2016年5月27日金曜日

【伊勢志摩サミット】中国「強烈な不満」表明 南シナ海問題言及のG7首脳宣言を批判―【私の論評】南シナ海からの中国の排除の準備が着々と進められている(゚д゚)!

【伊勢志摩サミット】中国「強烈な不満」表明 南シナ海問題言及のG7首脳宣言を批判

北京の中国外務省で記者会見する華春瑩副報道局長=27日

 中国外務省の華春瑩副報道局長は27日の記者会見で、主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の首脳宣言が南シナ海問題に言及したことについて「日本とG7(先進7カ国)のやり方に強烈な不満を表明する」と批判した。

 議長国を務めた日本に対し「サミットを主催し、南シナ海問題をあおり立て、緊張を高めた」と反発。南シナ海問題の議題化は「先進国が経済について話し合う場というサミットの性格にそぐわない」と指摘した。

 G7に対しては「客観的で公正な立場に基づき、無責任な言論をやめ、地域の平和と安定に資するよう望む」と要求。南シナ海での軍事施設建設などは「完全に主権の範囲内だ」と重ねて主張した上で「個別の国が『航行の自由』を掲げて中国の顔に泥を塗るのには断固として反対する」と述べ、米国を暗に批判した。

【私の論評】南シナ海からの中国の排除の準備が着々と進められている(゚д゚)!
伊勢志摩サミットの記念撮影に臨む(左から)トゥスクEU首脳会議常任議長、イタリアのレンツィ首相、ドイツのメルケル首相、米国のオバマ大統領、安倍晋三首相、フランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相、カナダのトルドー首相、ユンケル欧州委員長。後方は英虞(あご)湾=26日午後4時、三重県志摩市の志摩観光ホテル

G7伊勢志摩首脳宣言(骨子)に関して、その概要は以下のリンクをご覧ください。
G7伊勢志摩首脳宣言(骨子)
宣言の概要は、この骨子をご覧いただくものとして、中国が問題とする部分のみ以下にピックアップしておきます。4項目目の、(6)に以下のような記載があります。

4 政治外交

(6)海洋安全保障 
●国際法に基づいて主張を行うこと,力や威圧を用いないこと,紛争解決には,仲裁手続 を含む司法手続によるものを含む平和的手段を追求すべきことの重要性を再確認。東 シナ海・南シナ海の状況を懸念し,「海洋安全保障に関するG7外相声明」を支持。
これは、中国を名指しこそしていませんが、中国の南シナ海での環礁の埋め立てを、G7首脳は全員これを認めないことを示しています。

これは、骨子ですが、宣言には「法の支配の3原則」が明記されています。これに関しては、前もってこれを盛り込むことは、サミットの前に決定していました。これは、安倍総理による中国に対する最終警告と言っても良いものです。これに、に関して、以下に説明します。これは、安倍晋三首相が海洋安全保障をめぐって2014年に提唱したものです。

この3原則は、(1)国家は法に基づき主張する(2)力や威圧を用いない(3)紛争解決へ平和的解決を徹底する-が柱となっています。

これにより、伊勢志摩サミット首脳宣言は、中国による、南シナ海での軍事拠点化への懸念と反対を盛り込んだ宣言の素案に3原則の内容を新たに加えることで、沖縄県・尖閣諸島を含む東シナ海での挑発行為なども念頭に置き、名指しは避けながらも中国に対して「強い反対」を打ち出しました。

中国は14年5月、安倍首相がシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で3原則を表明した際に反発した経緯がありました。G7によるこの3原則を含む首脳宣言は、中国にとって“屈辱的宣言”となりました。だからこそ、ブログ冒頭の記事のように中国は、本日「強烈な不満」を表明したのです。

中国が軍事基地化を進める南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島にあるスビ礁
日、米、カナダ等とは異なり、欧州各国は、中国の覇権主義的手法を問題視しながらも、地理的に軍事的な脅威にやや鈍感で、中国を刺激して経済的利益を損ねないよう及び腰になる部分もありました。

これを、安倍首相が議長国の立場を活用して議論をリードし、南シナ海の「航行の自由」を守るオバマ氏とともに、欧州各国の対中観との隔たりを縮めていきました。

結果、各国首脳からは「力による現状変更や規範の無視は許されない」「基本的な規範や国際法の順守が重要だ」「海洋の安全保障や力による現状変更への反対には、明白で厳しい姿勢で臨むべきだ」などと賛同する意見が相次ぎました。

そうして、最終的にこの3原則が、首脳宣言に盛り込まれことになったのです。

これをけん制するため、中国海軍のミサイル駆逐艦「合肥」「蘭州」、ミサイル護衛艦「三亜」、総合補給艦「洪湖」からなる南海艦隊遠洋訓練艦隊は21日午後、西太平洋某海域で実弾射撃訓練を実施したことを、人民網日本語版が23日、中国軍網の報道として伝えていました。

中国南海艦隊
まさに「盗人猛々しい」とは、このような中国の振る舞いです。南シナ海の岩礁を勝手に埋め立てて軍事基地化したり、東シナ海の日中中間線付近に軍事拠点化が懸念される海洋プラットホームを次々に増設して、地域情勢を緊張させているのは、中国です。

さて、上で示した首脳宣言のなかの「海洋安全保障」の項目には、 「国際法にもとづき主張を行うこと」との記載があります。この意味するところを以下に掲載します。

国際法には「法」という字がついていますが、日常生活で「法律」という言葉からイメージするものとは大きな違いがあります。

民事や刑事の訴訟などで使われる法律は国内法です。国内法は主権を持った統一政府によって強制される法なので、「強制法」といいます。国内では、警察などの法執行機関が法律を破った人を取り締まるわけです。

一方、国際社会には警察のような強制力を持った組織はありません。国際法はあくまで主権国家同士の合意によって成り立っているものなので、「合意法」といいます。当事国のどれか一国が仲裁裁判所の裁定を破った場合は、その他の国は守る義務はありません。

この国際法の原則からいえば、現状のままだと、米国が軍事力を行使したとすると、中国は米国を強く非難することになります。それこそ、虚妄の南京虐殺や慰安婦問題などで鍛え上げた、ありもしない虚妄にもとづき歴史を修正して、米国に徹底的に噛みつきます。国連の場や、ありとあらゆる機会を利用して、様々な活動を展開して、米国を悩ますことでしょう。

オランダ・ハーグの常設国際裁判所
それに対して米国は反論することもままならない状況に追い込まれることすら予想されますが、南シナ海の領有権問題でオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所の判断が今年の夏あたりに、出される予定です。この裁定は、当然のことながら、国際法に照らして、中国にとってはかなり不利な裁定となるのは必定です。

さらに、今回G7の首脳宣言は、上記で示したような海上の安全保障に関する宣言も含んでいます。これは、少なくとG7の首脳は、仮に中国が南シナ海の領有をやめない場合は、中国が一方的に国際法を破棄したものとみなすことになります。

裁定がおりた後なら、米国が南シナ海や、東シナ海で軍事力を行使したとしても、中国による力による現状変更を、力によって元に戻したということになるだけです。これは、上で示したように、中国が一方的に国際法を破ったことになり、南シナ海や東シナ海から中国を力ずくで排除したとしても、国際法を破ったことにはなりません。

中国が、現状を変更しないかぎり、米国は、何の後腐れもなく、軍事行動に打って出ることができるのです。

米国が本格的に軍事行動にでれば、南シナ海における中国にはなすすべがありません。中国の軍事力、特に海軍力は、米国よりはるかに劣っています。軍事力ランキングなどで比較すると、海軍力は日本よりも劣っています。

これでは、もう時間の問題です。中国としては、負け犬の遠吠えをする以外に何もできないわけです。

今回のサミットは、中国にさらに楔が強く打ち込まれた形となりました。着々と、南シナ海からの中国の排除が進められています。

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2016年5月26日木曜日

サミットとオバマ大統領の広島訪問 「中韓との違い」演出する好機―【私の論評】「霊性の支配する日本」を象徴する伊勢志摩でのサミットの意義は大きい!

サミットとオバマ大統領の広島訪問 「中韓との違い」演出する好機

伊勢志摩サミットが、きょう(2016年5月26日)から開幕した。サミットでの世界のトップ間の議論ももちろん重要だが、その前後に日米首脳が会うのもポイントである。米大統領選はトランプ対ヒラリーになりそうであるが、不透明感が充ち満ちている。その前に、日本としても日米関係をできるだけ確固たるものにしておく必要があるのだろう。

ところが、その直前に沖縄の元米兵による遺体遺棄事件が起こった。これは最悪のタイミングである。この機に、沖縄の翁長知事は「オバマに会わせろ」と、安倍首相に要求してきた。もちろん、その要求は筋違いであるが、安倍首相はオバマ大統領との25日夜の会談で、米に「強く抗議」といった。外交専門家の間には、個別事件で異例の言及という見方もあるが、それだけ今の日米関係が良好という証だ。会談の詳細な中身はわからないが、沖縄の在日米軍は出て行けという政治主張が増長しかねないので、政治的に「強く抗議」と言わせてもらうと安倍首相はオバマ大統領の了解もとっているだろう。

広島の原爆ドーム
 長年の日本外交の勝利

さらに、沖縄での米軍犯罪率は、沖縄県民より低く、来日中国人や来日韓国人に比べるともっと低いこと、沖縄の在日米軍に出て行けということは日本の安全保障リスクを高めることも日本政府は承知していることを伝えているだろう。ひょっとしたら、トランプが、日本だけではなく韓国などからも米軍を撤退させるという主張は、どの程度実現するのかを、安倍首相はオバマ大統領にこっそり直接聞いているかも知れない。

サミット前の日米首脳会談で、「強く抗議」と出ざるをえなかったのは日本政府としても誤算であっただろうが、サミット後の27日夕方のオバマ大統領による被爆地・広島訪問では友好ムードを盛り上げる。

日本人なら、一度は広島・長崎の被爆関係地を見ているだろう。それらを見れば、普通の人間なら理屈抜きに核根絶と思うはずだ。アメリカ大統領が広島を訪問するのは、長年の日本外交の勝利である。

 加害者」や「被害者」というレッテル貼り

一部の人から、日本はアメリカに謝罪を求めないのはおかしいという議論がある。

世界の普通の国、過去の戦争では、未来志向で「加害者」や「被害者」というレッテルを貼らない。特にヨーロッパは旧植民地帝国が集まっていて、旧植民地からみれば悪の枢軸ばかりである。とても誰も謝罪すべきとは言い出せないわけだ。ドイツの場合でも、その罪をヒトラーとナチスにかぶせることで、ドイツを「加害者」といわないのが普通だ。

日本は深い悲しみを持っているが、それを抑制しながらもてなすのがいい。これは、中韓に対して日本は違うという戦略にも通じる。

オバマ大統領の広島訪問について、多くの国では歓迎しない理由はない。ところが、中韓は世界の国とはまったく違う。日本の集団的自衛権について、世界のほとんどの国は賛成であるが、中韓だけは反対との奇妙な対応だったことが思い出される。

中韓は、日本を「加害者」として扱ってきたので、日本が「被害者」になっては中韓にとって都合が悪いのだ。こうした中韓の態度には辟易している国も多い。この際、日本は先進国の一員として、サミットに便乗して中韓との違いを演出するのは長期的には得策であろう。

++ 高橋洋一

【私の論評】「霊性の支配する日本」を象徴する伊勢志摩でのサミットの意義は大きい!

上の高橋氏の記事では、日本はアメリカの原爆投下に対して謝罪を求めるべきではないとしています。私も、そう思います。こう考える人は多いようです。

たとえば、歴史小説家の塩野七生さんも、そういう考え方をする一人です。朝日新聞のインタビューに応じて、その意見を表明していました。

詳細は、朝日新聞の記事をご覧いただくものとして、その一部を以下に朝日新聞から抜粋します。
 「謝罪を求めず、無言で静かに迎える方が、謝罪を声高に求めるよりも、断じて品位の高さを強く印象づけることになるのです」

「ただ静かに、無言のうちに迎えることです。大統領には、頭を下げることさえも求めず。そしてその後も、静かに無言で送り出すことです」 
 「原爆を投下した国の大統領が、70年後とはいえ、広島に来ると決めたのですよ。当日はデモや集会などはいっさいやめて、静かに大人のやり方で迎えてほしい」 
 「われわれ日本人は、深い哀(かな)しみで胸はいっぱいでも、それは抑えて客人に対するのを知っているはずではないですか。泣き叫ぶよりも無言で静かにふるまう方が、その人の品格を示すことになるのです。星条旗を振りながら歓声をあげて迎えるのは、子どもたちにまかせましょう」
私も、まったくこれらの意見に賛成です。直接の言葉による謝罪などなくても良いのです。これを声高に要求すれば、日本の品位は著しく損なわれることになりますし、ブログ冒頭の記事で高橋氏が主張しているような、中韓との違いを演出することは不可能になります。

広島の精霊流し
そうして、日本には、中韓の反日活動のように声高に、大げさに演出するまでもなく、
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」があります。それについては、このブログにも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「中韓」とは異質な日本人の「精神世界」…仏作家は「21世紀は霊性の時代。日本は神話が生きる唯一の国」と予言した―【私の論評】日本は特異な国だが、その特異さが本当に世界の人々に認められ理解されたとき世界は変る。いや、変わらざるをえない(゚д゚)!
式年遷宮「遷御の儀」で現正殿から新正殿に向かう渡御行列。
伊勢神宮は日本人と心のふるさと、未来への道しるべだ
=平成25年10月2日夜、三重県伊勢市の伊勢神宮



この記事は、平成14年1月18日のものです。この記事では、この前の年に三重県伊勢市の伊勢神宮で行われた「式年遷宮」に関して説明した記事を元記事にして、日本人独自の精神世界を説明したものです。伊勢志摩サミットの初日だった本日、安倍総理はこの伊勢神宮の鳥居の近くでサミットに参加する首脳陣を出迎えました。

伊勢神宮に集結したG7首脳
この記事は、今から2年以上前の記事ですが、今でも良く読まれている記事です。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事から日本人の「精神世界」に関する部分を以下に引用します。
霊性の根源に万世一系の天皇制 
フランスの作家で、ドゴール政権の文化相を長く務めたアンドレ・マルローは自著各編で、こんな趣旨のことを書いています。

アンドレ・マルロー
「21世紀は霊性の時代となろう。霊性の根源には神話があり、それは歴史の一面を物語っている。世界の神話が現代なお生きているのが日本であり、日本とは、それ自体、そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性である。霊性の根源に万世一系の天皇制がある。これは歴代天皇の連続性であるのみならず、日本文化の継続性の保証でもあるのに、戦後日本はそのことを忘却してしまった。しかし、霊性の時代が、今や忘却の渕から日本の真髄を取り戻すことを要請している。また文化は水平的に見るのではなく、垂直的に見るべきだ」 
確かに、中国や朝鮮文化の影響を過大に語る一部日本の文化人には大きな誤解があるように思えます。知る限り、英仏独の文化人、史家には、後生大事にギリシャ・ローマを奉る人など皆無であり、米国の識者がイギリスをむやみにもてはやす事例を耳目にしたこともありません。日本文化・文明と日本人は、中華文明や長年にわたりその属国であり続けた朝鮮文明とは全く異質であり、むしろアジアの中でも、もっとも遠い存在であるといえます。日本人の氏神、天照大御神に思いを致すのは今でしょう。 
キリスト教中心の西洋文明の終末 
スイスの心理学者グスタフ・ユングも「キリスト教中心の西洋文明の終末は20世紀末から21世紀初頭にかけて到来する。そして次の文明は、一神教や独裁専制ではなく、霊性の支配する時代となるであろう」と期せずしてマルローと同じ予言をしております。

カール・グスタフ・ユング
要するに、カネ・モノに執着する物質依存世界から、人間の理性と精神世界を重視する義と捉えるならば、超大国アメリカや金と軍事力で餓鬼道に陥った中国を痛烈に批判・否定しているように思えます。それに比して、多神教日本は、古来、山や川に霊性を感じ、自然を畏れ、神を尊ぶ心を抱いてきたわけで、その代表が伊勢の森だったといえるのです。 
考えるに、人類文化の危機は「画一化」にあり、文明が衝突するのではなく、文明に対する無知が紛争の根源となるのだと思います。思考のプロセスを自省し、他にかぶれたり迎合させられたり、徒に自虐的になることから一歩距離を置いて、確信されてきたものを再吟味し、忘れ去っていた古き良きものへ思いをきたし、一方で他民族との交流においては、異質なもの・新たなものを受容し合う-。こうしたことが、文明間の対話で重要だと思います。 
国家的文化戦略は、長期構想として構築し、粘り強く世界へ向けて発信してゆくことが最重要です。世界的有識者の言説を待つまでもなく、21世紀が霊性の時代へと向かうならば、日本人としても1300年間継承されてきた伝統精神を矜恃し、発信・交流してゆくことが、自らの背骨を正すとともに、世界平和への貢献に資することにもなると確信いたします。
このように、神話が現代なお生きているのが日本であり、日本それ自体が、神話そのものの国で、他国の影響を吸収し切って、連綿たる一個の超越性を保つ国が日本であり、霊性の根源に万世一系の天皇制がある国が日本なのです。

そうして、日本では、過去が現在に現在が未来につながっているのです。そうなのです。霊的に時間を超越してつながっているのです。私たちの霊は、そうして私達の先祖の霊、未来に生まれる私達の子孫の霊はこの悠久の流れにつながっているのです。それどころか、石や木や山や川などの自然にも霊は宿り私達とつながっているのです。

このような霊性の精神世界は、かつて世界中に存在していました。ところが、イスラム教、仏教、キリスト教などの宗教ができると、この精神世界は世界各地から消えてしまいました。

原始社会の世界には、いわゆる宗教以前にアニミズムやシャーマニズムの形で霊性の時代がありました。今でも、宗教の洗礼を受けなかった少数未開民族の中には、残っています。そうして、この霊性を重んじる精神は、なぜか日本では失われることなく連綿として受け継がれてきて今日に至っています。それどころか、日本では今日の神道という形にまで昇華されました。

アニミズム、シャーマニズムを信奉する人たちは、未開の地ではまだみられる
日本の多くの人々は、霊性の支配する日本を普段は意識しないかもしれません。しかし、私達日本人の精神には幼少のころから、この霊性を重んじる精神がいつの間にか深く刷り込まれてしまっています。だからこそ、毎年かなり多くの人々が、初詣にでかけるとか、2014年1年間の伊勢神宮の参拝者数が1086万5160人(内宮680万9288、外宮405万5872人)となったりするというとてつもないことが起こったりするのです。

このようなことは、世界でもかなり珍しいことです。アメリカのホワイト・ハウスの年間訪問者数も150万人程度と聞き及んでいます。このようなことは、アジアでも日本だけです。中国では、この霊性の世界は継承されていません。韓国もそうです。例外的に民間伝承などで、ほんの一部は生き残っているものもありますが、呪術やまじないとして残っている程度で、日本のような式年遷宮のような形式が残って今も継続されているのは日本だけです。

今年の初詣
このような霊性の支配する国であり、歴史の古い日本に、新興国米国は70年前に原爆を投下したのです。

しかし、霊性が支配する日本では、霊性を顧みない中韓と同じように、米国に直接的な謝罪などを要求すべきではありません。

そんなことよりも、私たち日本人は、このような国日本に誇りを持ち、自信を持ち、世界に日本の素晴らしさを伝えていくべきです。日本の霊性を重んじる精神が、世界伝わりそれが理解されれば、世界は変わります。世界中の国々が、日本のように、様々な宗教のその土台に霊性の精神が宿るようになれば、世界は変わります。

霊性が支配する世界になれば、霊性が支配しない現在の世界ではほんどと困難と考えられていたような様々な事柄が、成就できるようになります。その中の一つに核廃絶があるかもしれません。



このように考えると、今回のサミットが伊勢志摩で開催されたことには本当に深い意義があると思います。無論安倍総理は、こうしたことも配慮に入れて、伊勢志摩でサミットを開催したのでしょう。

しかし、世界政治に関係するこのサミット、ひよっとすると安倍総理はそこまでは、想定していないかもしれませんが、霊性の支配する世界への端緒になるやもしれません。

あの原子爆弾による惨禍からも日本は力強くたちあがりました。1,000年に一度といわれた東日本大震災も、最近の熊本の震災も、ほんの一時のことに過ぎません。このような災厄からも日本は再び力強くたちあがることでしょう。朝廷をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化は、亡くなられた方々の霊、これから生まれてくる霊とともに、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、いずれ世界を変えていくことでしょう。

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2016年5月25日水曜日

京大出て専業主婦は「もったいない」のか? 女性のブログが話題「嫉妬されてるだけ」「大学は職業訓練校ではない」―【私の論評】京大卒女子は絶対働くべきと思い込むのは共産主義、全体主義を信奉するのと変わりなし(゚д゚)!


京大卒で主婦はもったいない?

偏差値の高い大学を卒業後、大企業に入社し、高収入を得る――成功や幸せのモデルとして多くの人が思い浮かべるケースだが、高学歴の人の中にはそういった考え方に辟易している卒業生もいるようだ。

京都大学出身の女性が、5月23日に「『京大出て専業主婦なんてもったいない』と言う人は、じゃあわたしが何をすれば許してくれるのか」というブログ記事を投稿し、話題を集めている。

専業主婦であることを「もったいない」と説教された

女性は今年の3月に入籍するとともに京都大学大学院の文学研究科を修了。このことについて、「京大出てそっこうで専業主婦、まあ少数派であることは重々承知している」と語る。周囲に「えっ、働かないの?」と聞かれることは予想していたが、「それに対する自分なりの答え」もあるのだという。

だが、ある人から専業主婦であることは「もったいない」という旨の内容で繰り返し説教をされ、気分が滅入ってしまったそうだ。女性は、
「いったい何がもったいないのだろう。もったいないってことは、わたしは何かを無駄にしているってことなんだろうけれど、何を無駄にしているのだろうか」
と疑問を呈している。女性は京大に行った理由を「勉強をしに行っただけ」「京大オケに入りたかった」と語っている。決して良い企業に就職するためではないのだ。そこで夫と出会い、夫婦での話し合いの末に「外で働かない道」を選んだ。それなのに干渉してくる人に対して、「なぜお前が口を出すのか」と心境を吐露している。
「嫉妬されてるだけ」「余所様の家庭に口を出す方がおかしい」

このブログには、はてなブックマークで多くの反応が寄せられた。中には、
「もっと日本の役に立つことをしろよ。専業主婦ならFランクでもなれるだろ。その枠を未来に活かせる奴に譲れば良かったと思えないの?」
と、女性に「もったいない」と言った人と同じような感想を抱く人もいたが、女性の主張に賛同する人も多かった。
「嫉妬されてるだけ。自分の人生だもの。気にしたら損」 
「余所様の家庭に口を出す方がおかしい。大学で修めた学問と関係無い分野で働いてる人も多い」 
「別に大学は職業訓練校じゃないし、生き方は人それぞれだし、主婦でいいでしょ」 
「なんで他人からの許しが必要なの?」という人も
また、「京大出て変なことしてる人は知人友人含め結構いますので、割とそんな大学です。開き直ってもいい気はします」と周りの卒業生の様子を語る人もいた。「なんで他人からの許しが必要なの?」「ただの社交辞令にいちいち本気にならんでも」といった意見もある。女性が自意識過剰、ということなのだろうか。

だが、24日に女性が更新した記事によれば、ブログに書いた内容は本当なものの、わざと炎上するような文体や煽り気味のタイトルで記事を書いたという。
「本を出そうかなと思っているので、宣伝対象=読者さまが増えたから、よかったんじゃない? て感じだし、そもそもこの燃料で炎上させられない程度の日本語力で本なんか出すべきじゃないやろっていう筆記 試験のつもりで書いたので、自信につながった」
これに対し、読者からは、「せっかく気を使ったコメしたのに『釣れましたーwwww』って性格悪すぎない?もう絶対読まない」と失望する反応が寄せられていた。

【私の論評】京大卒女子は絶対働くべきと思い込むのは共産主義、全体主義を信奉するのと変わりなし(゚д゚)!

何やら、上の記事を読んでいると、この京大卒の女性を「もったいない」と批判する人々は「保育園落ちた、日本死ね」というブログを書いた人や、それを国会でとりあげて、与党を批判した民主党政調会長山尾志桜里さんやこれを支持する人たちなどと似たようなメンタリティーなのではないかと思います。

なぜ、そのような感想を抱くに至ったかといえば、最近ある動画を見たからです。その動画を以下に掲載します。


この動画、50分以上にも及ぶものですが、私は結構面白くあっという間に見終わってしまいました。この動画では、河添恵子・赤尾由美さんらが、朝まで生テレビの鬱憤を晴らすのを倉山氏が聞き取るというような形でまとめらています。チャンネルくららとしては、久しぶりの「討論・暴論・強硬論!」です。タイトルは、「女性が輝く社会を目指す?」というタイトルで、保育園の義務教育化を推進することの問題点を指摘しています。

詳細は、この動画をご覧いただくものとして、とにかくすべからく、すべての女性は働きたいと思っている。いや、働かなければならない。働きたいのに、働けない女性は不幸である。働いている女性は、差別されている。この差別は何が何でもなくさなければならない。そうして、すべての女性が差別なく働けるように、保育園はすべからく義務教育化するのが、とにかく何が何でも正しく、そのことによってすべての女性は輝きを増すという考え方は、どこか間違っています。というより、どこか狂っています。

これは、上の動画をご覧いただくことで、実感していただけるものと思います。ブログ冒頭の記事にでてきた、京大卒の専業主婦の方のブログとおぼしきブログのリンクと、そのブログに掲載されていた本人と思われるかたの写真を以下に掲載します。

ブログのタイトルは以下です。
わたしのむしめがね
当該記事のリンクを以下に掲載します。
「京大出て専業主婦なんてもったいない」と言う人は、じゃあわたしが何をすれば許してくれるのか

さて、女性は全員働きたいと思っているし、働かなければならないとする現在の風潮はリベラルや左翼系の人々は、新しい風潮であるかのように思い込んでいるようですが、それは違います。これは、時代遅れです。アメリカで大失敗した古い考え方です。それに関しては、このブロクにも随分前に掲載したことがあります。

その記事を以下のリンク掲載します。

まずは、夫婦別姓の記事のリンクを掲載します。
選択的夫婦別姓を明記 第3次男女共同参画基本計画策定に向け答申―日本解体始動!!ゆとり教育の二番煎じになるか?
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事は2010年7月23日のものです。この記事から、一足早くビジネス現場などで、夫婦別姓が一時かなりすすめられた結果、米国では過去に何が起こっていたかを示す部分を以下に引用します。
さて、この選択的夫婦別姓に関しては、米国では、現在の日本と同様、結婚によって夫婦は同じ姓になりますが、婚前の姓をミドルネームと言う形で残すのは、普通のことのようです。「私のパパの名前をミドルネームにして使っているの」という女性も多いです。米国では、法律では夫婦別姓に関して決まりはありません。 
ところが、米国では1960年代からいわゆるリベラリスト(自由主義者)らによるフェミニズムの影響で、男性からの経済的自立で女性は自由を得るという生き方が吹聴され、夫婦別姓や事実婚を推奨する運動が盛んでした。 
だから、アメリカでは働く女性が自分の旧姓を名乗り続けるなどのことが、珍しくないことになっていました。あるいは、実質的には夫婦関係にあるにもかかわらず、結婚せずに、夫婦別姓で、いわゆる事実婚という形をとるカップルも増えました。ところが、この法律にもとづかない実質的な夫婦別姓制度が大きな不幸をもたらしました。 
夫婦別姓、女性の社会進出、子育ての外注化という流れの中で米国では多くの男性が妻と子供を扶養する責任を感じなくなっていきました。離婚や未婚の母が増加し、家族という生活の基礎的な基盤を失って苦しむ子供たちが急増しました。皆さんご存知でしょうが、現在アメリカで結婚したカップルのうち、半数以上が離婚します。半数以上ですよ!米国では、離婚は当たり前のことになってしまいました。近いところでは、あのおしどり夫婦で有名だったアル・ゴア氏の離婚が有名ですね。
ペンシルベニア州立大学ポール・アマト教授は「安定的な結婚を1980年の水準まで上昇させれば、停学になる子供を50万人、非行、暴力行為に走る子供を20万人、心理療法を受ける子供を25万人、喫煙する子供を25万人、自殺志向の子供を8万人、自殺未遂の子供を2万8千人、それぞれ減らせる」と警鐘を鳴らしました。 
「家族の絆(きずな)」よりも「個人の意向」を優先する社会-。これが何をもたらしたか。米国の女性たちは既に教訓を得ました。「(米国女性は)過去25年間で初めて女性の就労率が下降し、女性の86%が『仕事よりも家庭が大事だ』と思っている」(2002年3月12日付『USAトゥデー』)
過去に一時、「家庭の絆」よりも「個人の意向」を尊重したアメリカ社会では、今日の日本の「保育園義務化」のように、子育ての外注化がすすめられ、そのために上記にあるような社会の停滞と破壊を招いたです。

こんなことを、リベラルや左翼の人たちは日本でも繰り返したいというのでしょうか。数十年も前にアメリカで大失敗したことを、日本でも繰り返そうというのでしょうか。アメリカ社会は1990年代がこのような破壊と停滞の時代だったのです。2000年に入ってからは、その反省の上にたって、女性の考えが随分変わったのです。

そもそも、女性にも様々なタイプの人がいて、上昇志向が強くて、企業に入って、なるべく上を目指したいという人もいると思います。しかし、そうではない人も多数存在するのです。ブログ冒頭の記事の京大を卒業した女性はそのような女性だと思います。

主婦業 男性1割が"0円"評価とのアンケート結果があつた。主婦業を侮るべきではない!
とにかく、有名大学を卒業した女性はすべからく社会進出しなければならないという考えはあまりに偏狭すぎます。それに、「専業主婦ならFランクでもなれる」という言い方は、とんでもないです。これでは、完璧に専業主婦を愚弄しています。とんでもないことです。

これこそ、差別というものです。専業主婦も、良い大学を出ていようが、出ていまいが、優秀な人は優秀です。優秀でなければ、まともな家庭を築くことはできません。企業も家庭があって、まともな子育てができる家庭で、まともな成人が入社してくれなければ成り立ちません。

それと、ノルウェーなどクオーター制によって、役員や、管理職の一定数を女性にするという、リベラルや左翼系の人々が先進的だとするシステムに関しても、その齟齬が随分前からみられていました。それに関する記事のリンクを以下に掲載します。
実は不寛容だった!? 女性登用先進国の「不都合な真実」 フィナンシャル・タイムズ(UK)より―【私の論評】古今東西の事例をみないか、みても中途半端で失敗するというのは、日本の政治家・官僚・マスコミが何度となく繰り返したきた習性!これからも繰り返し続けるのだろうか(゚д゚)!
この記事は、2014年10月26日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、女性登用のノルウェーでの実態を示す部分を以下に引用します。
首相、財務相、さらには経済界の要職である雇用主組合と労働組合連合のトップに、女性が君臨する。ノルウェーが女性登用先進国と言われる所以である。
2003年、会社法改正により、同国の男女平等政策は民間企業にも広がった。上場企業の取締役会における女性の割合を40%以上とすることを義務づける「クォータ制(割当制)」が導入されたのだ。 
国際的には、クォータ制は女性登用に一定の成果を挙げたと評価されている。だがノルウェー国内では、その効果を疑問視する声もあがっている。 
ノルウェーではいまや、上場企業の取締役会における女性役員が40・7%を占めるまでになった。だが、実際に経営に携わる女性役員は6・4%にとどまる。さらに言えば、ノルウェーの大手上場企業で社長の座に就いている女性は一人もいない。 
結局のところクォータ制は、企業社会の男女平等を後押ししたというより、経営の決定権を持たない女性役員の数を増やしただけだったというのだ。 
この制度が非上場企業には適用されないことも、大企業にとっては抜け道となっている。03年に563社あったノルウェーの上場企業は、クォータ制が法的強制力を持つ08年までに、179社に激減した。女性役員の比率を上げたくないがために、7割の上場企業が非上場に転じたのだ。その結果、役員ポストは上場企業全体で1400となり、現在570人の女性役員がいるにすぎない。他方、非上場企業の役員の50万のうち、女性が就いているポストは9万余り。女性の割合は2割にも満たない。
ノルウエーは左翼やリベラルの人たちにいわせると、素晴らしい国であり、女性がいきいきと働き、輝いていると映っているようですが、実際はこの状況です。

この状況は、現在ではさらに悪くなっているようです。上の動画でも河添恵子先生が、ノルウエーの企業で、本社を外国に移す企業が増えていると語っていました。

日本では、女性の社会進出を促すとリベラルや左翼の方々が、固く考えられているクオーター制といい、女性が働き易すくなると固く信じられている「子育ての外注化」など、これは何かを連想させます。

とにかく、優秀な人が何か制度をつくりそれを施行さえすれば、何でもうまくいくという、考え方です。


これはいわゆる制度設計というものです。これは、新しい制度を作る、または現行制度を改善する場合に、その目的、対象、事業内容、必要な組織、運営の仕方などをまとめた計画のことです。優秀な人が、この計画を立案して、実行すれば必ずうまくいという安易な考え方です。

そうです。これって、共産主義ですね。共産主義はどうなりましたか?結局大失敗しました。今では、共産主義など誰も信じなくなりました。

結局女性の社会進出や、子育てなどに関しては、制度設計で誰かが「これが最善」として考えて実行したとしてもうまくはいかないということです。

制度設計で何もかもうまくいくなら、共産主義の計画経済もうまくいって、共産主義国家も栄えていたはずです。そうして、今でも共産主義国家が存在しているはです。しかし、現在では、共産主義国家はこの地球上には存在しません。

中国は共産主義体制をとっているようにみせかけていますが、その実もうとうに共産主義は捨てていて、現在は破綻しかけた国家資本主義と呼ぶにふさわしい体制となっています。

京大を出た女性は専業主婦ではなく社会に出て働くべきという考えは、女性は社会進出すべきであり、それが絶対善であるという考え方と根本的に同じです。

しかし、実際の世の中には、そうではない女性も大勢います。そうして、上でも示したように、家庭の主婦の仕事も大事な仕事です。そんなことを無視して、社会全体の価値観を一部の人が定めて、その方向性で計画して、その計画を実行することにより、人々は幸せになるという考え方は、共産主義です。

共産主義は、結局全体主義であり、組織や個人の自由な活動をかなり制限して、制度設計で社会はうまくいくという前提のもとで運営され、そうして、大失敗しました。

共産主義国家においては、女性の社会進出が徹底されました。旧社会主義国では、これが社会を荒廃させる一因にもなりました。

過去の共産主義諸国の女性たちのほとんどが社会進出した
結局何が失敗だったかというと、個人や組織の自由を認めなかったことです。社会には、多様な考えや価値観を持った個人や、組織が存在しており、実体経済という縛りはあるものの、現実にそれらが自由に活動して、個人の幸せが得られたり、組織間が競争をしたり、他の組織とは全く異なることを実行したりして、成功したり失敗したりします。

そうして、一定の秩序ができあがり、社会が発展します。しかし、それを認めないというのなら、社会は発展しません。

女性は、社会進出して、高い給料や地位を得ることが幸せで、他は不幸であると決めつけることや、女性の社会進出のためには、価値の低い専業主婦の仕事は全部外注にして、女性が心置きなく社会進出して、少しでも高い給料と高い地位を得ることによってのみ、女性は輝くことができると思い込むのは、結局のところ共産主義、全体主義を信奉するのと変わりありません。

結局、一昔前のアメリカの不幸もこうした硬直した考えに支配されたためです。私たちは、多様な個人や組織の価値観や考えを尊重すべきです。だから、社会進出したいという女性の価値観も認めると同時に、家庭を大事にしたいという女性の価値観も認めるべきなのです。

そうして、明らかに間違いであるとか、社会に害悪をもたらすとか、犯罪につながるとか、他者にも無理に強要するような価値観や考えは、認めるわけにはいきませんが、それ以外の個人や組織のそれは、認めるべきです。本当はリベラルの人たちがこのような考えをすべきです。

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2016年5月24日火曜日

やはり嘘だった財務省の「増税の影響は軽微」 衆参ダブル選再燃も―【私の論評】政府は私が中学の時に味わった、鮮烈なアハ体験を国民に味合わせるべきだ(゚д゚)!

やはり嘘だった財務省の「増税の影響は軽微」 衆参ダブル選再燃も


 1~3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比0・4%増、年率換算で1・7%増と2四半期ぶりのプラス成長となった。

その中身で注目されるのは消費と設備投資だ。民間最終家計消費は0・5%増、寄与度は0・3%となっている。民間企業設備は1・4%減、寄与度はマイナス0・2%である。

まず消費から見ていこう。GDP統計での消費は総務省の「家計調査」などから推計している。ただし、この統計は、うるう年の影響を基本的に考慮していない。このため、今期の数字はうるう年のためにかさ上げされている可能性がある。

それをある程度裏付けるのが、日銀が新たに公表した「消費活動指数」だ。それでみると、3月は前月比0・5%低下となっている。

日銀の消費活動指数は、総務省の家計調査だけでなく経済産業省の商業動態統計なども加味して作られた統計で、家計調査の種々の欠点を補っている。いずれにしても、各方面からいろいろな統計が出るのは統計分析家の筆者としては大歓迎である。

こうした事情もあるので、菅義偉官房長官は18日午前の記者会見で、個人消費の伸びが0・5%増だったことに関し、「全体として弱含みだ。消費税(2014年4月の5%から8%への引き上げ)の影響がまだ残っている」との見解を示した。

ちなみに、対前年同期比では、うるう年効果にもかかわらず消費はほとんど横ばいである。うるう年効果を除くとマイナスという見方もできる。

もともと消費増税の悪影響は2年程度あっても当然だ。財務省やエコノミストらは増税前に「消費増税の影響は軽微」「実際に悪影響が出てもせいぜい3、4カ月」と、トンデモない説明をしていたことになる。

次に設備投資をみてみよう。設備投資は、実質金利と将来の需要動向によって決まる。実質金利はマイナス金利の導入などによって下がったが、今までの消費動向がさえないので、将来不安が増大して、設備投資はマイナスの伸びと芳しくなかった。

日銀の追加金融緩和とともに、消費を立て直すために、給付金や減税などの追加財政措置が必要な事態だ。

菅官房長官は、今回の速報値が来年4月の消費税率10%への引き上げの判断材料になるかとの質問に対し、「ならない」と答えている。少なくとも、増税を実施する決め手になるとはみていないだろう。逆にこれで増税延期や凍結とみるのも早計で、増税の是非に関しては「『適時適切に判断する』という安倍晋三首相の答弁に尽きる」としている。

民進・共産・生活・社民の野党4党の党首は、今国会に内閣不信任案を提出するようだ。こうなると、熊本地震で一度は消えた7月10日の衆参ダブル選挙が行われる可能性が再び出てきたといえるのではないか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】政府は私が中学の時に味わった、鮮烈なアハ体験を国民に味合わせるべきだ(゚д゚)!

まずは、最近のGDPの推移を振り返っておきます。以下の表をご覧ください。1〜3月の水準は、昨年7〜9月とあまり変わりありません。うるうるう年効果を考慮に入れると、若干悪いと言っていいくらいです。


ブログ冒頭の記事にもでてきたような、うるう年効果について見てみます。下の表をご覧ください。



百貨店の今年2月度売上高は前年同月比で0.2%増。2カ月ぶりのプラスですが、実質は「0.2-3.6」でマイナス3.4%となります。スーパーは春物コートが好調で3.4%増だそうですが、実質は0.2%減でした。

経産省の商業動態統計調査で、小売業は0.5%増ですが、うるう年効果が剥げ落ちると3.1%減となります(上表参照)。

好景気の時は、それほど気にする必要もないでしょうが、現状のように本当はマイナスなのに、うるう年効果でプラスになってしまうのは問題です。ゲタを履かせた数値がメディアで躍ると、不景気にもかかわらず、景気は回復基調にあると勘違いしてしまいそうです。

複数の民間シンクタンクが、今年の3月に2月の家計調査結果を分析して、5月半ばに公表される1~3月期のGDP成長率は、うるう年効果を見込んで、0.3ポイント、年率換算で1.2ポイント押し下げて見ておいたほうが良いとしていました。

私は、このシンクタンクの見方は正しいと思います。そこで、修正をいれたGDPを見ることにします。1月 〜3月期の修正値は、0.1、年率換算では0.5ということになります。

これでは、かろうじてマイナスにならなかったというだけです。景気が低迷していたことを考えると良い数字ではありません。マクロ経済学では2期続いてマイナスが続くと、リセッション入(景気後退局面入)とみなしますが、かろうじてリセッション入を免れたということがいえます。

この状況では、増税なんて全く考えられません。それに日銀が追加金融緩和をしなかったことも解せません。

なぜ、このような状況のときに、増税すべきなどと言い出す人がいるのか全く理解に苦しみます。

私が中学生だった頃、社会の教科書には、景気が悪いときには、政府は積極財政をして、日銀は金融緩和をする、景気が良い時には、政府は緊縮財政をして、日銀は金融引き締めをすると掲載されていたのを記憶しています。

そうして、実際に積極財政の方法としては、公共工事を増やす、減税する、給付金を増やすなどの方法があると学びました。金融緩和の方法としては、公開市場操作で、買いオペがあると学びました。今考えると、当たり前のことなのですが、その頃はこれを本当に理解するのは結構難しかったです。しかし、最後にはとうとう理解することができました。

以下に公開市場操作(オープン・マーケット・オペレへーション)の仕組みの図を掲載します。この仕組みが本当にわかったときの喜びは、今でも忘れていません。

このようなカラクリを知った当時中二病だった私は、有頂天になって、自分は日本の経済は何とでもできる、自分が日銀総裁になったり、政治家になったら日本経済は永遠に成長し続けることができるなどと思ってしまい全能感に包まれました。今から考えると、本当に愚かだったと思います。

しかし、金融政策や財政政策の基本中の基本を初めて知ったときのなんというか、アハ体験はそれほど鮮烈なものでした。



さすがに、中二病からは立ち直り、なぜか高校では、中学で味わったほどのアハ体験をすることもなく、大学はたまたま数学や物理が好きだったので理系に進学し、しかしこのアハ体験を引きづったまま社会人になったのですが、そのアハ体験もいつの間にか忘れてしまい、気づくと日本はこれまたいつの間にか万年デフレのどん底に沈んでいました。

そうして、これは何かおかしいと感じて、よく調べてみると、あの中学の時のアハ体験で体感した景気が悪いときには、日銀は金融緩和策を政府積極財政をすべきということがなされず、長い間逆のことをやっていることがわかりました。

そうして、サイトなどを調べてみると、私のように不況のときには、金融緩和や積極財政をすべきと主張する人々は、リフレ派と呼ばれ、少数派であることを知りました。

そこで、あのアハ体験をした私は、不審に思ってマクロ経済学の本を買ってきて読んでみました。すると、私のあのアハ体験で体験したことは、間違いでもなんでもなく、マクロ経済学では当然とされていることを知りました。

この時の私の驚き、憤りは大変なものでした。しかし、それからしばらくして、いわゆるリフレ派の考え方も普及して、安倍自民党内閣が誕生して、さっそく金融緩和策がとられるようになり、景気はどんどよくなっていきました。特に、雇用はものすごい勢いで回復していきました。ただし、なぜか積極財政のほうはおざなりになっていました。

そうしたところに、いつの間にか8%増税です。あのアハ体験で体感したこととは、真逆の緊縮財政をするわけですから、私としても、このブログて大反対しました。

しかし、8%増税が実行されて、その結果は予想どおりのものでした。

最近では、10%増税を実施すべきという人もいて、中には10%増税をして、大型景気対策をすべきだと主張する人も現れています。

しかし、今一度あのアハ体験で体感した、原点にもどってみても、現在の公民の教科書ですら、景気の悪いときには増税して大型景気対策をすべきなどととは一言も掲載されていません。

それに標準的なマクロ経済学の本を読み返してみても、そのようなことは一言も書かれていません。書かれているのは、日銀は金融緩和を、政府は積極財政をすべきということだけです。

そうして、積極財政とは、増税の真逆の減税をすること、公共工事を増やすこと、給付金政策を拡充することなどです。

ただしこれは、後で知ったことですが、公共工事は現状では公共工事の供給制約があって、なかなか難しいです。最近は、この制約も緩んできてはいるようですが、それにしても、建築業者のほうは将来どうなるのか心配しているようで、設備投資もあまり進んでいません。しかし、減税は財源がなくてもできる最も簡単な方策です。であれば、本来なら増税ではなく真っ先に減税をすべきでした。

公共工事の供給制約を示すグラフ

それにしても、こんな時期に増税すべきなどという人は、一体どうなってしまったのでしょう。

そのようなことを言い出す人たちは、それこそ、私が中学生の頃罹患していた、中二病なのではないでしょうか。

中二病の症状としては以下のようなものがあります。
  1. 急に親に冷たい振りをする(母親をおふくろやおかん呼び・プライバシーを尊重してくれなど)
  2. 愛想が無くなり孤独を好むようになる(いわゆる“孤高”)
  3. 突然ブラックコーヒーを飲みだす
  4. 急にロックや洋楽を聴き始める
  5. ロングコートやマントに憧れ銃やナイフを携帯したくなる
  6. 学校が武装集団に占領されて自分1人で戦う事を妄想する
  7. やれば何でもできるかのような万能感を感じるが、実際に行動に移すことは少ない
  8. メディアやインターネットで仕入れた知識を自分の考えであるかのように語る(『アメリカって汚いよな』など)
  9. 上記に付随し、見た・聞いた知識を経験として語る。売上で優劣を付け人気作品を人気が出る前から知っていたなど
  10. 様々なものを批判しはじめる一方、ある種カルト的なものを崇拝する
この中で、特に7.や8.が当てはまるように思います。

7.に関しては、やれば何でもてきるような万能感とは、マクロ経済の理論に背いても、増税しても、日本経済への影響は軽微と勝手に考えこみ、増税を支持する。そうして、中学生の中二病よりたちが悪いのは、実際に自分の立場など利用して、増税賛成の世論を盛り上げるなどのことを行ってしまうのです。

8.に関しては、メディアや財務省などから仕入れた知識を自分の考えであるかのように語り、増税の正当性、ありもしない財政破たんの危機を煽るのです。

10.も当てはまるかもしれません。リフレ派を徹底的に批判し、まるでカルトのような、景気が悪いときでも増税しても経済に悪影響はあまりでないという妄想を信じ込みます。

そうして、大人の中二病は、中学生の中二病より始末が悪いです。中学生の中二病は、まだ親の保護観察下にあるので、他に及ぼす影響は少ないですし、それに一時の、大人になるための通過儀礼のようなものであり、いずれ治ります。だから、中二病はあまり深刻なものではありません。

しかし、大人の中二病は始末に悪いです。特に社会的地位の高い大人の中二病は、国民全体に影響を与えます。実際、これらの人たちの中二病は8%増税で、多くの国民の消費意欲を減退させ、今日の事態を招いてしまいました。そうして、こういう大人は満足にアハ体験もしていないのではないでしょうか。だから、簡単に大人の中二病に罹患してしまうのかもしれません。

アハ体験ができる動画。大きな画面で見たほうが発見しやすいです。

国民のうち、40歳未満くらいの人だと社会人になってから、ただの一度も景気が良かったことがないというとんでもない状況を招いてしまいました。

その他の人たちだって、長い間デフレが続き、もう景気の良かった時代などはるか昔のことで、もう永遠に景気は良くならないと思い込んでいるようです。

こんなことは、なしにしましょう。政府は、私が中学生のときに味わったようなアハ体験を国民全員に味わってもらえるように努力すべきです。

そのためには、私がアハ体験で理解した、追加金融緩和と積極財政の両方を実行して、早期にデフレから脱却して、国民にデフレでない世の中を体感してもらうべきです。デフレでない、緩やかなインフレの時代を創りだすべきです。それ自体が、アハ体験になりますし、インフレの時代はデフレの時代に比較して、ずっと多くのアハ体験ができると思います。そうして、その結果として、消費が拡大し、景気は良くなります。

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