大臣としては歴代9位タイとなりました。 岸田総理は6日夜、政権課題として震災対応や政治の信頼回復、賃上げなどを挙げたうえで「これからもその都度その都度、こうした課題に思いをめぐらし決断をしていく、こうした積み重ねが続いていくと思う」と語りました。 岸田総理の在職日数は、7日で戦後の総理大臣としては田中角栄元総理と並んで歴代9位タイとなりました。 来月22日には、在職932日の橋本龍太郎元総理に肩を並べます。

消去法で選ばれたリーダーは、意外にしぶといです。 本来は 「つなぎ」 のはずなのに、 「次」が簡単に現れないのが世の常だからです。 そこに幸運が加われば、 立場は堅固になります。 自民党の派閥解消という捨て身の賭けに出て当面の延命に成功した総理大臣 岸田文雄氏も、 この類のようです。 

以下に、消去法で選ばれた首相が長続きした例をあげます。

まずは佐藤栄作首相です。佐藤内閣は、昭和39年(1964年)に池田勇人首相の病気辞任を受けて発足しました。佐藤栄作氏が自由民主党の総裁に就任し、第5代総裁として首相に選出されたのが幕開けです。

中曽根康弘内閣は昭和57年(1982年)11月に、魅力的な総裁選挙を経て成立しました。鈴木善幸内閣の退陣後、自由民主党内での総裁選挙の結果、中曽根氏が第十一代総裁に選出されました。

中曽根康弘

ただ、このお二人の事例は、現在ではあまり参考にならないと思います。

やはり、参考にすべきは安倍首相でしょう。何と言っても、憲政史上最長の政権を築いたわけですから、これを参考にしないという手はありません。それに、安倍首相も、岸田氏以上に「消去法」で自民党総裁に選ばれたといえると思います。

第一次安倍政権は、安倍首相が病気で自ら辞任し、崩壊しました。そうした過去を持つ安倍氏による第二次安倍政権の誕生は、今から考えると奇跡と言っても良いようなものでした。大方の人は、第一次安倍政権の崩壊で、安倍氏の首相への返り咲きなどあり得ないと思っていたでしょう。

私自身も、実は第一次安倍政権のときには、あまり安倍首相を支持はしていませんでした。支持するようになったのは、第二次安倍政権がまともな経済対策を打ち出したからです。そうして、支持率を落としてまでも、安保法制の改正など実施を実行したことで、その支持はゆるぎないものになりました。

さらに、コロナ禍においては100兆円の需給ギャップが生じたといわれており、安倍政権では増税なしで、国債発行により賄うことを政治決断し、60兆円の補正予算を組みました。60兆円では少ないとも思ったのですが、増税なしということで、これもさらに安倍首相に対する支持を強めるものとなりました。

その後、安倍首相は辞任し、菅政権が成立しましたが、菅政権においては、40兆円の補正予算をこれも増税なしで、国債発行で賄う方式で組みました。これは、当然のことながら、安倍首相の政策を引き継いだものと思われます。これらの措置により、他国では、コロナ禍において失業率がかなり上昇しましたが、日本では失業率はあがることなく2%台で推移しました。

これで、さらに政治家としての安倍氏への支持は強まりました。

菅氏(左)と安倍氏(右)

これが多くの自民党保守岩盤層の本音でしょう。ただ、この支持が離れつつあるとみえます。であれば、岸田首相としては、安倍政権の政策を引き継ぐ政策を実施すべきでしょう。さらに、菅政権で補正予算40兆円を組んだように、安倍政権の政策を引き継ぐだけではなく、それを発展させるような政策を実行すべきでしょう。

その後、残念ながら、菅政権は崩壊し、安倍元首相は暗殺されてしまいました。しかし、岸田首相は、安倍イズムは継承できるはずです。

このブログでも以前掲載したように、能登半島地震の対策は、補正予算を組まず、予備費でまかなわれています。過去においては、政府はマグニチュード7以上の地震が発生した場合は、例外なく補正予算を組んでいます。

その理由は、マグニチュード7以上の地震が発生した場合、これに対応するためには予備費でもなんとかなるかもしれませんが、他の大きな自然災害が発生した場合には、予備費だけでは足りなくなる可能性があるからです。

しかも、高橋洋一氏などは、昨年時点で15〜16兆円の受給ギャップが存在していると主張しています。

だとすれば、20兆円程度の補正予算を組むべきです。これで、地震対策だけではなく、需給ギャップも埋められるはずです。そうして、これは無論、増税ではなく安倍首相のコロナ禍対策のように、国債を発行して賄うべきです。

これを皮切りに、安倍政権の政策を継承発展させていくようにするようにすれば、岸田政権の運営は安定する可能性があると思います。

私としては、岸田政権にはLGBT促進法案などを拙速に成立させたということで、到底許しがたいところもあるのですが、それにしても、現状では岸田政権が年度中にも崩壊すれば、現状では野党は脆弱で、自民党政権そのものは崩壊する可能性はない上に、次の総理は岸田首相よりもさらに駄目な首相になる確率が高く、何よりも、官僚機構やマスコミに岸田政権を潰したという実績を与えてしまい、ますます政治が混乱するように思われます。

少なくとも、もう一期くらいは、岸田政権が継続し、政治が比較的安定した状態で、次の展開が考えられるような状態になって欲しいと思います。

そのために、岸田首相には安倍政権の政策を継承する姿勢を強力に打ち出し、実行していただきたいものです。これを強力に打ち出せば積極財政派や保守派の議員たちが味方についてくれる可能性もあります。

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2024年3月6日水曜日

モルディブ、中国と「軍事援助」協定 インド軍撤収見据え、傾斜加速―【私の論評】インド洋における中国の影響力拡大と日本の安全保障上の懸念

モルディブ、中国と「軍事援助」協定 インド軍撤収見据え、傾斜加速

モルディブのムイズ大統領

 モルディブ国防省は4日、中国と軍事援助協定を結んだと発表した。これは親中派のムイズ大統領の下で中国への傾斜が加速しており、インド洋の要衝に位置するモルディブにおけるインドの影響力後退を示唆している。

 従来モルディブには80人を超えるインド兵が駐留していたが、ムイズ氏は彼らの撤収を明言し、当初3月15日とされていた期限が5月10日に延期された。一方、2月には中国の調査船がモルディブに寄港し、インドはこれを「スパイ船」と警戒している。

 モルディブはインドと中国双方が影響力を競う海上交通の要地であり、今回の動きはインドの立場が後退し、中国の影響力が高まる可能性を物語っている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】インド洋における中国の影響力拡大と日本の安全保障上の懸念

まとめ
  • 中国とモルディブの軍事同盟によりインド洋における中国の存在感拡大とインドの影響力低下が懸念される
  • アジア太平洋のみならずインド洋での中国の影響力拡大は、日本にも大きな影響を及ぼす
  • 一帯一路構想の推進に伴う対中対応の必要性と、日米同盟・インド太平洋連携の重要性増大
  • インド洋の海上交通路の安全確保への懸念が生じかねない状況である
  • 経済基盤が立ち遅れた国ほど、中国の支援に惹かれ影響力拡大に同調しがちな傾向があり、西側諸国は包括的な経済基盤支援こそが、中国の影響力拡大に対する最良の対抗策になり得ると


スリランカの南西約700㎞に位置するモルディブは、26の環礁や約1200の島々からなり、インド洋に浮かぶ「島々の花輪」と呼ばれています。

12世紀にアラブ人がイスラームを伝えて以降イスラーム国家として成立し、その後ポルトガル、オランダの統治下に入り、1887年にイギリスの保護領となりました。1965年に主権国家として独立し、1968年にはスルタンによる世襲王制を廃止し共和国に移行しました。

食料や工業製品の大部分を輸入に頼っているため、輸出1.8億ドルに対して輸入29.6億ドルと大幅な輸入超過となっています(2018年)。輸出を支えるのが、マグロ・カツオ漁業と水産加工業で、輸出総額の約60%以上を占めます。

モルディブと中国が軍事同盟を結んだことは、以下のような重大な影響があると考えられます。

インド洋における中国の存在感拡大 :モルディブはインド洋の要衝に位置しており、中国がここに軍事的足がかりを得たことで、インド洋における中国のプレゼンスが大きく高まります。これはインドの安全保障上の懸念材料となるでしょう。

インドの影響力低下 :従来、モルディブではインド軍が駐留し、インドの影響力が強かったですが、今回の軍事同盟でインドの立場が大きく後退することになります。

海上交通路の安全性への影響 :モルディブ周辺は、アジアと中東を結ぶ重要な海上交通路です。中国の軍事プレゼンスが高まれば、この地域の海上交通路の安全保障環境に変化が生じる可能性があります。

モルディブが事実上、中国の軍事拠点となれば、インド洋における米中の覇権争いに直接関わってくる可能性があり、地域全体の緊張が高まるリスクがあります。

一帯一路への布石: 中国は一帯一路構想の一環として、沿岸国との軍事関係を強化しており、モルディブとの同盟はその一里塚と見られます。

総じて、今回の軍事同盟は、インド洋における勢力図の変化を象徴する出来事と言え、この地域の地政学的なリスクが高まったと言えるでしょう。

モルディブの水上コテージのプールの縁に座る女性

モルディブと中国の軍事同盟は、日本の安全保障環境に以下のような影響を及ぼします。

第一に、モルディブが中国の軍事拠点となれば、日本への資源・エネルギー輸送路となるインド洋の海上交通路の安全が脅かされかねません。

第二に、この動きはアジア太平洋のみならずインド洋地域における中国の影響力拡大を象徴し、日本は中国の現状変更の試みに一層警戒を強めるでしょう。

第三に、一帯一路構想の推進という中国の戦略に対する対応が課題となり、日米同盟の重要性が高まるとともに、インド太平洋地域の様々な国々との連携の必要性が増すことになります。

このように、モルディブと中国の軍事提携は、日本の安全保障上の懸念材料となり、日本の対中戦略や地域安全保障政策に大きな影響を及ぼす可能性があります。

同盟国・パートナー国と緊密に連携し、外交、軍事、経済面で多角的な対応を組み合わせることが不可欠となります。中国への過度な牽制は避けつつも、地域の安全保障秩序を守るためのしっかりとした取り組みが望まれます。

小さな国であっても、バルト三国のような国民一人あたりのGDPが一万ドルを超えるよう国は、一帯一路から抜けたように、中国の思い通りにならないことが多いのですが、モルディブのように一万ドルをはるかに下回るような国は、中国の支援に期待して、中国との関係を強埋めようする傾向がみられます。

海と高床式のヴィラが連なるモルディブのホテル

その背景として以下のようなことがあげられます。

経済的に立ち遅れた国ほど、中国の影響力拡大に同調しがちであるという傾向があります。その背景には以下のような要因が考えられます。

経済発展への渇望 :一人当たりGDPが低い国ほど、経済発展を最優先課題としており、中国から得られるインフラ投資や支援に惹かれがちです。中国の一帯一路構想は、こうした支援と引き換えに影響力を拡大する戦略と見なされています。

資金の制約: 経済的に立ち遅れた国は、インフラ整備などに必要な資金が不足しがちです。中国は、そうした国に対し、低金利での融資や無償援助を行うことで、自国の思惑通りに傾斜させようとしています。

外交的選択肢の限界 :経済的基盤の弱い国は、大国に対して外交的な選択肢が限られます。中国の経済的・政治的影響力の高まりに伴い、中国に過度に追随せざるを得なくなる可能性があります。

債務の問題 : 中国からの過剰な借り入れにより、債務が累積すると、中国に従属せざるを得なくなるケースもあります。モルディブなども中国への債務が GDP比で20%近くに上るとされています。

一方で、バルト三国のように経済基盤が整備された国は、中国への過度な依存を避けやすく、主権を守る姿勢を示しやすいということができます。経済的自立を果たすことが、中国の影響力に翻弄されない重要な鍵となっているのです。

今後日本をはじめとして、西側諸国はモルディブのような国々に対して、単なる支援だけではなく、経済基盤を整備する方向で支援をしていくべきでしょう。包括的な経済基盤支援こそが、中国の影響力拡大に対する最良の対抗策になり得ると考えられますが、相応の労力とコストが伴うため、戦略的な取り組みが求められます。

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2024年3月5日火曜日

米最高裁がトランプ氏出馬認める決定 コロラド予備選、トランプ氏「大きな勝利」―【私の論評】トランプ氏の政策シンクタンク、アメリカ第一政策研究所(AFPI)に注目せよ

米最高裁がトランプ氏出馬認める決定 コロラド予備選、トランプ氏「大きな勝利」

まとめ
  • 連邦最高裁が、トランプ前大統領が2021年1月の連邦議会襲撃事件で「国家への反逆」への関与を理由に否定された出馬資格を覆し、コロラド州予備選への出馬を認める判決を出した。
  • 判決は修正第14条に基づく連邦レベルでの出馬可否判断の権限が各州にないとの立場。
  • トランプ氏は判決を受けて「米国にとって大きな勝利」との声明を発表し、司法上の大きな成功となった。

トランプ氏

 米連邦最高裁は、2021年1月の議会襲撃事件におけるトランプ前大統領の「国家への反逆」への関与を巡り、コロラド州最高裁の出馬資格否定判断を覆し、トランプ氏が同州予備選に出馬できるとの決定を下しました。この判決は、トランプ氏が大統領選に再出馬する可能性に大きな影響を与えるものとなった。

 事件の背景には、連邦憲法修正第14条が立ちはだかっていた。コロラド州最高裁は、トランプ氏が2020年の大統領選敗北を扱うために支持者を扇動し、議会襲撃を引き起こしたと認定し、これに基づいて修正第14条の対象と判断した。しかし、トランプ氏はこれに不服を申し立て、連邦最高裁に上訴していた。

 最高裁の判断は、州が公職に就く資格を判断する権限がある一方で、修正第14条に基づいて連邦レベルでの出馬資格を判断する権限はないというものだ。この立場から、トランプ氏のコロラド州予備選への出馬は許可された。この判決は、トランプ氏にとっては司法上の大きな勝利であり、他の州でも同様の争いが続く中で注目されている。

 トランプ氏は判決を受けて、同日に「米国にとって大きな勝利だ」との声明を発表した。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】トランプ氏の政策シンクタンク、アメリカ第一政策研究所(AFPI)に注目せよ

まとめ
  • トランプ前大統領がコロラド州での予備選出馬を連邦最高裁で認められた。
  • 連邦最高裁は、修正第14条に基づく出馬資格判断は州にはないとし、コロラド州最高裁の判断を覆した。
  • トランプ氏は判決を歓迎し、裁判所が選挙に介入するべきでないと強調した。
  • 最新の世論調査によれば、トランプ氏はバイデン大統領に対し支持率が上回り、特に共和党支持者の中で熱狂的な支持がある。
  • トランプ政権下での日米関係は、緊密で安定していた。アメリカ第一政策研究所(AFPI)は日米関係を重要視する発言をしており、トランプ氏の再出馬に向けて重要な情報源となっている。
米連邦最高裁

今回の判断は米連邦最高裁判事9人全員一致によるものでした。トランプ氏は4日、フロリダ州で演説し「非常に重要な決定だ。有権者は(投票によって候補者を)選挙戦から排除することができるが、裁判所がすべきではない」と最高裁の決定を歓迎しました。

今回の訴訟では、コロラド州最高裁が昨年12月、トランプ氏が2021年の米議会占拠事件に関わったと認定し、反乱に関与した人物が官職に就くことを禁じた米国憲法修正14条3項に抵触するとした判断を巡って争われていました。

連邦最高裁は「連邦政府の高官や(大統領)候補に対する14条3項の規定を執行する権限は州にはない」と判断しました。占拠事件を巡るトランプ氏の関与については言及しませんでした。

5日にコロラドを含む15州で共和党の予備選などが集中する「スーパーチューズデー」を控える中、返り咲きを狙うトランプ氏には追い風となりました。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は2日、2月下旬に実施した最新の世論調査結果を報じました。11月の大統領選に向けた支持率では、トランプ前大統領(77)が48%を得て、バイデン大統領(81)の43%を上回りました。2人の支持率は5ポイント差で、昨年12月の前回調査(2ポイント差)と比べてやや広がりました。

今回の調査で浮かび上がったのは、バイデン氏の不人気ぶりです。同じ2人の対決だった2020年大統領選前の調査と比べると、バイデン氏を「好ましい」と答えた人は52%から38%に大きく減少しました。これに対し、トランプ氏を「好ましい」と答えた人は43%から44%と微増でした。「トランプ氏は4年前と同様に不人気だが、それを下回るほど今のバイデン氏は不人気だ」と同紙は報じている。

各党内では11月の本選に向けた予備選が続いていますが、2人が各党の指名候補に選ばれることは確実視されています。共和党支持者の間では、トランプ氏が指名獲得することに「熱狂を感じる」と答えた人が48%に達しました。だが民主党支持者では、バイデン氏の指名獲得に「満足するが、熱狂はしない」と答えた人が43%で最も多かったとしています。

トランプ氏が再び大統領に帰り咲く可能性が高まってきました。そうなると、日米関係は最悪になると、警戒するメディアや識者が存在します。しかし、日米双方のメディアによるトランプ氏への解釈には矛盾があり、当初トランプ氏は選挙での敗者であると報じられていましたが、予備選での圧勝が示すように、その見方は誤りだったことが証明されました。

その後のメディアや一部の識者が語る「再選されたトランプ氏がもたらすリスク」に関しても、事実に基づかない恐怖心を煽るものであり、そのような反トランプの感情が分析をゆがめているようです。

トランプ政権下での日米関係は、一部のメディアや識者危惧したような緊張状態にはありませんでした。トランプ氏と当時の安倍晋三首相の元で、日米関係は主要な国益に基づいて緊密で安定して機能していました。2017年の初の公式会談や、その後のフロリダでのゴルフを含めた交流は、この緊密な関係を象徴するエピソードといえます。

フロリダでゴルフを楽しトランプ大統領と安倍総理

アメリカ第一政策研究所(AFPI)が提唱する"アメリカ第一"の方針は、外交政策においてもその基本姿勢を示しています。これは選挙戦に際してトランプ陣営が支持し、掲げる政策の方向性を示すものですが、これが必ずしも孤立主義や同盟破棄につながるわけではありません。

アメリカ第一政策研究所(American First Policy Institute, 通称:AFPI)は、ドナルド・トランプ元大統領の政策を支援し、彼の政治哲学「アメリカ第一」を推進するための政策研究機関です。2021年4月にトランプ政権の退陣から3ヶ月後に新設されました。

米国が自国民の安全、繁栄、福祉を確立することで、国際的にも平和と安定への寄与を目指しているとされています。そのため、トランプ氏の政策を支持し、政策面で彼の陣営の主張をまとめる活動を展開しています。

本部はワシントンD.C.にあり、150人前後のスタッフが常時活動しています。トランプ氏の批判者が多いとされるメディアでは活動の取り上げが少ない傾向にあり、AFPIの知名度や影響力が十分に伝わっていない可能性があります。

トランプ氏の大統領に返り咲きがあり得る状況になった現在、この研究所の発する情報は、さらに重要性を帯びてきました。特にトランプ氏が再び大統領になったときに、どのような政策をするかを占うには、この研究所の存在は無視できない存在になりつつあります。

トランプ氏が大統領になった場合を想定するには、偏った識者やメディアなどの情報だけを鵜呑みにせずに、まずはこの研究所の発信している情報を確認することをおすすめします。

AFPIのポータル画面

以下にAFPIのポータルサイトのURLを掲載します。


メディアによる過激な解釈の裏には、事実に基づかない感情や過去の誤解が横たわり、これらが日米関係に関する不安を不必要に煽る結果を招いている可能性があります。将来の日米関係は、トランプ元大統領の政策と、その実際の施行に関する検証を経て理解されるべきでしょう。

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2024年3月4日月曜日

結局、豊田章男会長の予測が正しかった…アメリカで「日本製ハイブリッド車」がに売れている理由―【私の論評】EV車の普及にいまだ徹底的に欠けるものとは

結局、豊田章男会長の予測が正しかった…アメリカで「日本製ハイブリッド車」がに売れている理由

まとめ
  • 米国における電気自動車(EV)の販売が減速しており、2024年には前年を下回る可能性が浮上している。
  • 自動車メーカーは様々な手段でEVの販売を促進しようとしているが、それでも販売の減速が止まらない。
  • 日本勢を代表するハイブリッド車が飛躍的な売れ行きを示し、経済的・環境的な合理性と使いやすさが支持を受けている。
  • 2024年のEV販売が前年を下回る可能性が指摘され、EVブームが減速している一方で、ハイブリッド車の売れ行きは好調。
  • バイデン政権の2032年までにEV販売の目標が厳しいものであり、ハイブリッド車は一般消費者による支持を獲得している。

豊田章男会長

 米国において、電気自動車(EV)の販売が減速の兆候を見せ、2024年に入ってもその傾向が鮮明になっている。自動車メーカーは損失を覚悟した値引きや低い収益率、NFLスーパーボウル中継などの広告出稿、廉価なモデルの導入などで対応しているが、EVの販売が鈍化し続けている。

 2023年には新車登録の約7.6%を占める118万9051台のEVが販売され、前年比46%の伸びを見せたが、その伸び率は前年からの倍増から鈍化しており、2024年の成長予測も20~30%の増加というものであり、減速が続くと見込まれる。

 一方で、日本勢を代表するトヨタなどのハイブリッド車は飛躍的な売れ行きを示しており、その理由はEVとの比較での経済的・環境的な合理性と、消費者にとって使いやすさが大きな支持を受けているからだ。

 EVブームの減速が明確になっている中、特に衝撃的なのは2024年のEV販売が前年を下回る可能性があるとの予測だ。これは過去の増加傾向が今後も続くとの前提に依存する予測ではなく、現実的な販売データとして注目されている。

 2023年12月末時点での全米ディーラーにおけるEVの在庫日数が113日分であり、これは内燃機関車の69日分と比較して1.6倍に達している。EVの在庫が長期的なトレンドとなっており、これはガソリン車やハイブリッド車の売れ行きがEVよりも好調であることが原因だ。

 大寒波によりEVが動けなくなったことや、値引きや低金利の購入ローン、政府からの補助金など様々なインセンティブが存在しているにもかかわらず、2024年1月のEV販売台数は前年を下回る7万9517台となった。

 一方で、ハイブリッド車は前年同月比で51.4%も増加し、EVとの差を広げている。これはトヨタ自動車が含まれており、ハイブリッド車の販売台数の53.6%をトヨタが占めている。

 EVの販売が減速している中、フォードのEV販売は2024年1月に前年同月比で11%低下し、韓国のヒョンデや起亜などは増加している。しかし、フォードは大幅な値下げを実施しており、EVのインセンティブが平均取引価格(ATP)の3倍に引き上げられているものの、一般消費者の反応は弱いとされている。

 バイデン政権が2032年までに新車販売の67%をEVにする目標を掲げているが、これに対する課題が多い。EVが一般消費者の間でまだ普及していない現状や、政府の強力な規制に対する反発がある。企業もEV生産計画を縮小し、ハイブリッド車に大きな注力をしている。

 ハイブリッド車はその経済性と利便性から一般消費者に支持され、EVの普及を進めるためにはまだ課題が残っているとされている。トヨタ自動車の豊田章男会長の未来予測が現実的でり、EVの普及は今後もハイブリッド車との競争が続くものと見られる。

 この記事は、元記事の要約です。詳細は、元記事を御覧ください。

【私の論評】EV車の普及にいまだ徹底的に欠けるものとは

まとめ
  • 中国ではEV車の販売が急減、地方政府の補助金削減や低価格競争の激化などが、これまで成功を収めていたEVメーカーに対して淘汰の波を引き起こしている。
  • Appleが10年にわたるEV開発計画を放棄した背景には、市場の成長鈍化や高い開発コストが指摘されている。
  • 米国政府は中国製自動車の国家安全保障リスクを検討しており、結果次第で厳しい規制が導入される可能性がある。
  • HV車は燃費性能や経済的利点、利便性などがあり、引き続き市場で好調な成績を収めている。
  • EVの普及には価格低下や充電スポットの増加、停電時の対応力向上が求められており、本格普及は小型原発普及の後と考えられる。

EV車の販売は、中国でも芳しくはないです。1月、電気自動車(EV)の販売が前月比37%減と大幅に減少しました。乗用車全体でも同14.1%の減少でした。 地方政府の販売補助金打ち切りによる販売減少、低価格競争の激化などで、これまで好調を維持してきたEVメーカーは淘汰の波を受けることが予想されます。

2月20日、EVメーカーの“華人運通”は少なくとも半年間、生産を停止すると報じられました。 2月末に1月分の給料を支払った後、同社は従業員への給与額を最低賃金レベルに引き下げる模様です。

BYDのように急速にEVの生産体制を強化し、積載用の電池の生産能力を引き上げる企業はあります。しかし、経済全体で支出抑制の圧力が高まり需要は減少し、値下げ競争の激化によって破たんするEVメーカーは増えました。

華人運通の生産停止は、中国経済の苦境が一段と深まったことを示唆しています。 当面、中国経済の低迷懸念は高まり、デフレ傾向も強まる可能性が高いです。

Appleは、約10年間進められていた電気自動車(EV)開発計画を断念しました。この計画は「タイタン」というコードネームで知られており、完全自動運転の実現を目指していたようです。

しかし、EV市場の成長が鈍化している状況や、高い開発コストと技術的な課題が開発断念の理由と指摘されています。開発には数十億ドルが投じられていたにも関わらず、プロジェクトに関わっていた約2000人の従業員の多くは、生成AIのプロジェクトに異動させられることになったそうです。

米国政府は、外国製でインターネットに接続する機能を持つ自動車、特に中国製の自動車に関して国家安全保障上のリスクがあるかを調査しています。米商務長官は、中国からの遠隔操作でアメリカの交通網が混乱する恐れがあると指摘しました。

調査の結果、安全保障への脅威と判断されれば、厳しい規制を検討するということです。中国製のコネクテッドカー(インターネット接続車)とEV(電気自動車)の増加は、セキュリティリスクを高める可能性があり、コンピュータ化やインターネットへの常時接続により、信頼できるデバイスだけがアメリカの国家安全保障に優先されるでしょう。

以上のように、このところ、何かと話題になっていますが、結局のところ、上の記事にもあるように、当面はトヨタ自動車の豊田章男会長の未来予測が現実的でり、EVの普及は今後もハイブリッド車との競争が続きそうです。

乗用車のように生活に密着した製品の場合、その普及の鍵は、やはり低価格であるということがあげられると思います。

米国において、輸送手段が馬から自動車へと大きくシフトしたのは、20世紀初頭とされています。この転換のきっかけとなった大きな要因は、ヘンリー・フォードによるモデルTの大量生産です。1908年にフォードによって導入されたモデルTは、低価格で大量生産が可能な自動車として、広く一般の人々に受け入れられました。以下に参考資料として、馬の餌代と、T型フォードの燃料代の比較を掲載します。
項目T型フォード
餌代月額10ドル~20ドル月額15ドル~20ドル
年間費用年間120ドル~240ドル年間180ドル~240ドル
燃料干し草、オオムギ、ニンジンガソリン
燃費1日あたり約20kgの干し草1ガロンあたり約25マイル

大雑把な比較ですが、餌代、燃料費との比較では、馬とT型フォードは伯仲していることがわかります。それと、当時都市部の環境問題の最大のものは実は馬糞でした。公共の交通機関から、個人の乗り物として、馬が多様されていた当時の世界中の都市部では、これが最大の環境問題となっていました。

これもかなり後押ししたものと思います。

馬とT型フォードのいずれを買うか悩む米国人 AI生成画像

当時の馬は、多くの人にとって手の届く価格でしたが、T型フォードは高価な買い物でした。T型フォードが普及するには、大量生産による価格低下と、平均的な労働者の年収向上が必要でした。

それと、米国における自動車の普及には確かにガソリンの低価格が大きな役割を果たしています。米国は世界有数の原油生産国であり、一般にガソリン価格は日本など他国と比べても低めに設定されています。20世紀初頭から中盤にかけて、特に安価な燃料の供給が自動車の急速な普及を後押ししたことは間違いありません。

自動車自体と、燃料が低価格ということが、米国で自動車が普及することに大きく貢献したといえます。

以下にEV、ガソリン、HV車の価格や燃費の比較の表を掲載します。

車種価格帯(USD)代表的なモデル補助金補助金後価格帯(USD)
EV車27,000 - 100,000Tesla Model 3, Chevrolet Bolt EV, Nissan LEAF7,500 - 12,50019,500 - 87,500
ガソリン車15,000 - 70,000Toyota Camry, Honda Accord, Ford F-150-15,000 - 70,000
HV車24,000 - 65,000Toyota Prius, Honda Insight, Hyundai Sonata Hybrid4,500 - 7,50016,500 - 57,500

情報源
EV車: https://www.fueleconomy.gov/feg/taxevb.shtml
ガソリン車: https://www.fueleconomy.gov/feg/taxevb.shtml
HV車: https://www.fueleconomy.gov/feg/taxevb.shtml

米国におけるEV車、ガソリン車、HV車の価格帯を比較すると、EV車が一番高価で、ガソリン車が最も安価です。HV車はEV車とガソリン車の中間の価格帯です。補助金を利用することで、EV車の価格はガソリン車やHV車に近くなります。

次は燃費について比較してみましょう。

車種平均燃費 (MPG)代表的なモデル電気代/ガソリン代 (USD/gallon)
EV車30 - 130Tesla Model 3, Chevrolet Bolt EV, Nissan LEAF0.15 - 0.25
ガソリン車20 - 35Toyota Camry, Honda Accord, Ford F-1503.5 - 5.0
HV車40 - 55Toyota Prius, Honda Insight, Hyundai Sonata Hybrid0.15 - 0.25 & 3.5 - 5.0
  • 上記はあくまで平均燃費であり、実際の燃費は車種、運転スタイル、道路状況などによって大きく異なる場合があります。
  • 電気代とガソリン代は地域によって大きく異なる場合があります。
  • EV車はガソリン車やHV車に比べて燃費が良く、燃料費が安いというメリットがあります。
  • HV車はEV車とガソリン車の中間の燃費性能であり、燃料費はEV車よりも高くなりますが、ガソリン車よりも安くなります。

情報源


上の2つの表は、あくまで大雑把な比較です。燃費などの点では、EVは普及の可能性はあります。後は、EV車自体の価格が下がることが条件になると思います。

あと、もう一つはガソリンスタンドのように、充電スポットがもっと増えることでしょう。それと、停電時には充電できないという欠点もあります。さらに、これはもう一つ重要なことですが、米国でT型フォードが普及した背景には、先に述べたように、馬糞を処理がなくなったことも大きな理由の一つです。いまのところ、ガソリン車やHV車からEV車に乗り換えたからといって、これに匹敵するほどの便益を得られることはありません。車は、車です。

一方、HV車は、燃費性能、環境性能、走行性能、経済性、利便性、災害時の対応力といった複数のメリットから注目を浴びています。ハイブリッド車はガソリン車よりも優れた燃費を実現し、市街地走行ではモーターのみでの運転が可能となりガソリン消費を抑えます。

CO2排出量の削減にも寄与し、エコカー減税などの政策を受けられる経済的利点もあります。また、こうした利便性と組み合わされた強いトルクによりスポーティーな加速と静かな運転が可能で、長距離旅行や災害時にも安心して使える利点があります。これらの特長から、HV車は広範囲なニーズに応える選択肢として今後も支持を集めることが期待されます。だからこそ、HV車の売れ行きが好調なのでしょう。

私は、EV車が普及するのは、小型原発が普及した後であると思います。これについては、述べると長くなるので、詳細はまた別の機会に掲載しようと思います。ただ、小型原発が各地に設置されるようになれば、停電の心配はほとんどなくなるのと、従来の原発のように巨大な発電、送電施設も必要なくなるので、これはEV車の普及に間違いなく拍車をかけると思います。それまでの間は、やはりHV車が主流になると思われます。

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2024年3月3日日曜日

千葉で地震頻発、また揺れた 5日間で18回…南部と東方沖の危険な兆候 高橋特任教授「そろそろ関東大震災並みの揺れも」―【私の論評】緊縮では国を守れない!コロナ禍から国民を守った安倍・菅両政権の政治決断に学べ

千葉で地震頻発、また揺れた 5日間で18回…南部と東方沖の危険な兆候 高橋特任教授「そろそろ関東大震災並みの揺れも」

まとめ
  • 2日午前1時49分、千葉県南部で最大震度4の地震が発生。
  • 千葉県では先月以降18回の地震観測。首都圏における大地震の潜在的なリスクが指摘されている。
  • 震源地は3つのプレートが交わる首都圏周辺で、関東大震災並みの揺れへの警戒が必要。
  • 地震の規模はマグニチュード5・0で、深さは20キロ。同日午前3時38分にも震度3の地震が発生。
  • 首都圏の大地震には6つの要因が組み合わさり、異なる原因の地震が短期間で起きる可能性に注意が喚起されている。

日本付近のプレート クリックすると拡大します


 千葉県南部で発生した最大震度4の地震に続き、先月以降に千葉県東方沖で18回もの地震が観測され、首都圏において大地震の潜在的なリスクが高まっている。震源地は3つのプレートが交わる地域であり、これが関東大震災並みの揺れを引き起こす可能性もある。この地域では、太平洋プレートが東からフィリピン海プレートと北米プレートを押し、フィリピン海プレートも南から北米プレートを圧迫している構造が見られる。

 立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授によれば、首都圏で大地震が発生するには、3つのプレート内部とそれぞれの境界で少なくとも6つの要因が影響していると述べています。首都圏は3つのプレートが交わる稀な地域で、どこでひずみが発生するか予測が難しいと指摘しています。1923年の関東大震災の震源地も未だに解明されておらず、この地域の複雑性を示唆しています。

 特に注目されるのは、千葉県南部で発生した地震と先月の千葉県東方沖の地震との関連性でだ。高橋氏によれば、同じ原因であれば太平洋プレートと北米プレートの境界で発生したものと考えられるが、千葉県南部の揺れはフィリピン海プレート内部に原因がある可能性が高いと述べている。異なる原因の地震が短期間で連動して発生することは、プレートが協力して揺れを引き起こす兆候と見なされ、これが危険な兆候である。

 さらに、首都直下地震への懸念も高まっており、政府は2013年に行った被害想定を見直すため、昨年にはワーキンググループを設立した。高橋氏は、「関東大震災並みの揺れが近い将来起こる可能性も考慮すべきだ」と述べ、注意喚起を行っている。

 この記事は元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】緊縮で国は守れない!コロナ禍から国民を守った安倍・菅両政権の政治決断に学べ

まとめ
  • 災害の中には大規模な被害をもたらしたものもあり、防災対策の強化が求められている。
  • 背景にはインフラの老朽化や洪水対策の不足、気候変動などが絡んでおり、特に財務省による緊縮財政の問題に対処する必要性がある。
  • 財務省の緊縮財政政策がインフラの改修や更新に十分な資金を割り当てていないことが、被害を拡大させる一因となっている。
  • 安倍・菅両政権合計で100兆円の補正予算を増税なしで組んだ、政治決断を学ぶべきである。
  • 防災・減災のためには、補正予算だけではなく、「防災・減災予算」として数十兆円規模の基金を創設し、普段から対策を行いつつ柔軟に対応できるようにすべきである。
最近地震が発生した千葉県というと、最近自然災害が多いです。千葉県において最近発生した自然災害を以下に列挙します。

平成30年北越谷火災:
2018年に千葉県北越谷市で発生した火災は、住宅街を襲い、多くの家屋が被災しました。この火災は大規模な被害をもたらしました。
令和元年台風第15号:
2019年に千葉県を襲った台風は、非常に強力な風と豪雨をもたらしました。この台風により、多くの住宅が被災し、停電や交通障害も発生しました。
令和元年台風第19号:
2019年に日本全国を襲った大型台風で、千葉県も大きな被害を受けました。洪水、土砂崩れ、風害などが発生し、多くの住宅が被災しました。
令和5年台風第13号による大雨:
令和5年に発生した台風第13号に伴う大雨が千葉県を襲いました。この災害により、土砂崩れや浸水などの被害が発生しました。
令和5年5月11日の地震:
令和5年5月11日に千葉県南部を震源とする地震が発生しました。この地震は住宅やインフラに被害をもたらしました。
令和6年能登半島地震:
令和6年に能登半島で発生した地震が千葉県にも影響を及ぼしました。被害状況に対する対応が進められています。

これらの自然災害に対して、千葉県は緊急対応や復旧・復興の取り組みを行っていますが、引き続き防災対策の強化が求められています。

千葉県において自然災害が多発している背景には、いくつかの要因が絡んでいます。以下に詳細を説明します。

1. インフラの老朽化:
千葉県のインフラ(道路、橋、排水設備など)が古くなっていることが、洪水やその他の自然災害の影響を受けやすくしています。古いインフラは、適切な保守や改修が行われていない場合、耐久性が低下し、災害時の被害を拡大させる可能性があります。
2. 財務省の緊縮財政:
 財務省の緊縮財政政策は、予算削減や支出の制限を意味します。緊縮財政政策が採用されると、公共インフラの改修や更新に十分な資金が割り当てられないことがあります。これにより、インフラの老朽化が進み、災害時の被害を増大させる要因となっています。
3. 洪水対策の不足:
 千葉県は海岸線が長く、河川も多いため、洪水リスクが高い地域です。洪水対策の不足や適切な防災施設の整備が進んでいないことが、洪水被害を引き起こす原因となっています。
4. 気候変動:
 気候変動により、降水量の増加や異常気象が発生しやすくなっています。 これにより、洪水の頻度や被害が増加している可能性があります。

千葉県はこれらの問題に対処するために、緊急対応や長期的な計画を立てていることを理解しています。しかし、引き続きインフラの改善や洪水対策の強化が求められています。インフラの老朽化、洪水対策の不足などは、その源泉を探ればやはり、緊縮財政にいきつくものと思われます。

どうして、このようなことになるかは以前このブログでも掲載したことがあります。
「積極財政派」は力を持てるのか 大きすぎる安倍元首相の不在 財務省が音頭とる緊縮派との議論、衆院選の公約に影響も―【私の論評】経済は生き物、社会的割引率等を柔軟に見直さないととんでもないことに

 

社会的利子率が低いことで引き起こされる将来の惨禍 AI生成画像

詳細は、この記事をご覧いただくとともに、この記事より一部を要約引用します。
社会的割引率は将来の費用と便益を現在の価値に割り引く際の割合です。これを尺度として、公共工事などを行うかどうかを決定します。これが、高すぎると将来の影響を過小評価し、環境保護や世代間の公平性を損なうことになります。

財務省は社会的割引率を「4%」と暗に支持し、低金利にもかかわらず長期にわたって高い社会的割引率を維持し、積極財政の芽を摘んでしまいました。

日本では1990年代半ば頃からデフレが続いているにもかかわらず、社会的割引率が4%前後で据え置かれているのは異常です。現状に合わせてもっと低い率が適切です。高橋洋一氏は2%を支持しています。
社会的割引率に関する審議など国会でされてしかるべきと思うのですが、これが審議されることはありません。

また、一昨日のブログでも述べたように、能登半島地震対策用の補正予算を組まずに、政府が予備費ですませようとしているのも異常です。

冒頭で述べたように、「関東大震災並みの揺れが近い将来起こる可能性も考慮すべきだ」とされるような状況にあることを考えると、今のままだと危機的状況にあるといえます。

補正予算を組んでおけば、近いうちに関東大震災級の地震がきても対応できできるでしょう。ただし、防災・減災の観点からすれば、大きな地震等が発生してから、補正予算を組むというのも後追い的な対策にすぎず、本来であれば「防災・減災予算」などの名称で、基金を創設して、普段から防災・減災対策を行いつつ、実際に災害が起きてしまったときには、これへの対策を速やかに柔軟に対応できるようにしておくべきです。

そうして、普段から防災・減災対策を行うためには、先に掲載した社会的割引率を4%から下げるということも実行すべきです。

基金としては、数千億円、数兆円というレベルではなく、数十兆円から、百兆円程度にすべきでしょう。このようなことをいえば、すぐに財源がどうのとのたまう、まるで財務省の下僕のようなひとたちが湧いてきますが、特別会計などを詳細にみているとわけのわからないものが積み上げられており、それを利用すれば、十分財源にできます。

さらに、防災・減災のために、公共工事をするというのであれば、その便益は将来世代も受けるわけですから、国債を発行しても何ら問題はありません。

これについて、財務省の屁理屈が正しいと信じて、いわゆる財源問題、借金問題に結びつける人も多いですが、これは間違いであることはすでに実証ずみです。

それは、安倍・菅両政権で、合計100兆円の補正予算(安倍政権約60兆円、菅政権約40兆円)を、財源としては増税なしで、国債を発行して賄ったという事実が明らかに示しています。

この補正予算や日本固有の雇用調整助成金の制度などを活用して、日本ではコロナ禍でも失業率を上昇させです2%台をキープすることに成功しています。他国では、先進国などでも一時的にかなり失業率上昇しましたが、日本ではそのようなことはありませんでした。

この大偉業を日本のマスコミはほとんど報道しないので、認識していない人も多いですが、これによる弊害など全くみられておらず、これからもそれが発生する見込みもありません。安倍・菅政権の決断がなく、あのときに増税でコロナ禍対応をしていたら、今ごろ日本は、景気が低迷して大変なことになっていたでしょう。株価も低迷していたでしょう。

皆さんのなかで、100兆円の国債発行で、弊害があったことやこれから起こる弊害を具体的に指摘できる人はいるでしょうか。おそらくいないでしょう。マスコミも、識者もこれについては一切言いません。

もし、そのようなことがあれば、真っ先に財務省がそれを活用して、「それみたことか、国債を大量に発行すれば大変なことになる、これからは大量に国債発行はすべきでない、国の借金がー、ワニの口がー」などと、今頃盛んに喧伝していたでしょう。マスコミや識者などもそれに追随していたことでしょう。

財務省の「ワニの口」理論は、資産等を無視するものであり、会計論からいえば、小学生のお小遣い帳次元のものであり、お話にならないほど幼稚

100兆円の国債発行に関して、財務省が下手に批判などしようものなら、かえって国債発行に問題がないことが暴露されること等を恐れて、財務省は、これに関して一切口をつぐんでいるのでしょう。

今後国債発行に関して、財務省の官僚などが異議を唱えるようなことすれば、安倍・菅両政権で100兆円の国債発行したときの弊害やこれから起こる弊害について、財務省の官僚などを国会に証人喚問して、説明させるなどのことをすれば良いです。嘘の証言をすれば、政治倫理審査会などとは異なり罰則規定もあります。

その意味では、安倍・菅政権、その中でも安倍元首相は、財務省に対する政治家の強力な武器を提供してくれたともいえると思います。これを活用しない手はありません。

むしろ、国債を発行しないで、増税だけで大きな事業を賄うとすれば、それは現世代だけが負担を負うことになり、不公平このうえないことになります。

デフレ下であり、日銀が金融緩和している最中での、コロナ禍対策用の100兆円の国債発行は何の問題がなかっどころか、デフレからの脱却するためにもプラスの作用をしたのです。その御蔭を被ったのが初期の岸田政権です。

しかし、これからはそうはいきません。能登半島地震で補正予算を組まないで、予備費ですませるようなことは、本当はあってはならないことです。

なぜなら、上で示したように、今後関東大震災級の地震が起こることは十分に考えられるからです。たとえ今年はそうならなくても、上に示したように洪水や自然災害が起こる可能性は大きいです。

これに備えるためには、最低でもまずは能登半島地震対策のための補正予算を組むべきです。そうすることによって、大地震や洪水がおこっても、予備費を柔軟にその対策に使えます。予備費を能登半島地震に割当てしまえば、新たな災害に対しては、補正予算を組まなければならないことになります。

補正予算は、当初の予測より税収が増減したり、災害の発生などにより歳出が多かっ たりした場合に、年度の途中で組み直した予算のことで、本予算と同様、国会での審議 を経て成立します。補正予算を組むにしても一定の時間がかかるのです。時間がかかれば、自然災害の規模が大きかった場合、肝心要のときに対策が間に合わないということも起こり得るのです。

とくに、関東大震災級の地震の発生が予期されているような現状で、しかも異常気象などで、大規模な自然災害が起こることも予想されているわけですから、補正予算・予備費だけでは間に合わないこともあり得るのです。

だからこそ、「防災・減災予算」などの名称で、最低でも数十兆円レベル基金を創設すべきと主張しているのです。コロナ禍は100年に一度ともいわれる災厄であり、予想もつかなかったという点で、補正予算で対応したのは正しかったと思います。100年に一度の災厄に対してまで、基金を普段からつみたてておく等の必要はありません。

しかし、地震や水害などは、そうではないし、現実に予想されているわけですし、今期中にも来期中どころか今後数十年にわたってありえることですから、予備費だけで対応するなど持っての他であり、補正予算だけでも十分とはいえません。やはり、基金を設立すべきでしょう。

与野党の政治家は、こうした方向性で、防災・減災対策を強化すべきです。これこそ、現状の日本においては十分に予測される緊急の課題です。

防災・減災で個人ができことには限りがある

いくつかの災害が同時多発的におこった場合、これに対する防災・減災などの備えがあまりなければ、その損害は図りしれず、これを後処理的に対処しようした場合、数十兆円ですむことはなく、天文学的なものになることが予想されます。経済的被害だけではなく、人的被害も甚大なことになりかねません。そのようなことは避けるべきです。これには、個人がすべきこともありますが、政府ができることも多くあります。

そうして、これは他人事ではありません。防災・減災対策の遅れで被害を被るのは、あなた自身かもしれません。あなたの家族や知人かもしれません。それは、政治家も官僚等にも等しくあてはまることであり、その時に後悔しても遅いのです。無論何事も完璧ということはありませんが、備えができているかいなかで大きな差異が生じること、心の持ちようも違ってくるのは言うまでもありません。

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2024年3月2日土曜日

トランプ政権の対日の日本側の錯誤―【私の論評】「反トランプ錯乱症候群」からFOXニュースの変遷まで: 米国政治とメディアの舞台裏

トランプ政権の対日の日本側の錯誤

まとめ
  • 米大統領選予備選で、トランプ支持陣営から「反トランプ錯乱症候群」という言葉が発せられる。
  • トランプ政権下、日本側の一部の同大統領が理不尽で強硬な要求を突きつけるという予測は、錯誤だった。
  • 日本の「識者」がトランプ氏の片言隻句(へんげんせきく)を切り取り、悪い方向への絵図を描く悪習は終わりにすべき。

 アメリカの大統領選予備選で、トランプ支持者から「反トランプ錯乱症候群」と呼ばれる激しい論議が生じている。この言葉は、トランプ氏への嫌悪からくる感情的な悪口が事実に基づかずに拡散している傾向を指し、トランプ支持層からの反撃の一環とされている。特に、日本のメディアでは「もしトラ」現象として、次期トランプ政権が北大西洋条約機構(NATO)からの撤退や日米同盟の破棄の可能性が広がっているという予測が取り上げられている。

 しかしこのような主張を裏付けるためには、トランプ政権が過去4年間にどのような政策を取ってきたかを検証する必要がある。トランプ大統領の在任中においてNATOからの離脱政策が実際に採用されたかどうか、また日本との関係において自動車や為替問題で要求や抗議が行われたかどうかを見るべきである。

 まず、NATOに関しては、トランプ大統領は離脱の方針を取ることはなく、西欧諸国に対しては防衛費の増額を促すなど姿勢を見せた。日本においても、トランプ政権は日米同盟を強化し、安倍首相との関係は緊密で安定していた。日本側の一部識者がトランプ政権に対して無責任かつ的外れな予測を立ており、それが反トランプ錯乱症候群の一端である可能性がある。

 具体的には、自動車や為替問題に関しては、日本の一部メディアが予測した厳しい要求や抗議が実際には行われなかった。トランプ大統領は日本に対して自動車貿易や為替政策についての要求を行わず、逆に在日米軍駐留経費についてはジェームズ・マティス国防長官が日本の負担を称賛する発言を行った。

 以上のようなトランプ政権に対する日本側の対応は無責任かつ錯誤であり、これも反トランプ錯乱症候群の一例といえるだろう。日本の「識者」がトランプ氏の片言隻句を切り取り、悪い方向への絵図を描くという定型だろう。そんな悪習はそろそろ終わりにすべき時期である。

この記事は、元記事の要約です。詳細は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】「反トランプ錯乱症候群」からFOXニュースの変遷まで: 米国政治とメディアの舞台裏

まとめ
  • 「反トランプ錯乱症候群」とは、トランプ批判者が感情的で非合理な攻撃を行う傾向を指す言葉。「人種差別主義者」などの過剰な攻撃が挙げられ、感情に基づく嫌悪が正当な反対意見を超えている。
  • 米国のメディアは大手新聞はすべてリベラル系、大手テレビ局はFOXだけが例外的に保守系だったが、最近これが変質し、バイデン勝利早期宣言が保守派離れを引き起こす可能性が指摘されている。
  • 名物司会者のタッカー・カールソンがFOXを離れ、プーチンインタビューを通じて反ロシア姿勢に反発する一部の保守派の立場を示唆。
  • トランプのロシア観は複雑で変動的。戦略的な視点からロシアを利用しようとする姿勢が見られる。
  • 米国の大手メディアはリベラル系であり、FOXも左傾化が指摘される。日本のメディアは主に米国大手メディアの報道を流し、保守派視点の情報不足が懸念される。
  • 現代ではAIや翻訳技術を駆使して、米国の情報を容易に入手可能であり、米国の保守系メディアにもアクセスすべき

トランプ反対派の抗議活動に耳を塞ぐトランプ支持派

「反トランプ錯乱症候群」とは、英語では"Anti-Trump Derangement Syndrome(ATDS)"であり、ドナルド・トランプ前米大統領に対して誇張されたり非合理的な批判をするある人々の傾向を指す言葉です。

この言葉は、トランプ支持者によって、事実の分析よりもむしろ感情や敵意に駆り立てられたと見なされるトランプに対する言過ぎた攻撃を特徴付けるのに使われます。

「反トランプ錯乱症候群」に関する主なポイントは以下の通りです。

このフレーズは、トランプに非合理的に敵対的な人々を揶揄するものであり、トランプへの嫌悪に目がくらんでいるために、根拠のない暴言を吐く傾向を含意しています。
  • 文章で例示されているのは、「トランプは人種差別主義者だ」、「トランプは民主主義の脅威だ」、「トランプはヒトラーに似ている」、「トランプはナルシストだ」といった主張です。他にも、トランプへの感情的な反発から、彼の全ての言動を否定的に解釈すること。 たとえば「トランプが言ったことはすべて間違っている。」と決めつける。トランプ支持者すべてを「教育程度が低い」などとステレオタイプ化することなど。
  • この症候群は、トランプに対する強い嫌悪感から、正常な判断力を失うほどの強い敵意や拒絶反応が引き起こされることによるものです。
  • これは、トランプの政策や行為への合理的な反対意見というよりは、トランプへの非合理的な「嫌悪」として、トランプ批判を一蹴するのに用いられます。
要約すると、「反トランプ錯乱症候群」は、トランプの批判者が彼を嫌悪するあまり、事実が裏付ける以上の歪められた、根拠のない攻撃をすることを意味しています。

以前このブログでも指摘したように、米国のメディアは大手新聞は、すべてリベラル系であり、大手テレビ局もほとんどがリベラル系です。従来はFOXTVが唯一保守系ともいわれてきましたが、最近ではそうでもないと指摘する人もいます。

FOXニュースに関して、従来の保守的な立場からの変化が指摘される理由には以下のようなものが考えられます。
  • トランプ政権批判のコメンテーターを多く起用するようになった。保守派の論客が減っている。
  • 2020年の大統領選で、FOXは早い段階でバイデンの当選を宣言。トランプ陣営の不正論を批判的に報道。
  • 視聴者からの反発で、保守派の視聴者がFOXから離れているとの指摘がある。
  • 社内での性的暴行告発事件で保守的な社風への批判が高まった。
  • 保守派論客の一部がFOXを「裏切り」と非難し、新保守系メディアに移籍する動きが出ている。
  • FOXの親会社が経営権売却で左派寄りの方針転換を懸念する声がある。
このように、FOXの保守的立場の変質を示唆する動きがあるとされています。保守派からの批判を招く一方、リベラル層への訴求を強める動きが見て取れると指摘されています。

これは、FOX TVを退局した元キャスターであるタッカー・カールソンがプーチン大統領にインタビューしたことでも顕となりました。FOXの保守的立場の変化とこのことには以下のような関係があると考えられます。
  • タッカー・カールソンは2022年12月にFOXを退局し、新保守系メディアのThe Blazeに移籍しました。彼がFOXを去ったのは、FOXの保守的立場の変化に失望したためとされます。
  • タッカー・カールソンは、2023年2月にロシアのプーチン大統領にインタビューを行い、その映像がThe Blazeで放送されました。プーチンインタビューは、FOXの反ロシア的報道姿勢への反発の表れと見られます。
  • 保守系の視聴者の中にはロシア寄りの姿勢を支持するものも多いとみられ、それとのギャップがFOXの変化を示唆しているようです。
  • プーチン氏への同情的インタビューは、FOXの反ロシア姿勢へのアンチテーゼを提示しようとしたものと受け取られています。
  • タッカー・カールソンは保守系メディアへ移籍しており、FOXでの発言の自由が制限されたことへの不満があるようです。
  • FOXの親ロシア派保守派の立場放棄が、元キャスターの行動の背景にあるようです。
このように、元キャスターの行動はFOXの保守的立場の変更と無関係ではないと考えられ、その変化を象徴する出来事の一つと言えそうです。

タッカー・カールソン氏

以下にプーチンに対するタッカー・カールソンのインタビューの概要を掲載します。
  • 2023年2月にロシアのモスクワで行われた。ロシアによるウクライナ侵攻について、プーチンは「特別軍事作戦」の正当性を主張。
  • NATOの東方拡大がロシアを脅かしたとの立場を表明。
  • カールソンはウクライナへの意見介入を避け、プーチンの主張を傾聴する姿勢だった。
  • 西側メディアの対ロシア報道の偏向性を問題視する発言があった。
  • ロシア寄りの保守派の立場を代弁する役割をカールソンが担った。
  • 友好的な雰囲気の中で1時間以上にわたり対談が行われた。
  • カールソンはFOXニュースでの発言の自由を求めて辞めた経緯があり、その意味でも象徴的なインタビューとなった。
保守派のロシア観については以下のように整理できます。
  • 保守派の一部には親ロシア的な人々がいるが、保守派全体が親ロシアとは限らない。リベラル派を敵視することから、ロシアを戦略的な同盟相手と見る向きがある。
  • ロシアの伝統的価値観を重視する保守派が、プーチン体制を評価する場合がある。国粋主義的な保守派にとって、西側諸国よりもロシアの方が味方と見えることがある。
  • 一方で、冷戦時代の反共的姿勢を重視する保守派も依然として多く、親ロシアとは限らない。
  • トランプ派と旧来の共和党保守派とでも見方が異なる。保守派内でも親ロシア派と反ロシア派に分かれることがある。
概して、保守派の一部にロシア寄りの傾向があると言えますが、保守派全体が一様に親ロシアとは言い切れないのが実情だと考えられます。

トランプ氏のロシア観については、親ロシア的というよりは複雑であいまいな面があると言えます。大統領在任中は、対ロ制裁を強化する一方、プーチンとの個人的な関係構築を目指しました。
  • NATOへの批判的な言動があり、ロシアの警戒感を和らげる狙いがあったとされる。ただし、軍事面では対ロシアの警戒姿勢は緩めませんでした。
  • 大統領選に際しては、ロシアによる選挙介入を疑いましたが、後にロシア寄りの言動もありました。
  • ウクライナ侵攻後はプーチンを「天才」と持ち上げるなど、親ロシア的な言動が目立ちました。ただ一方で、ウクライナ支援も訴えており、立場は一貫していません。
  • 戦略的にロシアを利用する意図が強く、イデオロギー的な親ロシアではないとみられます。
このように、トランプのロシア観は状況に応じて変化する側面が大きく、単純な親ロシアとは言い難いです。

私自身は、保守派を自認していますが、ロシアは未だウクライナと交戦中であり、ロシアを支持するにしても、批判するにしても、それは戦後になって情報が十分に集まった段階で行うべきであり、現時点で、それを表明したり、ロシアを支持したりする姿勢をみせれば、それはロシアに利用されるだけだと思います。

ただしFOXニュースの保守的立場の変質を示唆する動きとして、ロシア観以外にも以下の点が挙げられます。
  • トランプ元大統領に批判的なコメンテーターを多く起用するようになったこと
  • 2020年の大統領選で、他の保守系メディアより早い段階でバイデン勝利を宣言したこと
  • 気候変動問題の重要性を訴える番組が増え、保守層の反発を招いており、さらに人種や性的マイノリティー問題でのリベラル寄りの姿勢が目立つようになったこと
  • 視聴者からの批判で、保守派の視聴者が減少傾向にあること
  • 社内の性的少数者への配慮を強化し、保守的な企業文化を改める改革していること
このように報道姿勢や社内運営の面で、FOXの左傾化されつつある兆候がみられ、保守派メディアとしての色合いが薄れていると言えます。


この傾向が強まりつつある現在、大手テレビ局も、大手新聞もほぼすべてがリベラル系ということがいえ、このような状況では、「反トランプ錯乱症候群」が強まることはあっても弱まることはないでしょう。

日本のメディアのトランプ報道は、米国の大手メディアの内容をそのまま垂れ流す傾向があり、それでは、真のトランプ像や、少なくとも米国の人口の半分くらいは存在する保守派の考えなどは、日本のメデイアは報道しないということになります。

それでは、日本では、メディアの報道をみている限りでは、米国の半分しか見ていないことになり、後の半分のことはわからないということになります。

「反トランプ錯乱症候群」になることを防ぐためには、自ら米国の情報を仕入れて判断するしかなさそうです。ただ、従来と比較すれば、生成AIなどで、すぐに翻訳できようになった現在では、その敷居は従来よりはかなり低くなったといえます。

アメリカの保守系メディアは、政治的な視点や思想によって分類されます。以下はいくつかの代表的な保守系メディアです。

  1. The Blaze: 保守派の視点を提供するメディアで、元フォックスニュースのホストであるグレン・ベックが設立しました
  2. The Drudge Report: ウェブベースの保守系ニュースアグリゲーターで、政治的な話題をカバーしています
  3. Newsmax: 保守的な視点を持つニュースサイトで、政治、経済、社会問題などを報じています2

これらのメディアは、保守派の視点を提供する一部の選択肢ですが、アメリカのメディアは多様であり、さまざまな意見や視点を反映しています。

ただ、日本のメディアだけに頼っていては、米国という国を正しく理解することはできません。米国の保守系メディアの情報も参照することをおすすめします。

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2024年3月1日金曜日

能登半島地震から2カ月 "最大震度5弱程度以上"は10分の1に 引き続き地震活動に注意 気象庁―【私の論評】補正予算なしで大丈夫なのか?過去の教訓を忘れて今頃「政倫審」を開催する与野党の無責任

 能登半島地震から2カ月 "最大震度5弱程度以上"は10分の1に 引き続き地震活動に注意 気象庁


 能登半島での地震活動について、気象庁は、最大震度5弱程度以上の地震が発生する確率は徐々に低くなってきているものの、引き続き注意が必要としています。

 気象庁は能登半島での地震活動について、元日に発生したマグニチュード7.6・最大震度7の地震以降、地震の発生回数は緩やかに減少しているとしました。

 今後の見通しとして、最大震度5弱程度以上の地震が発生する可能性は、当初に比べて10分の1程度に低くなってきましたが、元日の地震の前と比べると依然として活発な状態としています。
このため一連の地震活動は当分の間継続すると考えられるため、引き続き強い揺れを伴う地震に注意するよう、呼びかけています。

【私の論評】補正予算なしで大丈夫なのか?過去の教訓を忘れ今頃「政倫審」を開催する与野党の無責任

まとめ

  • 過去には震度7以上の地震で補正予算を組むのが慣例だったが、政府は2024年度予算案では予備費を前年の2倍に増額し、財政支援を行う方針とした。
  • 財務省は歴史的に財政健全化を重視し、補正予算の発動には慎重な姿勢を取っているが、慣例に反して補正予算を組まないのは、岸田政権への財務省の見方が関係しているとの見解もある
  • 野党は予算成立を人質に政倫審を開催し、補正予算の審議の機会を完璧になきものにした。
  • 補正予算を組むべきとの野党の声もあったが、結局それを組まず、政倫審を開催した与野党の責任が問われるべきである。
  • 補正予算がなくても、予備費だけで能登半島地震への対応はできるだろうが、新たな自然災害おこった場合被災者や国民への支援が遅れる可能性がある。

能登半島も上の記事にあるように、今後も地震に対する警戒が必要です。昨日2月29日18時35分頃、千葉県東方沖を震源とするマグニチュード4.9の地震が観測されました。千葉県では最大震度4を観測しました。

行方不明者を捜索する航空自衛隊の災害救助犬とハンドラー

今後、今期中(三月末)までに、大きな地震や洪水などの大規模な自然災害が発生しないとは言い切れないです。

さて、それを考えると、能登半島地震に関して、補正予算を組まなかったというのはなんとも心もとないです。

震度7以上の地震が発生した際、政府が補正予算を組むことが慣例化していたかについては、特定の慣例に言及する資料はありませんが、過去に大きな地震が起きた際には、復旧や復興のために補正予算が組まれることが一般的でした。

過去の日本で発生した主要な震災に関連する補正予算の規模を調査しました。阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震に関しての補正予算の情報をまとめました。

阪神・淡路大震災に関する補正予算
  • 補正予算: 約17兆円(震災対策関連事業に16.3兆円投入されたとされています)
東日本大震災に関する補正予算
  • 第1次補正予算: 約4兆153億円(2011年度) 
  • 第2次補正予算: 約9兆9988億円(平成23年度) 

東日本大震災における災害派遣活動 23.3.26 13普連:捜索(南相馬市鹿島区南海老地区)

熊本地震に関する補正予算
  • 平成28年度補正予算: 約7780億円 
  • 令和元年度9月補正予算: 被災分を含む総額6569億円 

これらの補正予算は、震災発生後の復旧・復興に伴う直接的な需要だけでなく、インフラ復旧や災害援助、長期的な復興計画にも配分されました。政府はこれらの資金を効率的かつ迅速に活用し、被災地の復興を支援しています。

最近の能登半島地震においては、政府は補正予算を組まずに、予備費のみで対応するという異例の決定をしました。2024年度予算案の予備費を前年の2倍にあたる1兆円に増額し、財政支援を行うとしています。

予備費の増額を通じて災害復旧や復興を支援するとされていますが、予備費の使い道は限定されていないため、政府の「便利な財布」としての機能が強調されています。

無論、これによって能登半島地震のみには十分対応できると思います。

しかし、今期末(3月)から来年度(4月以降)にかけてこの記事の冒頭で指摘したとおり、能登半島でも、他の地域でも大きな地震が起こらないとは断言できません。そうなれば、すぐには対応できない場合も想定されます。

このような不安材料があるからこそ、過去の政府は震度7以上の地震が起こった場合、ほとんど例外なく補正予算を組んだのです。

無論能登半島地震の対応として予備費を最初に使用することは、流動性の高い資金運用を可能とし、緊急時の迅速な対策実施へと繋がります。そうして、補正予算の策定は、新たなリスクに備えるとともに、リスクに備えた長期的な視野を持つことができるという点で重要です。

能登半島地震に関する補正予算を組まないということは、リスク管理の観点からいえば危険極まりないといえます。大災害は、能登半島地震だけと限定することはできません、他の大きな地震や、水害などの大災害が起こらないとは断言できません。

なぜ、補正予算を組まないのかといえば、もうすでに財務省は岸田政権は用済みと考えているという見解もあります。

補正予算の編成を巡って財務省が消極的な姿勢を示しているとの報道があり、その背景には岸田政権への財務省の見方が関係しているとの見解があるようです。財務省は歴史的に日本の財政健全化に強いコミットメントを持ち、補正予算の発動には厳しい姿勢を取ることが一般的です。

財務省の財政観と補正予算予算運用の原則: 
財務省は一貫して予算運用において財政健全化を重視し、補正予算の発動には慎重な姿勢を取ります。[1]
政権との関係: 
財務省との関係は政権の財政政策や政策の推進力によって変わる可能性があり、必ずしも岸田政権のみに特有の状況とは限りません。[2]
政権の動向と財務省の対応政権の意向: 
政権が積極的に補正予算を編成しようとする動きに対して、財務省がどう対応するのかはその時の政治、経済状況によって異なります。[3]
用済み説の評価: 
いわゆる「用済み」という見方は、一部の解釈や分析によるものであり、必ずしも全ての専門家や分析者の共通の見解ではありません。
ただし、能登半島地震に関して、迅速に大規模な補正予算を組まないという方針は、過去との比較からすれば、異常事態といわざるをえません。

こうした異常事態を引き起こしている、与党に関して、これを批判しない野党も異常です。

昨日のブログのタイトルは、以下でした。
政倫審全面公開、奇策の岸田首相に「救世主」と称賛や困惑 自民党幹部「安倍派」―【私の論評】予算成立 vs 政治資金問題:どっちが国民のため!? 国民不在の茶番劇に終止符を打て!
この記事の中で、私は以下のように、野党について批判しました。
予算の審議に関しても、野党が予算の内容について岸田政権の政策の間違いを本格的に追求するというのならまだしも、ただただ、予算成立を人質にとり、最初から疑惑が晴れず、単なるみそぎやガス抜きに過ぎない政倫審を開催し、岸田政権にマイナスイメージをつけることに奔走している姿は、異様です。何のために議員をしているか、存在意義が疑われます。
昨日は、補正予算のことについても述べたかったのですが、それでは話が長くなるので、掲載はしませんでした。政倫審を開催したことにより、補正予算の審議の可能性は完璧に消えたといえます。

これを国民不在といわずして何というべきでしょうか。政倫審など予算ならびに補正予算の審議の後で実施しても何ら支障がないどころか、ほとんど無意味なものです。


無論、国民民主党の玉木代表は、「急ぐのはこの1月2月3月の対応です。ですから、政府におかれては今年度の第2次補正予算(案)の編成に着手すべきだ」と述べ、政府が来年度予算案の予備費を積み増す方針に反対し、補正予算による対応を主張しました。玉木代表は住宅が損壊した世帯への最大300万円の支援金についても、「物価高の状況を踏まえて引き上げるべきだ」と強調していました。

立憲民主党の岡田幹事長も、「補正予算で対応すべき」と政府に対して批判していることが報告されています。

しかし、結果として政倫審は開催され、補正予算の審議どころか、本予算の成立まで人質にとるという有り様です。本来なら、野党は補正予算を組まないことで、与党を吊し上げにして、補正予算を組むことを迫るべきでした。それが、本当の野党議員の仕事というものです。

そのような緊張関係があれば、政治も良くなっていく見込みがでてきます。

もし、来年度中に運悪く震災や洪水などの大災害が起きて何らかの支障がでた場合、今のタイミングで政倫審を開催した与野党に対して怒りをぶつけるべきです。無論、財務省に対しても怒りをぶつけるべきでしょう。

テレビなどのマスコミは、そうなった場合、被災者や国民などを置き去りにして、政府を叩きまくるでしょうが、間違っても、与党だけ責めるということはすべきではありません。野党も財務省をも責めるべきです。ただそのようなことにならないことを祈るばかりです。

私からすると、多くの国民が現状に対してあまり怒らないということが不思議です。実際に大災害が再び生じて、当面の予算が足りなくなったときには、すぐに補正予算を組むことになるでしょうが、最初から補正予算を組んでおけば、スムーズに対応できます。

しかし、補正予算の審議も一定の時間がかかるので、その間に被害が大きくなってしまった場合、その被害を被る可能性があるのは被災地の人々であるということ忘れるべきではありません。

他人事と思うべきではありません。日本は、地震も多いですが、洪水その他の災害も頻繁にあります。その被害を被るのはあなた自身かもしれないし、あなたの家族か親戚か知人になるかもしれないのです。

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